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出雲坂根駅のスイッチバックと木次線の大展望、三井野原駅でのバス利用などについて
主に青春18きっぷを利用した「駅弁」と少し「呑み鉄」、そして時々「撮り鉄」の旅を名古屋からお届けします。この夏(2017年)は、木次線「奥出雲おろち号」と若桜鉄道の旅をしてきました。
今回の撮影旅行は、いくつかのページに分割して、ご紹介しています。ご興味のあるところをクリックして頂いて、それぞれのページに進んでください。
⇒米子駅と宍道駅で朝の撮り鉄活動
⇒木次駅でトロッコ列車「奥出雲おろち号」に乗って木次線を旅する
⇒出雲坂根駅のスイッチバックと木次線の大展望(←今ここ)
⇒備後落合駅で過ごす2時間
⇒芸備線・備後落合から新見までの旅
⇒津山駅から郡家駅まで、因美線に乗車
⇒「鉄道ファンとライダーの聖地」若桜鉄道隼駅へ
⇒若桜鉄道の若桜駅へ・SLなども見学
⇒餘部駅で餘部橋梁を行く列車を撮影
出雲横田~備後落合間、特に出雲坂根~三井野原間はこの列車の車窓風景の最大の見せ場です。しかしその一方で定期列車は3往復まで削減され、備後落合からの上り始発列車(木次行)は9時台と通学には使えないダイヤです。
沿線には学生がいないのか、スクールバスでも運行されているのかわかりませんが、ローカル線最大のお得意様である高校生がいない、あるいは利用できないとは、鉄道の存在意義が問われる第一段階です。
だからこそ、この「奥出雲おろち号」の存在意義は大きく、特に週末の下り備後落合行は満席が続き、木次線存続の鍵はこの列車が握っているのではとも感じます。「奥出雲おろち号」の末永い運行を祈るとともに、運行経費の助成を行っている地元自治体の見識には頭が下がるばかりです。
3段式スイッチバックで知られる出雲坂根駅では5分間の停車。ここで進行方向が変わります。
出雲坂根駅での列車離合風景、キハ52・53で運行されていた時代です。左側の列車は「試運転」と表示されているとおり定期列車ではありません。当時も既に出雲横田~備後落合間は4往復まで削減され、出雲坂根駅で定期列車の交換はなくなっていました。(1990.3.31)
「道の駅」を兼ねた現在の出雲坂根駅です。
建て替え前の出雲坂根駅の駅舎です。(2004.9.4)
出雲坂根駅名物の「延命水」も、以前はホームにありました。(2004.9.4)
地元の方のお見送りで、出雲坂根駅を後にします。5分の停車時間では短すぎ、21分ある備後落合駅での折り返し時間を短縮してでも、もう少し延長してほしいところです。なお上りの「奥出雲おろち号」は、列車交換を兼ねてここで18分間停車します。
上の写真とは反対側から、やはり奥出雲おろち号の車内から駅構内を撮影しています。駅舎は変わりましたが、ホームは変わりないようです。(2004.9.4)
なお、出雲坂根駅で購入した飲食物など、あるいは奥出雲おろち号の車内外で買ったお弁当などは、以下のページにて掲載しています。あわせてご覧いただければと思います。
⇒参考:奥出雲おろち号の車内販売と弁当&蕎麦に大満足
木次線車窓最大の見所が出雲坂根~三井野原間のスイッチバックと、同じ区間にある道路橋の奥出雲おろちループ橋展望です。この区間さえ起きていれば、あとは寝ていても良しと言っても過言ではありません。
備後落合行の「奥出雲おろち号」は客車が先頭となります。正面の窓も開くので、風を感じつつ、この上なく素晴らしい前面展望を楽しむことが出来ます。この日は、途中から保線担当の方が添乗していました。右端の怪しい人物は「乗り鉄」活動に余念がないP氏(当サイト管理人)です。
出雲坂根駅で進行方向が変わり、機関車側が先頭になり、最後部からの撮影となります。(2017.9.1 11:47)
右側、宍道へ至る線路との高低差がどんどん拡がります。(2017.9.1 11:48)
左側、備後落合に至る線路が近づいてきました。(2017.9.1 11:49)
分岐器はスノーシェルターの中にあります。(2017.9.1 11:50)
スイッチバックを行い、再び客車側が先頭となって発車します。高度差約162mをスイッチバックで登りました。右側車窓、はるか眼下に出雲坂根駅を望むことができ、高度差を実感します。(2017.9.1 11:56)
