丹後くろまつ号のランチコースに予約して乗車してきたレビュー記事

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丹後くろまつ号のランチコース(この時は特選丹後くろまつ弁当)を味わった感想!

天橋立や丹後地方に観光に行くなら、絶対に片道は乗っておきたい特別列車


今回、かねてから乗車したかった、京都丹後鉄道の大人気観光列車、丹後くろまつ号にようやく乗車する機会に恵まれましたので、はるばる埼玉から出かけてきました。

日本海側を行く本格的なレストラン列車は、この丹後くろまつ号の他にはえちごトキめき鉄道・雪月花(和食コースを堪能)しかありません。どんな風景や料理を楽しませてくれるのか、大いに楽しみでした。

丹後くろまつ号と記念撮影
しなの鉄道のろくもん(洋食コースを堪能)同様、水戸岡さんデザインの列車です。


さて、丹後くろまつ号に乗車した際のレビューについては、次の項目別にまとめています。順を追ったほうが理解しやすいですが、お好みの部分を見て頂いてもよろしいかと思います。

丹後くろまつ号の予約に関して
丹後くろまつ号が入線してきた@西舞鶴駅
丹後くろまつ号のランチコースの感想
丹後くろまつ号の車窓風景などこんな感じ


上記以外では、別ページにて、天橋立の集中的観光コース体験記と、天橋立周辺の唯一のトレインビュー旅館「酒鮮の宿まるやす」の宿泊体験談をまとめましたので、同じく参考にして下さい。





丹後くろまつ号の予約に関して


ところで丹後くろまつ号に乗ろうとすると、予約するのが一苦労です。京都あるいは日本三景の一つ、天橋立と言う観光地とセットで回るお客さんも多いからでしょうか。

また、先述したえちごトキめきリゾート「雪月花」と異なり、丹後くろまつ号にはランチコースの他にスイーツコース地酒コースなど変化を持たせており、しかも定期的にメニューが変わります。このあたりが、丹後くろまつ非常に強い人気の源だと思います。

いずれのコースも人気ですが、特にランチコースの人気が際立っており、ランチコースから売り切れになっていきますので、旅の行程が決まったら、ただちに予約しておくと良いでしょう。(というか、丹後くろまつ号のランチコースを中心にして予定を組んでいくと良いですよ)

下記、ネットで予約してクレジットカード決済をすると、それで手続きは完了します。予約番号などの控えを持って、ランチコースの始発駅(今回は西舞鶴駅)の京都丹後鉄道の駅員に申し出ると、乗車券が渡されますので、それを持って丹後くろまつ号に乗り込みます。

京都丹後鉄道の丹後くろまつ号のネット予約ページはこちら


 


丹後くろまつ号が入線してきた@西舞鶴駅


さて今回、私たち夫婦が乗車して楽しんできた、丹後くろまつ号のランチコースの感想を書いていく事にします。JR舞鶴線との接続駅の西舞鶴駅を出発して、終点の天橋立駅まで参ります。

まずは、西舞鶴駅での様子です。ランチコースは、スイーツコースとして西舞鶴駅に到着した丹後くろまつ号の折り返しになります。下記の動画が、西舞鶴駅の到着のシーンですが、車内にスイーツコースの乗客がいらっしゃることが分かります。

このお客さんが下車して、車内を清掃して、ランチコースのお料理を積み込んだのちに、乗車が許可されます。それまでの間は皆さん、思い思いに写真を撮りまくっていました。



丹後くろまつ号が入線した西舞鶴駅


車両を見ると、平成2年製造で、北近畿タンゴ鉄道のプレートが掲げられています。これは、線路や車両などの設備面を京都府や兵庫県を中心とした第三セクター、北近畿タンゴ鉄道がになっている事を示しています。

