おれんじ食堂にツアーで参加、しかし手違いでメニューが違うという悲劇
大人気のおれんじ食堂のチケットを、確実に入手する方法から
以前、千葉県はいすみ鉄道のレストラン・キハ(イタリアンコース)に乗車して、すっかりとレストラン列車の「虜」になってしまった私たち夫婦。北海道出身の妻の、「九州には行った事ない」との言葉に触発されて、日本最南端のレストラントレインに乗ってみようという事になりました。
(厳密にはトワイライトエクスプレスツアーの際にわずかに九州に立ち寄りましたので、「ない」とは言えません。が、自分の意思で歩き回るのは初めてですから、実質、初体験です)
とはいえ、ななつ星in九州など高価過ぎて乗れませんし、或る列車も運行開始したばかりで人気あり過ぎて乗れないだろうという事で白羽の矢が立ったのが、肥薩おれんじ鉄道が運営する大人気のレストラン列車、おれんじ食堂です(上記の写真)。
しかし、おれんじ食堂もかなりの人気で、チケットの入手が難しいと聞いていました。そこで、肥薩おれんじ鉄道に電話予約を入れてみると、「1か月前から販売になります」との事。
実は九州に行くのに、往復LCCを使って、旅費を節約しようと思っていました。2か月くらい前に予約すると、高速バス並みの運賃で九州まで行けるんですよね。
なのに、鉄道の方は旧態依然として「1か月前からしか予約できない」というのは、実に困った。一度はあきらめたものの、何か手はないかと思ってもう一度電話してみると、「JTBのツアーであれば、2か月前くらいでも受け付けているかもしれない、詳細はもよりのJTBに聞いて下さい」との情報を引きだすことに成功しました。
大喜びでJTBに行くと、「うーん、そんなのあったかなあ」という、ある意味予想通りの反応でしたが、親切にもおれんじ鉄道に電話をかけて聞いてくれて、手続きを勧めることになりました。
で、実際にどのようなツアーなのかというと、これです。こんなパンフレットがJTBに置いてあります。私も全く知らなかったのですが、オプショナルツアー専用のパンフレットです。
本当におれんじ食堂など掲載されているのかと半信半疑で確認したところ、観光列車プランが載っていました。
予約のポイントは、下記矢印の「単品OK」のマークです。このマークが出ているプランは、例えば「おれんじ食堂に乗って食事をするだけのチケット」を発見してくれる、という意味になります。
という事で、無事に2か月前にツアーの申し込みを完了することができました。それにしても肥薩おれんじ鉄道さん、最初に電話に出たオペレーターさんも、今回のJTBのプランについて教えて頂かないと困りますね。
しかし、そんな苦労も笑い話で、実は今現在、おれんじ食堂のホームページに行けば、JTBのツアー商品にネットでアクセス出来て、向こう数か月までネット予約が可能になっています。例えば今は2016年2月にこの記事を書いていますが、9月分まで予約が可能です。(下記の図)
⇒おれんじ食堂の公式ホームページ
なお、おれんじ食堂のホームページには、ANAとHISにつながるリンクも設置されていますが、2016年2月現在、HISにはおれんじ食堂のプランは見当たらず、ANAは往復の航空券付きの、完全なパック旅行の予約になっています。JTBを使うのが、確実のようです。
⇒JTBのおれんじ食堂の予約サイト
おれんじ食堂、出発駅の川内駅にて初対面
さて当日(2015年12月)、メチャメチャ期待して、鹿児島県の川内駅の集合場所に参りました。下記のように、水戸岡デザインのカッコいい気動車に、けっこう興奮しました。
ところが!ここでアクシデントが! 予約の控えを持って下記の集合場所、肥薩おれんじ鉄道の改札口にて氏名を申し出たところ、しばらく待たされた挙句「名簿に掲載されていない」との返事。
「食堂車」という、超魅力的なプレートを見ながら、「え?そんな筈は・・・」と困惑すると、おれんじ鉄道のスタッフさんも、「ちゃんと控えもございますので、予約いただいた事は間違いありません」という事で、何やらいろいろとやり始めました。
結果、発車10分前くらいに、「ご乗車いただけます、ただし、予定されていたライトミールはお1人分はご用意できますが、もう1名様は別のものになってしまいます」との事。
当方、予約した時のことはすっかり忘れていて、「ライトミールなんてあったかな?ま、いいや」という事で、快諾いたしまして、とにかく乗れるだけでも嬉しいし、ディナーは普通に出してくれるようだったので、何も問題無し。オッケーオッケーという感じで乗車しました。
乗車直後、大きな問題を発見して、座席を変更してもらう
大いに喜んで、おれんじ食堂に乗車したわけですが、発車するとすぐに、僕にとっては大問題が発生しました。何かというと、下記の写真を見てください。(おれんじ鉄道から写真拝借)
僕らは青い丸のタイプの座席が、指定されました。山側の席なので矢印の方向に、海を眺めるために海を向くように着席する形になります。
ところがケシカラヌことに、海側の座席(赤い丸の席)に着席した老夫婦の爺さんの方が、西日が直接当たるからという事で、ブラインドを半分下しちゃったんです。
山側の座席の方が若干、高い位置になっているようで(あるいは僕の座高が高いからそう感じたのか分からぬが)、そうなるとブラインドを半分下されると、窓の外がほとんど見えなくなります。
(このくらいブラインドを下されただけで、海がよく見えなくなる。マジ勘弁。)
わざわざ埼玉からおれんじ鉄道に乗りに来てこの仕打ちは絶対NGなので(まったく、あの爺さんも状況を判断してくれよと言いたい)、海側の座席のいちばんはじっこが空席なのを見つけて、いち早くおれんじ食堂のスタッフに移動をお願いして、下記の座席に変更してもらいました。
・・・それにしても、前途多難な出発でした。下記のように海が見れなかったら、意味無いですからね。。。満席だったら、危ないところだった。。。
おれんじ鉄道の、素晴らしい車窓風景に、大感動!