トンネルを抜ける風を感じながらの前面展望は、なかなか得難い体験です。(2017.9.1 12:00)
右側の橋は、「奥出雲おろちループ橋」を経て高度を稼いだ国道314号線の三井野大橋です。(2017.9.1 12:06)
日本最大級である国道2段ループ橋、「奥出雲おろちループ橋」は車窓右側です。列車はこの風景の見物のために、ここで少し停車します。鉄道の存在を脅かす道路橋が名所とは、何とも皮肉な感じです。(2017.9.1 12:07)
三井野原駅に到着します。(2017.9.1 12:09)
新しい駅舎のある三井野原駅です。ここで下車するお客さんもいました。(2017.9.1 12:10)
⇒参考:三井野原駅周辺の鉄道の見える旅館
三井野原駅までが島根県で、次の油木駅は広島県です。木次線は出雲八代駅からここ三井野原駅が仁多郡奥出雲町で、この付近の路線バスは一畑バス撤退後、町営ではなく第3セクターの「奥出雲交通」が担っています。
出雲横田~三井野原間も奥出雲交通の路線バスが数往復運行されており、「奥出雲おろち号」を三井野原駅で下車し、三井野原駅13:32発の路線バスに乗ると、13:38に出雲坂根駅前に着き、13:50発の木次線備後落合行に乗ることが出来ます。
備後落合での散策時間はなくなりますが、道路のループ橋を体験できるうえ、3段式スイッチバックを2回も楽しむことが出来るプランで、次回は是非とも実行したいです。
ちなみに三井野原駅と出雲坂根駅の間、直線距離は約1㎞ながら、木次線の営業キロは6.4㎞、国道で3.9㎞となります。
余談ですが、件の奥出雲交通バスには「横田駅発8:05分→阿毘縁車庫前着8:30→日南町バスに乗換えて生山駅まで→上りやくも10号生山駅10:06分接続」という興味深いダイヤもありました。宍道経由より約1時間の短縮となるとともに、奥出雲町と伯備線が意外に近いことに気が付きました。
また松江道のインターチェンジがある広島県庄原市高野町(旧比婆郡高野町)へ至る路線もあり、そこから備北交通バスの庄原行と三次行に乗り継ぐこともできます。本数は少ないものの、道路を介した人や物の流れは松江道に向かっていることが実感されます。
12:36、終点の備後落合駅1番ホームに到着します。(2017.9.1 12:36)
そのまま折り返すお客さんは僅かで、多くの方が約2時間後の芸備線三次行か新見行を待つようです。
21分間停車した後、「奥出雲おろち号」は折り返し木次行となり12:57に発車しました。以前は三次11:30→備後落合12:46の8354D列車が定期運行だったので、広島方面からの接続は良好でした。現在、8354D列車は学生の都合か、平日中心の指定日のみの運行となっており、8354D運休日は4時間以上の待ち合わせとなります。
「奥出雲おろち号」の旅は私にとっては3回目でしたが、道中の2時間半は素晴らしく充実しており、あっという間に過ぎてしまいました。
木次線の中でも、出雲横田~備後落合間については、特に輸送量が少ないと思われますが、これまで通り貴重な観光資源でもある「奥出雲おろち号」を大切にして、三江線の二の舞とならないようにしたいものです。
ところでこの旅の前、8月の地元紙「中日新聞」に興味深い記事が掲載されていました。「豪華列車ブーム乗りません・JR東海「輸送重視」」という見出しの記事で、「豪華寝台列車については全く検討していない。」(柘植康英社長)とのこと。
周遊に不向きな路線網ということもありますが、民営化後に徹底した合理化を進めた葛西敬之名誉会長の「鉄道はあくまで交通手段。鉄道に乗ること自体を目的にする人たちのために、鉄道を整備することはない。」が基本姿勢のようです。
社長が代わって少し風向きが変わったようにも感じつつ、私の地元の鉄道がJR東海の経営で非常に残念です。高山本線、飯田線、紀勢本線等、「奥出雲おろち号」のような観光列車を期待したい車窓風景があるのに重ね重ね残念です。
首長は選挙で選べますが、鉄道会社は選べないのが本当に無念で、他のJR各社沿線(JR北海道はどうかな?)にお住まいの方が羨ましい限りです。
さて備後落合からは芸備線新見行に乗り換え、約2時間の待ち合わせとなります。