ちなみに運営面は高速バスや旅行業をメインに展開している東京都の業者、ウィラーアライアンスが担当しています。鉄道名は京都丹後鉄道と名乗っています。

北近畿タンゴ鉄道は猛烈な赤字に見舞われていて、文字通り廃線の危機にあります。そのような状況から起死回生を図るには、いすみ鉄道のレストランキハなど、柔軟な発想で大胆な経営施策を行う、民間企業の頭脳と行動力に期待するしかありませんね。

北近畿タンゴ鉄道のプレート


丹後くろまつ号の周りで夫婦の写真を撮ろうと自撮りに悪戦苦闘していたら、丹後くろまつ号のアテンダントさんが「お写真撮りましょうか?」と言って下さって、撮ってくれたのがこの一枚。何気に必要な部分がすべて写っていて、構図的に良く撮ったなと思いました・笑。流石!

夫婦で丹後くろまつ号と記念撮影


アテンダントさんのサービスに感心して乗り込んで、車内の様子をとりあえず写しておいたのが以下の動画です。今後、乗車を検討されている人の参考になればと思います。




私たちが案内されたのは、進行方向前方寄りの車端部の、2人座席でした。丹後くろまつ号は2人座席が海側、4人座席が陸側になりますので、これはラッキーでした。

ただし、海側でなくても落胆する必要はありません。海の眺めは時折一瞬ですし、その貴重な一瞬には列車を停車してくれますので、席を立って海を眺めることも十分可能です。(それに、美味しすぎる料理を食べてお酒を飲んでいると、・・・海を眺めるのも忘れてしまいます・笑)

丹後くろまつ号のランチコースの乗車券

丹後くろまつ号の座席


丹後くろまつ号は、日本が世界に誇る鉄道デザイナー、水戸岡鋭治氏による「作品」です。私たち夫婦はいくつもレストラン列車に乗る中、水戸岡さんデザインの車両の素晴らしさ、何とも言えない居心地世良さは、明らかに他の観光列車に比べて「別格」だと感じています。

私たちは丹後くろまつに乗車してからちょうど1週間後、やはり水戸岡さんがデザインした「観光列車ながら」号に乗車したのですが、その思いを強く抱くに至っています。

聞くところによると、水戸岡さんデザインの列車は訪日外国人にも人気が出ているとの事です。レストラン列車に乗ると、日本人以外の観光客を見かける事は皆無であり、いずれ外国人観光客のための貸し切り列車でも走らせていただいて、日本文化の強力な発信源になって欲しいと思います。



丹後くろまつ号のランチコースの感想


と、いろいろと感想を書いてまいりましたが、そんな能書きは止めまして、丹後くろまつのランチコースの完全紹介と参りましょう。私たちが乗車した際のランチは、丹後特選くろまつ弁当でした。9月いっぱいまでは、この特選弁当が継続されるようです。

特製丹後くろまつ弁当の外観


「お弁当方式」は、えちごトキめき鉄道・雪月花(和食コースを堪能)以来です。あちらは特製の本格的な容器に食事がしつらえられているのに対して、丹後くろまつ号ではプラスチック容器にて提供されました。

雪月花のほうが重厚で、本格的な料理を提供された感じがあります。果たしてどうなのかと思いながらも蓋を開けると、想像よりもはるかに華やいだ彩りに、心が躍りましたね。なお料理は、舞鶴市の「ホテルマーレたかた」が担当しています。

特製丹後くろまつ弁当の中身


さて、写真に向かって左側手前から順々に見てまいります。焼万願寺唐辛子、豆乳のとうもろこし揚げです。トウモロコシ揚げが実に美味くいて、夫婦で顔を見合わせました!

