松浦鉄道の全線を29年ぶりに乗り鉄した記録

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松浦鉄道乗車と軍艦島訪問記(その2)・・・松浦鉄道の全線に乗り鉄

主に青春18きっぷを利用した「駅弁」と少し「呑み鉄」、そして時々「撮り鉄」の旅を名古屋からお届けします。今回は本サイト「鉄宿!」管理人であるP氏とともに旅した松浦鉄道と長崎軍艦島訪問の記録です。

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松浦鉄道乗車(佐世保~佐々)


佐世保で無事P氏と合流、ここからは2人旅です。私のミスにより松浦鉄道が予定より1本後の列車となってしまい、P氏に対してはまさに恐悦至極の心境です。

今回の旅は国内鉄道全線完乗を目論むP氏の強い要望によるものです。氏は九州では九州新幹線の一部(先に九州入りして乗車済みだそうです。)と長崎電気軌道の一部が未乗とのことで、本日長崎入りした次第です。松浦鉄道乗車はそうした趣旨からは「おまけ」のような形となりましたが、私は29年振りの訪問となるためほぼ初乗り感覚で楽しみです。

松浦鉄道の一日乗車券
佐世保からは1日乗車券を利用します。通年利用可でおとな2000円です。佐世保からたびら平戸口まで片道1340円、伊万里まで同2290円のため、使い方によってはかなりお得な切符です。もちろん佐世保から伊万里まで松浦鉄道を利用する方は皆無と思われますが…。スクラッチ式の乗車券は日付を削るとき間違えないか緊張しますが、松浦鉄道佐世保駅では窓口の方が削ってくれました。

松浦鉄道の路線図
本日は、松浦鉄道の前線に乗車します。路線図は松浦鉄道のホームページより拝借しています。南側の、佐世保駅寄り乗車します。

松浦鉄道の佐世保駅
右側のMR-620号が佐世保11:53発佐々行となります。2番線ホームはそのままJRの2番線ホームに続いており、松浦鉄道から早岐行の直通列車は2番線に発着するそうです。 (2018.8.31 11:40)

佐世保駅で撮影したMR-107
こちらは29年前、高架化される前の佐世保駅で撮影したMR-107です。1988年(昭和63年)の開業時に導入されたMR-100形はMR-600形により置き換えられ2012年までに姿を消しました。松浦鉄道乗車はこの時以来となります。(1989.9.6)

急行「平戸」
…と思いつつ古い写真を眺めていたら、急行「平戸」に乗車し第3セクター転換前の松浦線に乗っていたことが判明。唐津を9:21に出発し、伊万里から松浦線を経由して佐世保、大村線で諫早、そして長崎に至るという今日では考えられないような楽しい(?)経路を行く列車でした。今思うと当然ですが、佐世保まではガラガラでした。写真右側の列車が佐世保駅停車中の長崎行急行「平戸」です。(1987.12.26)

急行「平戸」
急行「平戸」は松浦線の第3セクター転換に伴い廃止されました。

MR-620号の車内
佐世保から乗車したMR-620号の車内です。ロングシート中心ながら、中央部には4人掛けボックスシートと1人掛け転換クロスシートが設置され、混雑対策と観光利用の双方への配慮が感じられます。「乗り鉄」的には嬉しい座席配置です。


佐世保発車時点では我々を含めて5枚程度と寂しい車内でしたが、佐世保中央、中佐世保そして北佐世保と、佐世保市街地の各駅でお客さんを迎えます。中でも佐世保中央~中佐世保間は200mという短い駅間距離で知られています。この列車の終点である佐々までの乗車時間は44分、高校生の乗降も多く途中では立ち客もいる盛況振りでした。

しかしトンネルや勾配を避けたと思われる線形は大回りとなり、佐世保から相浦は道路で10㎞所要約20分、鉄道は14㎞所要約30分と自動車の利便性が高いためか、高校生以外の利用が少ない点は気懸りでした。

レモンステーキ弁当
早速、佐世保駅で同行の本サイト「鉄宿!」管理人P氏に入手していただいた「レモンステーキ弁当」(匠庵・1300円)をいただきます。一時は消えたと思われた佐世保駅弁を、再びこうして味わうことができるのは幸せです。