なお、下記は木次駅から終点の備後落合駅に至るトロッコ列車「奥出雲おろち号」の旅のダイジェストになります。あわせて見て頂くと、本ページがより分かりやすくなります。
⇒次:備後落合駅で過ごす2時間
今回の撮影旅行は、いくつかのページに分割して、ご紹介しています。ご興味のあるところをクリックして頂いて、それぞれのページに進んでください。
⇒米子駅と宍道駅で朝の撮り鉄活動
⇒木次駅でトロッコ列車「奥出雲おろち号」に乗って木次線を旅する
⇒出雲坂根駅のスイッチバックと木次線の大展望(←今ここ)
⇒備後落合駅で過ごす2時間
⇒芸備線・備後落合から新見までの旅
⇒津山駅から郡家駅まで、因美線に乗車
⇒「鉄道ファンとライダーの聖地」若桜鉄道隼駅へ
⇒若桜鉄道の若桜駅へ・SLなども見学
⇒餘部駅で餘部橋梁を行く列車を撮影
出雲坂根駅の今と昔
出雲横田~備後落合間、特に出雲坂根~三井野原間はこの列車の車窓風景の最大の見せ場です。しかしその一方で定期列車は3往復まで削減され、備後落合からの上り始発列車(木次行)は9時台と通学には使えないダイヤです。
沿線には学生がいないのか、スクールバスでも運行されているのかわかりませんが、ローカル線最大のお得意様である高校生がいない、あるいは利用できないとは、鉄道の存在意義が問われる第一段階です。
だからこそ、この「奥出雲おろち号」の存在意義は大きく、特に週末の下り備後落合行は満席が続き、木次線存続の鍵はこの列車が握っているのではとも感じます。「奥出雲おろち号」の末永い運行を祈るとともに、運行経費の助成を行っている地元自治体の見識には頭が下がるばかりです。
3段式スイッチバックで知られる出雲坂根駅では5分間の停車。ここで進行方向が変わります。
出雲坂根駅での列車離合風景、キハ52・53で運行されていた時代です。左側の列車は「試運転」と表示されているとおり定期列車ではありません。当時も既に出雲横田~備後落合間は4往復まで削減され、出雲坂根駅で定期列車の交換はなくなっていました。(1990.3.31)
「道の駅」を兼ねた現在の出雲坂根駅です。
建て替え前の出雲坂根駅の駅舎です。(2004.9.4)
出雲坂根駅名物の「延命水」も、以前はホームにありました。(2004.9.4)
地元の方のお見送りで、出雲坂根駅を後にします。5分の停車時間では短すぎ、21分ある備後落合駅での折り返し時間を短縮してでも、もう少し延長してほしいところです。なお上りの「奥出雲おろち号」は、列車交換を兼ねてここで18分間停車します。
上の写真とは反対側から、やはり奥出雲おろち号の車内から駅構内を撮影しています。駅舎は変わりましたが、ホームは変わりないようです。(2004.9.4)
なお、出雲坂根駅で購入した飲食物など、あるいは奥出雲おろち号の車内外で買ったお弁当などは、以下のページにて掲載しています。あわせてご覧いただければと思います。
⇒参考:奥出雲おろち号の車内販売と弁当&蕎麦に大満足
出雲坂根3段式スイッチバックは外せない楽しさ
木次線車窓最大の見所が出雲坂根~三井野原間のスイッチバックと、同じ区間にある道路橋の奥出雲おろちループ橋展望です。この区間さえ起きていれば、あとは寝ていても良しと言っても過言ではありません。
備後落合行の「奥出雲おろち号」は客車が先頭となります。正面の窓も開くので、風を感じつつ、この上なく素晴らしい前面展望を楽しむことが出来ます。この日は、途中から保線担当の方が添乗していました。右端の怪しい人物は「乗り鉄」活動に余念がないP氏(当サイト管理人)です。
出雲坂根駅で進行方向が変わり、機関車側が先頭になり、最後部からの撮影となります。(2017.9.1 11:47)
右側、宍道へ至る線路との高低差がどんどん拡がります。(2017.9.1 11:48)
左側、備後落合に至る線路が近づいてきました。(2017.9.1 11:49)
分岐器はスノーシェルターの中にあります。(2017.9.1 11:50)
スイッチバックを行い、再び客車側が先頭となって発車します。高度差約162mをスイッチバックで登りました。右側車窓、はるか眼下に出雲坂根駅を望むことができ、高度差を実感します。(2017.9.1 11:56)
トンネルを抜ける風を感じながらの前面展望は、なかなか得難い体験です。(2017.9.1 12:00)