焼万願寺唐辛子、豆乳のとうもろこし揚げ


牛ステーキ、丹波大黒しめじ、人参とブロッコリーです。牛肉はほどよい固さで、旨みもしっかりとしていて美味しかったです。

牛ステーキ、丹波大黒しめじ、人参とブロッコリー


舞鶴肉じゃが。「肉じゃがに舞鶴も何もあるまい」と思ったのですが、舞鶴は肉じゃが発祥の地として、誇り高き郷土料理として売り出しをしているようで、肉じゃがも入れられているという訳です。おおぶりのサヤエンドウを使っての「見せ方」はお見事です。

舞鶴肉じゃが


写真の右上になりまして、鱧(はも)の湯引きの焼き〆です。蛇腹胡瓜に海藻麺、穂紫蘇や酢味噌で頂きます。鱧の湯引きがお弁当に供されるとは、かなりの驚きです。

鱧(はも)の湯引きの焼き〆、蛇腹胡瓜に海藻麺、穂紫蘇や酢味噌添え


?(しいら)の幽庵焼き、京笹麩、梅の天麩羅です。 シイラとは聞きなれぬ魚で、初めて食べました。痛みやすいので、全国的に流通していないのだそうです。高級な魚とはみなされないそうで、食べて見た感想は、「うん、これがシイラか」と言った感じです。(普通に美味しいです)

天ぷらは、梅干しの天麩羅です。梅干しをこのようにして頂くのもやはり初体験で、意外とこれは美味しいじゃないかと、喜んで平らげました。

?(しいら)の幽庵焼き、京笹麩、梅の天麩羅


最後、この部分はお酒のおつまみになりますね。鰻巻き玉子、黒ばい貝、由良川手長海老、猪口(カリフラワー)、舞鶴蒲鉾、枝豆蓮根挟み、合鴨串、などです。後ほどお酒を飲んでいる写真を掲載します。ホントこれ、お酒が進むお弁当ですよ。

鰻巻き玉子、黒ばい貝、由良川手長海老、猪口(カリフラワー)、舞鶴蒲鉾、枝豆蓮根挟み、合鴨串


少しすると、ちらし寿司が運ばれてきました。舞鶴ちらし寿司、と銘打っています。

舞鶴ちらし寿司の外観


蓋を開けると、なんと華やかなちらし寿司。小鯛笹漬け、煮穴子、海老、椎茸、厚焼き玉子、蒲鉾、甘酢茗荷、蓮根、飛子、木の芽から構成されるちらし寿司です。

舞鶴ちらし寿司の中身


飛子や木の芽の部分をアップで撮影。今見ても堪りません。美味しくてね、当然のごとく完食です。

舞鶴ちらし寿司の飛子や木の芽などのアップ写真


お酒は、まずはビール。プレミアムモルツで頂きました。

京都丹後鉄道の丹後くろまつ号のランチコース


ビールの後は日本酒をショットで。山田錦を頂きました。列車に揺られながらの地酒は、最高ですね。本当はもっともっと飲みたいところですが、天橋立に着いてからフラフラになると観光ができなくなるので、自重しました。

丹後くろまつ号のランチコースで頂く地酒


丹後くろまつ号のランチコースのドリンクメニューは、以下の動画で確認できます。




今回、ランチコースを頂きまして、感想としては大満足です。1人9500円だけあって(もちろん乗車券込み)、クオリティが高いです。

なお、丹後くろまつ号のランチコースには、デザートは出ないんですね。出来れば食後にデザートとコーヒーが付くと嬉しいのですが・・・、と、さらに贅沢を希望したりします。



丹後くろまつ号の車窓風景などこんな感じ


さて、西舞鶴駅を出発した丹後くろまつ号(下の図のSのところ)は、途中、番号をふってあるところで最徐行したり、途中下車したり、観光停車をしたりします。見どころを説明しましょう。




まずは1番目です。若狭湾に由良川が注ぐまさに河口の部分に京都丹後鉄道の由良川鉄橋があって、そこからの日本海の眺めが荒涼としていて、まさに見ものです。列車は観光案内と共に鉄橋の真ん中で最徐行してくれます。食事が止まり、みな車窓にくぎ付けになります。




由良川の鉄橋を渡ってすぐ、2番目の丹後由良駅に停車します。ここは途中下車をして、駅前数分のところにある、北前船資料館兼足湯スポットに立ち寄ります。妻の地元の北海道と、京都丹後地方が北前船で強く結びついていたことなどを知ったりして、興味が湧きました。