昔の佐世保駅弁の掛け紙
かつてはこちらの業者が佐世保駅で駅弁を販売していました。この掛け紙は幕の内弁当のものですが、肝心な中身の写真が無くて申し訳ありません。(2006.5.5)

佐々駅に到着
終点の佐々駅に到着、10名程が降車しました。車両は進行方向を変えて入庫しました。 (2018.8.31 12:38)

松浦鉄道の佐々駅
有人駅で窓口の営業がある佐々駅です。駅前にはバスターミナルがあり、西肥バスが急行便を含めて1時間に4~5本の高頻度で佐世保市内を結んでいます。駅周辺は住宅街ですが、市街地には役場やスーパー、コンビニがあります。

佐々駅の構内
1971年(昭和46年)まで炭鉱線であった臼ノ浦線が分岐していた関係か、構内は広く現在は車両基地が設置されています。(2018.8.31 12:48)

佐々駅のホーム
1番線ホームで発車を待つ佐々発佐世保行です。1・2番線ホームは島式、左端の3番線ホームは行き止まり式で佐々始発の佐世保行が発車します。(2018.8.31 12:49)

佐々駅の伊万里行き
佐々駅2番線ホームに伊万里行が到着、この列車に乗車し伊万里に向かいます。 (2018.8.31 13:06)





松浦鉄道乗車(佐々~伊万里)


佐々13:08発伊万里行は1998年製で最古参のMR-401号による運行です。開業時からの車体塗色は現在では唯一の存在ですが、私の中の松浦鉄道のイメージは未だこの塗色です。

空席の方が目立つ乗車率で、運良く中央部4つのボックス席のうちの1つに腰掛けることができました。そして、佐世保~佐々間とは輸送量が格段に違うことが実感されました。里山風景の中を進み、江迎鹿町でお客さんが入れ替わり、13:45にたびら平戸口駅に到着します。2本のレールを使用する鉄道としては日本最西端の駅として知られるたびら平戸口では列車行き違いのため3分間停車します。

たびら平戸口駅
たびら平戸口は木造駅舎が健在の有人駅です。かつては北松浦郡田平町に位置していましたが、現在の所在地は合併により平戸市となっています。駅待合室内には「ちゃんぽん」のお店が営業しています。残念ながら本日は金曜日で定休日ですが、同行の本サイト「鉄宿!」管理人P氏は昨日訪れたそうで、詳細はリンク先をご参照ください。(2018.8.31 13:45)

たびら平戸口の駅名板
沖縄都市モノレールの那覇空港駅が日本最西端の駅ですが、2本のレールのある「鉄道」としてはこちらが最西端となります。

たびら平戸口駅1番線ホームに停車中のMR-401
たびら平戸口駅1番線ホームに停車中のMR-401伊万里行です。交換となる佐世保行は右側島式ホーム2・3番線のうち、3番線ホームに到着しました。(2018.8.31 13:44)

平戸口駅に停車中の急行「平戸」
こちらは31年前、たびら平戸口駅(当時は平戸口駅)に停車中の急行「平戸」です。急行列車ながらキハ58系の後部にキハ47が連結されていました。ホームの雰囲気は現在も大きくは変わっていないようです。(1987.12.26)

松浦駅のホームと列車
松浦駅でも4分間停車し列車行き違いとなり、お客さんも入れ替わります。島式ホームと対向式ホーム各1本計3線の交換駅です。 (2018.8.31 14:15)

松浦駅
長崎県松浦市に所在する松浦駅は売店と窓口がある有人駅です。「松浦交通センター」の名称でバスターミナルとしても機能しています。

調川~前浜間の車窓
調川~前浜間の車窓です。中田平付近から里付近までは海を眺めることができます。「撮り鉄」活動を行いたくなるロケーションです。福島口駅手前で長崎県から佐賀県に入ります。 (2018.8.31 14:22)

楠久駅でも列車行き違い
終点の伊万里を目前にした楠久駅でも列車行き違いです。佐々~伊万里間は日中1時間毎の運行のため、約30分毎に列車の行き違いが行われます。(2018.8.31 14:46)

