えちごトキめきリゾート雪月花(和食コース)体験談(えちごトキめき鉄道)

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えちごトキめきリゾート雪月花(えちごトキめき鉄道)・・・車両の快適さに驚くものの

本格的な食事を楽しめる、大人のための観光列車が楽しい


列車の中で美味しいものを食べさせてくれる「レストラン列車」に乗りまくるシリーズです。今回は新潟県の第三セクター、えちごトキめき鉄道の観光列車、えちごトキめきリゾート雪月花に乗ってきました。

乗車したのは午後便で、糸魚川駅を14時10分に発車して、約2時間半楽しんだのちに上越妙高駅に16時48分に到着するコースです。写真は糸魚川駅で発車待ちの雪月花です。コンセプトムービーを見ると、イメージが湧くと思いますので、一緒にご覧ください。






えちごトキめきリゾート雪月花の予約は、雪月花の専用ダイヤルに電話をして申し込みます。雪月花は土日中心に運行されていて、予約が取れるかどうか不安になるかもしれませんが、夏休み期間中などでなければだいたい空席があるようです

雪月花の電話予約はコチラのホームページから


さてこの新しい観光列車、雪月花に乗車した体験談を、2ページに分けて、ご紹介しますね。分量が多くなりすぎるので、ページを分割しました。ご興味あるところをご覧ください。

えちごトキめきリゾート「雪月花」に乗ってきたぞ←今このページ
越後トキめき・雪月花の午後便「月コース和食」が美味い!





えちごトキめきリゾート雪月花はこんな列車


えちごトキめきリゾート雪月花最初にネーミングを聞いた時から、なんだか素晴らしい名前だなと思っておりましたが、実物を目の前にすると、とにかく心の中がパッと明るくなるような、そしてなんとも豪華な気分になるような、そんな車両でした。

赤い車体が、とにかく目立ちます。この目立ちぐあいは、特急花嫁のれん並みだなと言うのが第一印象。しかしそれと大きく印象が異なるのが、新品ピカピカという点でしょうか。日本で走っている観光列車の多くは、旧型車両のリニューアルです。

それに対して新造車両で、しかも、ここまできらびやかにデザインしたのですから、圧倒的なキラキラ感があるのは当然と言えば当然でありましょう。


トキのマークも誇らしい、トキめき鉄道のロゴマーク。


よく見ると馬面ですが、スタイリッシュでもあります。自由闊達なデザインです。


桜の花吹雪のデザインが芸術的です。花吹雪、桜の花、そして月。まさに雪月花。


車内に入って、車端部の連結部分。まるで美術館にいるかのような美しさです。


下記、雪月花の車内をウロウロと見て回った時の動画です。2両編成で、こじんまりしています。それぞれの車両で色合いや明るさが全く異なり、両方の車両に乗りたくなります。





ふと車端部の天井部分を見上げたら、雪だるまがいました。可愛いです。


 


えちごトキめきリゾート雪月花の車窓


列車に乗り込むと、15分くらいして発車します。雪月花は食事を楽しむのが主な目的になりますが、車両自体を見て楽しんだり、あるいは車窓風景を眺めて楽しむこともできます。

糸魚川駅を発車すると、直江津駅までは日本海ひすいラインを走行します。トンネルが多い区間ですが、比較的海沿いも走ります。ただし日本海にピタリと寄り添う箇所が無いので、消化不良を起こしますね。下記はその中でも、いちばん海に近づくところです。


●有間川駅付近で海岸線沿いを走るところ




日本にはそれよりももっと海の景色の良い路線が沢山ありますので、少々、えちごトキめき鉄道は分が悪いですね。せめて上記の区間のどこかで、一瞬でも列車を停車させてくれればよいのにと思いました。(海を眺めるレストラン列車なら、肥薩おれんじ食堂ですね、やはり。)

鉄道ファンとしては、トンネル内にある珍しい駅、筒石駅を徐行して通過してしまったのは意外でした。てっきり一瞬でも止まるのかと思っていたので。駅員さんが手を振っているから振り返してしてくださいと放送されてましたが、超ノロノロなわけでもないので、どこにいるのか見つけた瞬間にはもう通過してしまっていました。(暗いから余計に分かりにくい)

筒石駅は、降車しなくても良いので、やはりできれば一度、停車してほしかったなあ。鉄道ファン以外はトンネル内に駅があるとか、想像したことも無いでしょうから、それなりに驚くと思います。

さて約30分走行して、早くも直江津駅に到着します。海の景色で消化不良感がかなりありますが、とにかく直江津駅で10分停車します。で、また直江津駅が渋過ぎるんですよね。乗客が少ないからなのか、あるいは沿線に人がいないからなのか、なんだか寂しいんですよ。




「ホームでは有名な駅弁を販売しております」と車内放送が有ったので、駅弁の立ち売りかと思って気合入れていたら、こんな感じでポツリとホームに座ってらっしゃって、確かに有名な鱈めしとスル天が売られていました・・・。




スルメが大好物な妻がスル天を購入しましたが、どうも雪月花周辺の賑わいの無い感じは気になります・・・。日本海沿岸の、独特の雰囲気なんですかね、これって。こんど、京都丹後鉄道の丹後くろまつ号に乗ってくるので、雰囲気を比べてみたいと思います。




直江津駅を出発すると、在来線で数少なくなったスイッチバックの二本木駅に到着します。車内放送などで、めちゃめちゃスイッチバックについて案内していて、こんなのは鉄道ファン以外興味があるのかね?と思っていたら、うちの妻がやたら興味を示していました・笑。