さて乗車したばかりの列車は、発車してすぐに、海際の無人駅に停車しました。
。
何だろうなと思ったら、いくつかの駅で、「駅マルシェ」といって、お土産品をタダで頂けるようになっているんですね。もちろんタダといっても、乗車料金に含まれているんですけどね・笑。
で、ここ薩摩高城駅での停車は、駅マルシェだけでなくて、海際までスタッフさんが連れていってくれまして、東シナ海を堪能することができました。
こういったサービスはこの駅だけでしたが、なんだか不思議な感じがしました。
各駅での「駅マルシェ」で頂いたもの
駅マルシェですが、驚いてしまうくらい、いろいろとお土産を貰ってしまいました。各駅の駅マルシェの光景を、一応写真に撮っておいたので、ご興味あればご覧ください。
●薩摩高城駅の駅マルシェ
(ヨーグルトの試食までさせてくれました)
(いただいた商品は、「飲むお酢」です)
●阿久根駅の駅マルシェ
(ここでは、きびなごの黒酢炊きをいただきます。帰宅後、お酒の肴になりました)
●出水駅での駅マルシェ
(ここではスープの素をいただきました)
●水俣駅での駅マルシェ
阿久根駅にて
阿久根駅といえば、ブルートレインの車両を使った、簡易宿泊施設が存在しています。ブルートレインたらぎのスタッフさんによると、どうやら営業を休止していて、電話をしても通じないとの事で、どうなっているのか興味がありました。
現地で確認したところ、やはり営業している風には見えませんでした。貴重なブルートレインが雨ざらしされていて、今後どうなっていくのか、心配でなりません。
ただし、阿久根駅そのものは水戸岡デザインで、とても美しい空間でした。阿久根駅に同じく水戸岡デザインのおれんじ食堂が停車している姿は、美術品そのものです。
さて、ライトミール食べられずに、困惑した件
ところで列車は東シナ海を左に臨みながら、気持ち良く走行していきます。私の周りでは、ライトミールや昼食などが運ばれて、さっそく美味しそうに食べ始めていますが、私たちのところには何も提供されません。
そうなると途端に腹が減ってくるのは、貧乏人根性なのでしょうか? 妻は車端部にある、ちょっとしたお菓子を無料で食べられるコーナーに行って、せっせと食べ始めました・笑。
そしてようやく阿久根駅を発車して「代わり」として出されたのが、これでした。どうやら阿久根駅の売店で急きょ用意したものを提供したようです。
ライトミール単品だと、お値段は6500円するはずです。しかし写真の通り、生クリーム入りのパン、サンドイッチ、プリン、そしてアイスです。どう見ても、他の人が食べていたものの方が100倍美味しそうでした・笑。
スタッフさんもこれには大変に恐縮したらしく、平謝りでした。途中の駅では、予約センター長さんと、もう1人、もっとお偉いさんだと思われる方から直々に謝罪されまして、おれんじ食堂で使われているマグカップ2つを、頂きました。
特に欲しいようなものではありませんが・笑、ま、これも何かの縁と言う事で、今でも大切に、自宅で使わせていただいています。
おれんじ食堂のクルージングディナーコースのメニュー
軽食を食べて、そんなに時間が立っていないにもかかわらず、クルージングディナーが始まります。私は体を動かしていないとそんなにお腹は減らないので、ライトミールは食べなくても、何の問題もありません。
クルージングディナーコースで提供されたお料理については、下記のページにまとめておりますので、どうぞ参考になさっていただければと思います。
⇒おれんじ食堂クルージングディナーのメニュー全紹介(肥薩おれんじ鉄道)
肥薩おれんじ鉄道に乗車する時は、パンフレットを貰っておこう
車内で豪華な食事を堪能して、東シナ海を眺めるだけで究極の幸せを感じるわけですが、肥薩おれんじ鉄道で配布している小冊子などで情報を仕入れながら乗車すると、より楽しいと思います。
特にこの、駅界隈まち歩きガイドは必携でしょうか。主要駅周辺の見どころと、地元の隠れた名店などが紹介されていて、クオリティが高いです。もしかしたら、るるぶなどよりもクオリティ高いかもしれません。
そして、おれんじ食堂に乗車するなら、「おれんじ食堂新聞」を見ておきたいですね。駅マルシェで頂ける品々の解説だったり、季節ごとのメニューの紹介が掲載されています。
今回は3便のクルージングディナーコースを利用しましたが、再来することがあれば、ランチでもブレックファーストでも、おれんじバーでも良いので、また乗りたいですね。
今回の乗車は12月という事もあって、出水から八代にかけてはすっかり日が暮れてしまって、この区間の海の眺めには接しられませんでしたから、次の機会は新鮮な気持ちで、ブレックファーストを利用するのもいいかな。
そうそう、おれんじ食堂に乗車した証明書もいただきました。記念に残りますね。今回のツアーはトラブルに見舞われはしましたが、大好きな鉄道に乗りながら美味しいものを食べて、お酒を飲んで、東シナ海の素晴らしい景色を眺められて、なんだかんだで最高でした。
みなさんも、南九州を観光することがあったら、旅行日程におれんじ食堂をぜひ組み込まれる事をお勧めします。おれんじ食堂以外の余計なプランが一切無くて、確実に食堂車の予約が取れるので、なかなか親切なプランだと思います。
(終点・新八代駅に到着して、折り返し出水行き列車になる「おれんじ食堂」)
(スタッフの方の、こういった温かい心遣いが嬉しかったなあ)
⇒JTBのおれんじ食堂の予約サイト