伊万里駅での松浦鉄道の乗り換え
14:55に終点の伊万里駅に到着しました。降車客は10名程度でしょうか、空席が目立つ乗車率でした。そして同じホーム反対側にはこれから乗り継ぐ有田行が停車していました。(2018.8.31 14:57)


29年振りとなった松浦鉄道佐世保~伊万里間の乗車は、意外にも充実しており楽しむことができました。10年ひと昔などと申しますが、さすがに29年振りともなるとほぼ初乗車のような感覚でした。車窓を彩る明るい里山風景と穏やかな海岸風景は絶景ではないものの唯一無二であり、狭いようで意外と広い日本を実感しました。

ちなみに同行の本サイト「鉄宿!」管理人P氏は、たびら平戸口~伊万里~有田に関しては昨日1往復しているので昨日から数えて今回は3度目の乗車だそうです。その熱意に対しては頭が下がると同時に半ば呆れたのも事実。

しかしながら鉄道の旅は、現地に赴き列車に揺られないと楽しむことが出来ないという点はまさに現場百回であり(意味不明?)、P氏の姿勢から学ぶべき部分もあることよのう…と深く考え直した次第です。



松浦鉄道乗車(伊万里~有田)


伊万里では9分の待ち合わせで、有田行に乗り換えます。伊万里では佐世保方面と有田方面の直通列車はなく乗り換えが必要となります。

伊万里駅の内部
現在の駅舎は2002年(平成14年)に新築されました。窓口のある有人駅ですが、車内精算方式で改札は行われません。

伊万里駅の連絡通路
2002年(平成14年)の駅舎新築時にJR筑肥線の伊万里駅とは道路により分断されました。左側が松浦鉄道で右側がJRの伊万里駅です。松浦鉄道と筑肥線を乗り継ぐお客さんは多くなく、市街地の分断を避けるという利点はありそうですが、鉄道利用者としてはわざわざバリアーを設けるという点で面妖な構造の駅です。

参考伊万里のトレインビュー・セントラルホテル伊万里


夫婦石駅
夫婦石駅で列車行き違いのため停車中、伊万里~有田間営業キロ13.0㎞のうち交換可能駅はここ夫婦岩駅と蔵宿駅の2か所です。(2018.8.31 15:13)

夫婦石駅の駅名板
伊勢二見の夫婦岩のような石があるのでしょうか。縁起のよさそうな駅名です。

夫婦石駅に停車中の松浦鉄道
伊万里行の到着を待って夫婦石駅を発車します。乗車列車の後部から撮影。 (2018.8.31 15:15)

大木駅を列車後部から撮影
里山風景というには少し雄大な景色の中にある大木駅を列車後部から撮影。 (2018.8.31 15:19)

蔵宿駅の1913年(大正2年)建築の木造駅舎
列車の行き違いが可能な蔵宿駅には1913年(大正2年)建築の木造駅舎が残ります。松浦鉄道西九州線には古い木造駅舎が少ない印象、そのような中でこの駅舎は貴重な存在です。(2018.8.31 15:23)

松浦鉄道終点の有田駅
松浦鉄道終点の有田駅です。言わずと知れた有田焼の産地、みどりの窓口もある特急停車駅です。駅舎内の「有田銘品館」で販売されている「有田焼カレー」は、容器や販売方法等々非常に興味深い駅弁です。駅弁以前にお弁当という概念でも語ることが難しいようなユニークな存在ですが、こちらも同行のP氏が昨日食されているようなのです。(2018.8.31 15:33)


15:30にJR佐世保線との接続駅である有田駅に到着です。佐世保からの運賃は2600円、一日乗車券利用で2000円とお得な旅でした。もちろん佐世保から有田まで乗り通す乗客は鉄分濃い目の旅行者だけでしょうが、楽しむことのできた乗り鉄旅行でした。

今回はイベント的要素が皆無ながら、旅先の日常に埋没してみるという旅の醍醐味を味わうことができて意外にも満足度の高いひとときでした。2度目、3度目でも鉄路の旅は侮れないことを実感、まだまだ終点はありません。


【乗車記録】

・佐世保11:53→佐々12:37 MR-620 1両
・佐々13:08→伊万里14:55 MR-401 1両
・伊万里15:04→有田15:30 MR-617 1両


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