丹後由良駅前の、北前船資料館


丹後由良では、オリーブの栽培に取り組んでいるそうで、珍しいオリーブ茶とまんじゅうで振る舞われました。

オリーブの茶とまんじゅう


まんじゅうを食べた後に、足湯に浸かってご満悦の妻の様子。

北前船資料館の足湯


再び丹後くろまつ号に乗り込んで、しばらく進むと、ついに日本海の若狭湾沿いを走ります。とりわけよく見える所では、以下のように徐行運転をしてくれます。(3番目の地点)




そして4番目の地点、とりわけ景観が良い所では、なんと海べりに停車して、存分に日本海の風景を堪能できます。同じ日本海沿いを走るえちごトキめき鉄道雪月花には、ちょっとした徐行運転はしても、停車まではしてくれなかったので、嬉しいサービスです。




そうこうしているうちに、天橋立が見える旨のアナウンスがあり、宮津駅では同じ水戸岡デザインの丹後あかまつ号とすれ違ったりして、終点の天橋立駅に到着します。(車窓から見た天橋立は大したことが無いので、省略します・笑。天橋立は横から見ても、大した事は無いのです。)




なお、今まで乗車した他の全てのレストラン列車では、お土産のサービスが有ったのですが、丹後くろまつ号ではそれが有りませんでした。が、お土産など貰わなくても、別にどうって事はないと気づかされました。(あればあったで嬉しいですが)

天橋立駅に到着した丹後くろまつ号


上記、天橋立駅に到着した、丹後くろまつ号です。駅に着くと、乗客はすぐに駅前に散っていってしまいました。乗り込む前は皆さん、写真をバシャバシャ撮るのに、降りると一目散でどこかに消えてしまうのは、まさに「食い逃げ」ですな・笑。

私は一通り、丹後くろまつ号を眺めてから、この日に宿泊する旅館に荷物を預けて、そして駅前のレンタサイクル屋さんで自転車を借りて、天橋立のサイクリングを楽しんできました。

天橋立や、丹後地方を旅するならば、この丹後くろまつ号という絶品レストラン列車を旅程に組み込むと、断然、旅の思い出が強力になります。鉄道と言うのは、そいういう不思議な魅力があるのです。

なお今回のランチコースは、丹後特選くろまつ弁当でしたが、10月以降はメニューと運行区間が変わり、ランチコースは天橋立12時4分発、福知山14時20分着となります。

丹後くろまつ号の次回のランチコースのメニュー予告


なんと、鯛まぶし(鯛茶漬け)ランチコースのようです! お弁当じゃなくて、本来はそういうランチコースを食べたかったので、「いいな~~!」と羨ましい限りです。こうやって季節ごとにメニューを変えてくるところに、丹後くろまつ号の魅力があるのですね。

時間の都合で丹後くろまつ号に乗れない人は、水戸岡デザインの丹後あかまつ号や丹後あおまつ号も走っていて、そちらは当日でも指定席料金を支払えば、簡単に予約して乗車できます。京都丹後鉄道の駅で、予約をしてみましょう。(丹後あおまつ号は乗車券の身で利用可能です)

丹後あかまつ号の車内ではソフトドリンクの他に、ビールや地酒も用意されています(あおまつ号はアルコールは無し)。また、数日前までに予約すれば、丹後あかまつや丹後あおまつの車内で頂ける「駅弁」も用意されています。(⇒詳細はこちらを確認の事

節約旅行をする人などは、丹後あおまつ号がおススメでしょうかね。いずれにしても、丹後くろまつ号をはじめとして、京都丹後鉄道はとても楽しい鉄道路線です。丹後地方を訪問の際は、ぜひこれらの「一味違った列車」を利用して、思い出に残る旅をしてみて下さい。


⇒次:天橋立の集中的観光コース体験記へ


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