明知鉄道の寒天列車に予約して乗車してきたレビュー記事

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明知鉄道の寒天列車、爺さん婆さんだらけだが、実はとても楽しかった!

ついに乗車できた明知鉄道のレストラン列車、寒天列車の極楽乗車体験


以前から乗ってみたかった明知鉄道の「食堂車」。明知鉄道とは、愛知県の田舎をゴトゴトと走る、西のいすみ鉄道とも言うような鉄道路線です。

以前から一般車両を使っての食堂車運行を知っていましたが、なにぶんロングシートを向かい合わせにして飲食を取る事から、「見ず知らずの人と鉢合わせするのはどうも気が進まない」と思って、今までつい後回しにしてしまっていました。

しかし、妻と一緒に全国のレストラン列車に乗車するうちに、明知鉄道と同じ方式で食堂列車を走らせている養老鉄道の薬膳列車に乗車して、「ロングシート方式」の雰囲気を掴むことが出来たため、長年の宿題でもあった明知鉄道の食堂車の乗車に踏み切りました。

で、実際に乗ってみたところ、これがまた想像通りの爺さん婆さんの集団の中に放り込まれまして・笑、「うわ~!」と思ったものの、けっこう楽しんでしまいました・笑。

明智駅にて、明知鉄道の寒天列車の前で記念撮影


今回乗車したのは、明知鉄道の寒天列車です。寒天列車に乗車した際のレビューについては、次の項目別にまとめています。気になる部分をご覧いただければと思います。

明知鉄道寒天列車の予約は簡単(ただし、予約が取れない時もある)
寒天列車で食べたもの完全公開
明知鉄道の車窓はとても長閑で落ち着く
ポヨンと楽しく過ごして終点明智駅に到着





明知鉄道寒天列車の予約は簡単


まずは明知鉄道の食堂車、あるいは寒天列車なるものが、どんな雰囲気の列車なのかを理解するために、出発駅の恵那駅に入線してきた「急行大正ロマン号」の動画をご覧下さい。

寒天列車、実は春~夏の季節に運行されます。秋はきのこ列車を運行予定で、寒天列車の隣にさらに1両増結して運転されます。この日は、マスコミ取材発表向けきのこ列車に仕立て上げられていました。(この日は一般の乗車は不可)

いすみ鉄道のレストラン・キハ(伊勢海老イタリアンコース)のように、国鉄型の車両を使っている訳でもなく、てんでバラバラの車両を3両つないだ列車を見るのも、なかなか趣深いです。




寒天列車などの予約は、明知鉄道に電話連絡を入れて行います。明知鉄道のホームページを見て頂いて食堂車の運行日を確認いただき、その上で明知鉄道まで電話を入れて、予約をして下さい。

明知鉄道のホームページ


予約すると、ほどなくして郵送で振込用紙が送られてきます。郵便局で振り込めば終了です。ただし切符などは事前に送られてくるわけではありません。振り込んだ際の振込用紙の半券を乗車日に持参して、下記の写真の赤枠の所にいる、明知鉄道の改札口の駅員さんに提示してください。

提示して確認が取れれば、下の写真の「通行手形」が渡されます。これで、列車に乗り込むことができます。なお自分がどこに座れば良いのか、改札口の駅員さんのいる所の反対側、写真の矢印の所の壁に、表示されています。

明知鉄道恵那駅の、寒天列車の受付場所

明知鉄道の通行手形(フリーきっぷ)


ほれ、こんな感じで、ご自身の座る席が、表示されています。先頭車は一般車両となっていて、普通のお客さんが乗車します。私たちの寒天列車は、中間車両でした。

明知鉄道の食堂車の座席表


で、乗車予定の2号車を見て見ると、老人クラブ様ご一行で半分以上を占拠されている状況でした。どうりで待合室に老人が多かった訳です。中には歯がすっかり抜け落ちて、フガフガしゃべって何言ってんのかサッパリ分からない老人もいらっしゃいましたが、寒天食べるのですから大丈夫でしょう・笑。ちなみに老人クラブ以外の個人客も、ご老人でございました。

明知鉄道の寒天列車の座席表


ホームに入った食堂車(きのこ列車+寒天列車+一般車両)の外観や内部をウロウロしてみます。こんな感じになります。私たちの車両はひときわボロくて、それが結構嬉しかったりします。




