ノシャップ岬はバスが便利、雄大な利尻富士も見える

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道央道北・乗り鉄の旅(その11):バスでノシャップ岬・雄大な利尻富士

主に青春18きっぷを利用した「駅弁」と少し「呑み鉄」、そして時々「撮り鉄」の旅を名古屋からお届けします。

昨年(2016年)11月、JR北海道から「当社単独で維持することが困難な路線」として、13線区が発表されました。半ば予想された展開とは言え、こうなると乗りたくなる浅はかな私。2017年3月、宗谷本線などへの「乗り鉄」の旅に出掛けました。



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バスでノシャップ岬へ


稚内グランドホテルでトレインビューを楽しんだ後、今日(2017年3月19日(日))は本命である宗谷本線を、稚内駅発10:27の普通列車に乗り旅する予定です。P氏とは稚内駅で落ち合う予定で、それまでにノシャップ岬に行くことにします。

本当は宗谷岬に行きたかったものの、次の通り早朝に出発しないと、稚内からの宗谷本線に間に合いません。昨晩は結局10時頃まで飲んでしまったこともあり、早々に断念です。

(往路)南駅前5:51→宗谷岬6:35
(復路)宗谷岬7:21→南駅前8:09



朝食をいただいてからホテルをチェックアウトし、南稚内駅に近い「南駅前」バス停から8:29発のノシャップ行バスに乗車。休日の朝とあってお客さんは少ないものの、この路線は日中も含めて1時間に3~4本運行されており、地方都市では稀有とも言える利便性の高いバスです。

南稚内駅前の繁華街の朝
南稚内駅付近の歓楽街です。昨夜は意外に(?)賑わっていました。かつては北部、稚内駅周辺が中心街でしたが、南稚内駅から東の国道40号線沿い付近が栄えているようです。近くに24時間営業の「すき家」があって、(失礼ながら…)驚きました。

南稚内駅の駅舎の外観
南稚内駅です。次の下り列車の到着はお昼頃になるにもかかわらず、タクシーが待機していました。

宗谷バスの南駅前バス停(南稚内駅前)
ここから稚内駅を経由してノシャップまで宗谷バスに乗ります。


失礼を承知で申し上げると、もし事業が失敗し自己破産して、ひっそりと余生を送る・・・などという事態に陥ったら(一介のリーマンで、事業はしていませんが・・・)、稚内で暮らそうと決めていました。

重ねて無礼は承知の上ですが、同じようなことを考えている方もいらっしゃるようで、これを「逃北」と言うそうです。(「逃北 つかれたときは北へ逃げます」能町みね子・文春文庫)

今日は比較的暖かな晴天。後に調べると、この日の稚内は最高気温3.5度、最低気温0.7度、積雪4cmでした。「逃北」には猛吹雪の方が味わい深いのですが、バスから眺める町は明るい印象で、稚内への「逃北」も悪くないかも知れません。

しかし実際には、稚内市の人口は水産業の衰退等により、1975年の約5万5千人からこの2017年3月31日現在は約3万4千人にまで減少しています。その上、単身者用の住宅が少ないため、家賃は意外に安くはないそうです。昨夜見た「すき家」の深夜アルバイト時給が、1,150円でしたので、仕事はなくはなさそうですが・・・。

そんな戯言はともかく、稚内に数日でも滞在して、住民気分を味わってみるというのは、冗談ではなく一度やってみたいものです。20分余り乗車して、終点のノシャップに到着。ここまで町並みが途切れることはありませんでしたが、終点まで乗車したのは私一人でした。

宗谷バスのノシャップバス停
終点のノシャップバス停に到着。かつては東急グループだった関係か、塗色からして東急バスの中古と推定される車両です。こうした形で、地方都市でもノンステップバスが導入される時代になりました。

ノシャップバス停の時刻表
ノシャップバス停の時刻表です。稚内の市街地を貫く路線で、本数が多く利便性が高いです。

1980年代後半のノシャップ岬のバス停
ノシャップ岬を訪れるのは約30年振りです。転回場の場所は同じようですが、未舗装だったようです。(1987.8.24)





ノシャップ岬から、雄大な利尻富士を望む


さてバス停から400mほど歩くとノシャップ岬です。休日ながら、近所の方が散歩されている以外に観光客の姿はありません。すぐ横にある稚内市ノシャップ寒流水族館の営業開始時間は午前10時(4月1日~10月31日は9時)で、まだ1時間近く後です。

前述のとおり、ここを訪れるのは30年振りです。夜行急行列車「利尻」で稚内駅に降り立ち、今日と同じ路線バスに乗り、ノシャップ岬にやって来たのでした。その時は小雨で、全く展望がなかったのですが、今日は好天で、雪に覆われた利尻富士がくっきりとその姿を現しています。

ノシャップ岬から見る雪の利尻富士
日本100名山である標高1721mの利尻富士(利尻山)です。雄大で、人を寄せ付けない厳しさを感じさせます。

利尻富士登山中
…と言いつつ、その昔、P氏とともに山頂を極めています。中腹までは雲の中でしたが、旅の多い私の人生においても非常に思い出深い、素晴らしい旅でした。 (1996.7.5)

7合目から見た利尻富士の山頂(1996年)
山頂付近は雲がなく、独立峰らしい山の姿を拝むことができました。登山口から山頂まで上り5時間、下り4時間。この時は我々もまだ20代、若かったです。今はもう登る自信はありません。(1996.7.5)

ノシャップ岬から見た樺太
礼文島かと思いましたが、利尻島と離れすぎているので、樺太でしょうか。曖昧模糊ですみません。

宗谷バスの礼文島定期観光バス(1996年)
礼文島では定期観光バスを利用しました。至る所で高原植物が花を咲かせている美しい島でした。しかし、ここではあえて懐かしいモノコックボディの観光バスを掲載。(1996.7.4)

ノシャップ岬の看板と利尻富士
この看板は、30年前と変わっていないような気がします。

稚内恵山泊公園
ここは正式には「稚内恵山泊公園」で、本当の突端である「ノシャップ岬」は、下の写真の灯台付近のようです。そんな細かいことは、どうでもいいのですが…。

稚内灯台と稚内市ノシャップ寒流水族館の外観
稚内灯台と稚内市ノシャップ寒流水族館(右)です。地図を改めて見てみると、岬付近で一番北となるのが、灯台前の道路です。一応、行っておくべきでした。


宗谷岬の代替え(?)として、あるいは宗谷本線乗車前の暇つぶしで訪れたようなノシャップ岬でしたが、雄大な利尻富士を眺めることが出来て、予想以上に素晴らしいところでした。

「最北端」ではないものの、展望の良さでは宗谷岬以上ではないでしょうか。などといいつつ、宗谷岬は訪れたことがないので、断言できないのですが・・・。残りの人生で、再び稚内を旅する機会はあるのでしょうか。

⇒次:稚内駅周辺を徘徊


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