確かに今どき本線上で必ずスイッチバックを利用する駅と言うのは珍しく、雪月花に乗ってスイッチバックを撮影していても、なかなか面白いです。雪月花では女性のアテンダントさんが運転手の隣に来て、「あと何メートル」とか指示を出しているのが大変面白かったです。




二本木駅で顔看板が有ったのを、顔看板好きな妻が発見しました。


二本木駅では現地の特産品などを売っていましたが、無料で何かもらう事が出来ないと、人は群がりません・苦笑。翌々日に乗車したしなの鉄道のろくもんでは、ちゃんと無料で差し上げるものがあって、その見返りに思わず饅頭を買ってしまいましたからね・・・


二本木駅の外観です。なんと、明治43年の建築です。何の変哲もない駅舎を、ここまで保存できているのは、ある意味、奇跡に近いです。


駅の観光案内のボランティアの方が、二本木駅の由来や構造について、ジオラマを使って説明してくださいました。鉄道ファン以外は面白くないだろうなと思ったら、妻は非常に良かったと言ってました・笑。ただし、聞きに来たのは私らを含めて2組だけでした。


明治時代の駅舎に隣接して停車する、最新鋭の雪月花。20分間停車します。


二本木駅を出発すると、途中に渓谷を望む展望の良いところが一ヵ所だけあって、若干速度を落として運転してくれた後は、折り返し地点の妙高高原駅に到着です。

晴れていれば妙高山や火打山など、上越の名山が眺められるはずでしたが、この日はあいにくの曇りで、妙高高原駅に着く直前は雨も降ってきました。






妙高高原駅に到着すると、折り返しまで20分近くあります。お土産屋さんがあると放送していたので、どんなところかと思ったらあまりの駅前の寂れように、非常に驚きました。

ここはかつてはスキー場に行く客であふれかえっていたと思うのですが、今はまるで誰もいない駅前で、唯一生き残った土産物店が1店舗、有るだけです。正直、こんなところに案内されても嬉しくも何ともない訳で、可哀想なので箸を二膳購入して、雪月花に戻ってきました。




雪月花も、1号車はお客さんも少なくて、妙高高原駅の雰囲気とも相まって、えちごトキめき鉄道の行く末が不安になってきます。大丈夫なのでしょうか?




旅というのは天候によってだいぶ、気分が左右されます。今日は曇りだったので、日本海側の地方独特の寂しい感じが、太平洋側出身の私には、余計に感じられたのかもしれません。

しかしながら展望の良い車両から眺める、日本のみずみずしい田園風景には、非常に心が癒されました。ただの田んぼのど真ん中で、列車を停止させて欲しいと思ったくらいです。

都会人には田園風景そのものをじっくりと眺める機会はあまりありませんし、北海道出身の妻も、田んぼはほとんど見ないで育ちましたから、地元の人には理解できなくても、この風景がやたら印象に残るんですよね。






雪月花は日本で最も展望に優れた車両なので、展望デッキから眺める車窓風景が、とにかく魅力的でした。こんなにも緑色に包まれた時間は、都会人には贅沢すぎます。このような贅沢な空間で、気の置けない人と語り合う時間こそ、雪月花の最高の魅力ですね




という事で、食事やお酒、そしてなんとも捉えどころのない景色を眺めていたら、時間などあっという間に過ぎて、もう16時48分の上越妙高駅の到着時刻です。

始発駅も終着駅も北陸新幹線の駅に隣接しているのは、首都圏に住む人間(あるいは新幹線を使って来る人)からすると非常に便利です。なんとかこの便利さを活かしていただいて、沢山の人に愛される観光列車になって欲しいなと思いました。





えちごトキめきリゾート雪月花に乗車した感想


という事で、楽しみにしていた本格的な観光列車、えちごトキめきリゾート雪月花に乗車したわけですが、個人的には料理も非常に美味しく、車両も大変美しく、乗っている時の居住性の良さは半端なく素晴らしいと思いました。

しかしながら何度か書いたように、沿線の賑わい感の無さは、致命的とすら思えます。同乗した妻も、「楽しかった。美味しかった。でも何だろう、この何とも言えない、何かが足りない感じは??」と称していましたので、それが普通の人の正直な感想なのではないでしょうか。




この「何かが足りない感」の答えは、簡単には解決できない非常に難しい問題です。例えばこの翌々日に乗車したしなの鉄道の観光列車ろくもんは、トップクラスの素晴らしい列車でした。

しなの鉄道以外でも、大成功を収めているいすみ鉄道だったりおれんじ食堂だったり、解決の答えはそういったところの現場にあります。えちごトキめき鉄道の経営陣、現業のスタッフなどが、それらを実際に自分の目で見て、判断するのが大事なのだと思います。

誰か外の人間がコンセプトを考えて、現場はそれに乗っかって業務をこなす。今は物珍しさから、そんな仕事も成立するのでしょうが、10年後を見据えて、ブームが去った時の事をイメージして、自分たちの頭で考え抜く事が大切です。

一流のサービスを提供するには、自分たちも一流のサービスを体験しなくてはなりません。1万5000円の料金を取るのにふさわしいサービスなのか、同じような価格帯の他の観光列車をよく研究していただき、これからもひたすら改善をしていただきたいなと思います。


越後トキめき・雪月花の午後便「月コース和食」が美味い!(雪月花の食事はコチラ)


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