きのこ列車も、なかなか魅力的だよな~と思いながら、覗き込みました。本当は松茸なども出てくるきのこ列車のほうが良かったのですが、実を言いますと今回の旅行は、京都丹後鉄道の丹後くろまつ号・ランチコースの日程最優先で、(かなり人気が高くてチケットを取りにくいのです)、その関係からやむを得ず、寒天列車に乗り込むことになった次第です。明智鉄道、ごめんなさい。


 


寒天列車で食べたもの完全公開


ごちゃごちゃ言ってないで、寒天列車で出てきたお料理のすべてを、ここに公開する事にしましょうか。本ページをご覧の方々の、一番の関心ごとだと思いますので。

まず、乗車して自分の席に着席すると、既にこういう形で大きな(思ったよりもかなりデカい)お弁当箱が、テーブルにセットしてありました。右側にちらりと、ところてん製造器が見えます。

寒天列車の寒天料理の外観とメニュー


実は発車してしばらくするとおばさんお姉さんが蓋を取ってセットしに来るのですが、私は写真を撮りたいのでちょっと失敬して、発車前に撮影させてもらいます。蓋を開けるとなんと三段のお重になっていて品数が多くて、かなり驚きました。メニューは写真の下に、時計回りで記します。

寒天列車の一の段
(特製玉子焼き、寒天の海老抱え、寒天すし、冷静茶碗蒸し、寒天そば、黒米ごはん)


寒天列車の二の段
(山金豚の冷しゃぶ、枝豆豆腐、寒天サラダ、かも肉のジュレのせ、彩り豆サラダ、長芋かん)

寒天列車の三の段
(串原蒟蒻の寒天味噌かけ、寒天中華和え、寒天白和え、野菜のテリーヌ、特製水ようかん、季節のデザート))


量が多いでしょ? 老人ばかりなのに食べきれるのかなと思って、私もずいぶんと驚きましたよ。三重の重箱の蓋を取ったところ。けっこうなボリューム感。

寒天列車の寒天料理


乾杯は、クールスカイという生ジュースです。生姜の風味が濃厚なジュースで、飲んだだけで、なんだか健康になりそうな錯覚になります。飲み物については、ペットボトルのお茶のみ、付いています。それ以外は無いので、アルコールも含め、外から持ち込み自由となっています

寒天列車のクールスカイ


お重に箸を勧める前に、なんとところてんを食べます。木の箱からところてんをニュ~っと出して、特製のたれを付けて頂きます。私はところてんは大の苦手なのに、だいぶ食べられました。

寒天列車のところてん


何となく印象に強く残ったお料理だけ、拡大写真を貼り付けておきます。

寒天列車の黒米ごはん
(桜色のかんてんが添えられていて、彩りもきれいでした)

寒天列車の玉子焼き
(お料理を作った、かんてん館の刻印入り。のちほどかんてん館は訪問しました。)

寒天の海老抱え
(これ、意外な美味さ。老人が多いからか、「楊枝は食べられません」と車内アナウンスが・笑)

寒天列車の冷静茶碗蒸し
(やはり何気に寒天の入った茶碗蒸し)

寒天列車の冷製しゃぶしゃぶ
(豚のしゃぶしゃぶです。寒天も一緒に頂きます)

長芋寒天
(長芋と寒天が一緒になった、なんとも不思議な料理)

枝豆豆腐
(枝豆豆腐、これは味の表現が難しい食べ物です。)

寒天列車のかも肉のジュレ乗せ
(鴨肉はいつ食べても美味いと感じます。これに寒天のジュレを乗せても美味い。)

寒天の巻き寿司
(寒天の巻き寿司。意外や意外、かなり美味しかった。少しシャキッとした食感。)

彩り豆サラダ
(彩り豆サラダは、夏の暑い季節にピッタリの涼やかさでした。)


そうそう、「老人ばっかり乗り込んだ寒天列車の雰囲気ってどうなの?」とお思いでしょうから、一瞬だけその動画を掲載しますね。なんとも平和な空間で、ご老人の方々、大いに食べ、大いに歓談されていらっしゃいました。