右側の橋は、「奥出雲おろちループ橋」を経て高度を稼いだ国道314号線の三井野大橋です。(2017.9.1 12:06)
日本最大級である国道2段ループ橋、「奥出雲おろちループ橋」は車窓右側です。列車はこの風景の見物のために、ここで少し停車します。鉄道の存在を脅かす道路橋が名所とは、何とも皮肉な感じです。(2017.9.1 12:07)
三井野原駅に到着します。(2017.9.1 12:09)
新しい駅舎のある三井野原駅です。ここで下車するお客さんもいました。(2017.9.1 12:10)
⇒参考:三井野原駅周辺の鉄道の見える旅館
三井野原駅より備後落合駅まで、そしてバス利用の面白いアイデア
三井野原駅までが島根県で、次の油木駅は広島県です。木次線は出雲八代駅からここ三井野原駅が仁多郡奥出雲町で、この付近の路線バスは一畑バス撤退後、町営ではなく第3セクターの「奥出雲交通」が担っています。
出雲横田~三井野原間も奥出雲交通の路線バスが数往復運行されており、「奥出雲おろち号」を三井野原駅で下車し、三井野原駅13:32発の路線バスに乗ると、13:38に出雲坂根駅前に着き、13:50発の木次線備後落合行に乗ることが出来ます。
備後落合での散策時間はなくなりますが、道路のループ橋を体験できるうえ、3段式スイッチバックを2回も楽しむことが出来るプランで、次回は是非とも実行したいです。
ちなみに三井野原駅と出雲坂根駅の間、直線距離は約1㎞ながら、木次線の営業キロは6.4㎞、国道で3.9㎞となります。
余談ですが、件の奥出雲交通バスには「横田駅発8:05分→阿毘縁車庫前着8:30→日南町バスに乗換えて生山駅まで→上りやくも10号生山駅10:06分接続」という興味深いダイヤもありました。宍道経由より約1時間の短縮となるとともに、奥出雲町と伯備線が意外に近いことに気が付きました。
また松江道のインターチェンジがある広島県庄原市高野町(旧比婆郡高野町)へ至る路線もあり、そこから備北交通バスの庄原行と三次行に乗り継ぐこともできます。本数は少ないものの、道路を介した人や物の流れは松江道に向かっていることが実感されます。
12:36、終点の備後落合駅1番ホームに到着します。(2017.9.1 12:36)
そのまま折り返すお客さんは僅かで、多くの方が約2時間後の芸備線三次行か新見行を待つようです。
21分間停車した後、「奥出雲おろち号」は折り返し木次行となり12:57に発車しました。以前は三次11:30→備後落合12:46の8354D列車が定期運行だったので、広島方面からの接続は良好でした。現在、8354D列車は学生の都合か、平日中心の指定日のみの運行となっており、8354D運休日は4時間以上の待ち合わせとなります。
「奥出雲おろち号」の旅は私にとっては3回目でしたが、道中の2時間半は素晴らしく充実しており、あっという間に過ぎてしまいました。
木次線の中でも、出雲横田~備後落合間については、特に輸送量が少ないと思われますが、これまで通り貴重な観光資源でもある「奥出雲おろち号」を大切にして、三江線の二の舞とならないようにしたいものです。
ところでこの旅の前、8月の地元紙「中日新聞」に興味深い記事が掲載されていました。「豪華列車ブーム乗りません・JR東海「輸送重視」」という見出しの記事で、「豪華寝台列車については全く検討していない。」(柘植康英社長)とのこと。
周遊に不向きな路線網ということもありますが、民営化後に徹底した合理化を進めた葛西敬之名誉会長の「鉄道はあくまで交通手段。鉄道に乗ること自体を目的にする人たちのために、鉄道を整備することはない。」が基本姿勢のようです。
社長が代わって少し風向きが変わったようにも感じつつ、私の地元の鉄道がJR東海の経営で非常に残念です。高山本線、飯田線、紀勢本線等、「奥出雲おろち号」のような観光列車を期待したい車窓風景があるのに重ね重ね残念です。
首長は選挙で選べますが、鉄道会社は選べないのが本当に無念で、他のJR各社沿線(JR北海道はどうかな?)にお住まいの方が羨ましい限りです。
さて備後落合からは芸備線新見行に乗り換え、約2時間の待ち合わせとなります。
なお、下記は木次駅から終点の備後落合駅に至るトロッコ列車「奥出雲おろち号」の旅のダイジェストになります。あわせて見て頂くと、本ページがより分かりやすくなります。
⇒次:備後落合駅で過ごす2時間