元気な姿を見て、そして健康そのものの食事を摂っている様子を見ると、「こいつら当分クタバラないぞ!!」と思いました(^◇^)




私は個人的に、寒天などと言う食った気のしない食品には、これっぽっちも興味はありませんでした。しかし、初めて寒天料理なるものを食して、だいぶ印象が変わりました

寒天などと言うのは、不足しがちなミネラル成分の補助的な摂取にのためのもので、楽しむような代物ではないと思っていましたが、実にレパートリー豊富なメニューを見て、感心しました。

だいいち、どの料理もみな美味しいんですよね。ボリュームがあるから、もしも若い連中が乗車して食べても普通にお腹が膨れると思います。ぜひ一度、寒天料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。

流石に一人で乗車する感じでもないので、例えばお友達などと明知鉄道を訪問する際に往路に食堂車を組み込んで、復路は気ままにどこか1か所くらい途中下車して、というような乗り方に使えると思います。片道食堂車だと、ずいぶん変化にとんだ明知鉄道の旅を実現できます。



明知鉄道の車窓はとても長閑で落ち着く


さて、寒天料理を食べてなんかいたら、明知鉄道の魅力的な山里の風景が見れないのではないかと危惧しておりました。しかし意外な事に、けっこう普通に景色を楽しめます。

もちろん料理とは反対側を向く必要はありますが、車内の雰囲気や車両自体の古さなどの相乗効果か、ぼんやりと外を眺めたりできるんですよ。案内放送をするアテンダントさんも、「食べてばかりでないで外をご覧下さいね!」と言ってくれますし。




明知鉄道って、昼下がりのけだるい時間帯に乗ると、最高に幸せな気分になれます。途中に「極楽」などと言う駅があるように、そのまま眠り込んで昇天しそうになるくらい、気持ち良いです。

明知鉄道の寒天列車の車内雰囲気


老人相手にアテンダントさんは、がんばって観光案内の放送も沢山して下さいます。ただボケーっと乗っていたのでは知りえなかった情報が次々に入ってきて、鉄道ファンにとっても予想外に楽しめる内容になっていました。




食べ終わった乗客を待っていたのは、お土産品販売タイムです・笑。これも養老鉄道と全く同じノリでしたね。私らは寒天とは何の関係も無い、手焼きせんべいおらが焼、なるものをお土産品として購入させていただきました。

明知鉄道のおらが焼き



ポヨンと楽しく過ごして終点明智駅に到着


乗車して約1時間強。想像よりもずっと楽しかった、ジジババ御用達の寒天列車の旅が無事に終わって、感謝の言葉と共に列車は終点の明智駅に到着しました。降りたところで、寒天列車のボロい車両をバックに撮影。この車両の何とも言えない雰囲気も、すっかりお気に入りになりました。

アケチ6形を使った寒天列車


明智駅の、歴史を感じさせる出札口にて、アテンダントのお姉さんを発見したので、ずうずうしくも写真をお願いしたら、こころよく受けて下さいました。このアテンダントさんの車内の解説は、分かりやすくてとても良かったです。

明知鉄道のアテンダントのお姉さんと明智駅構内で記念撮影


という事で、楽しかった明知鉄道の寒天列車の旅も、おしまいになりました。またいつか、今度はきのこ列車で再訪したいなと思いました。(冬は、じねんじょ列車も走ります。)

明智駅周辺は、大正期の建築物が点在する「大正村」と呼ばれるエリアです。今回は時間の都合ですぐに引き返しましたが、時間のある人は大正村にもぜひ足を伸ばして下さいね。

なお、大正村や途中の岩村駅周辺の様子、ユニークな極楽駅の様子などについては、下記の鉄道旅行記に記録してありますので、興味があれば下記ページをご覧ください。日常の明知鉄道の様子を記しています。

参考明知鉄道の日常を記録した鉄道旅行記はコチラ


なお私たちはこの後、明智駅から途中の山岡駅まで移動して、2016年7月から営業を開始した「森の列車カフェ」に立ち寄る事にしました。寒天料理を作った、かんてん館に隣接する施設です。同時にかんてん館でスイーツを頂いてきました。

⇒次:森の列車カフェ(山岡駅)がとても愛らしい


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