●参考になりましたら、シェアしていただけるとサイト運営の励みになります!
最近私たち夫婦は全国のレストラン列車にハマっており、ここ最近ではろくもん洋食コースやえちごトキめき鉄道・雪月花の和食を楽しんできました。それぞれ観光専用列車として内装を大きく変えて存在感をアピールしており、料金も1人1万円以上します。
それに対して既に存続に赤信号が灯っていて、とても車両をリニューアルする余力の無い養老鉄道が、既存の車両にテーブルを設置するだけの状態で根性でレストラン列車を走らせています。故に料金も1人5000円以内という比較的リーズナブルな価格で、サービスしてくれています。
ちなみにこの鉄道の日常の姿は、養老鉄道の撮影記のページをご覧ください。有名な観光地の無い田舎をゴトゴトと走る可愛らしい姿が、とても好ましい鉄道なのです。

(ビストロ薬膳列車の土曜便は大垣駅発。後ろに見えるはトレインビューのアパホテル大垣駅前)

(大垣から乗車して桑名駅まで、およそ1時間強の旅です)
さてその養老鉄道が走らせる、実は予約必須の大人気レストラン列車が、薬膳列車です。普段は和食ですが、夏の期間中はビストロ薬膳列車と銘打って、洋食が提供されます。
今回私たちは、今年度のビストロ薬膳列車の最終列車に乗車して楽しんでまいりました。レストラン列車としては非常に地味ながら、今回も満席御礼だそうで、鉄道ファンとしてはとても嬉しいです。その時の模様を、次の項目でレビューします。ご興味のあるところをお読みください。
⇒ビストロ薬膳列車の大垣駅での様子
⇒ビストロ薬膳列車のお料理はどうだったのか?
⇒ビストロ薬膳列車の車内の様子・こんな感じの観光列車です!
さて、今回乗車したビストロ薬膳列車のパンフレットが下記です。通常、薬膳列車は1人5000円の料金なのですが、7月8月はサマーキャンペーンとして、3500円で乗車できます。非常にお得感があります。
事前予約制なので、あらかじめ養老鉄道に電話を入れて、希望日時を伝えて、予約を取ります。予約を入れると後日、最少催行人員を上回った場合に郵便振り込みの用紙が送られてきますので、郵便局から送金します。すると今度は薬膳列車の乗車券が郵送されてくる仕組みです。
15名以上が最小催行人数ではありますが、ほとんどのケースで最高人数を上回るはずですので、まず安心して良いかと思います。

当日は、送られてきた薬膳列車の乗車券(1日フリーきっぷを兼用しています)と、念のために同時に送られてきた行程表を持参して、養老鉄道の改札口に提示すれば、係員に案内してもらえます。

ちなみにこの薬膳列車は、臨時列車ではなくて、あくまで普通列車の1両を予約貸し切りする形で運行されます。この辺りが他の観光列車やレストラン列車と異なる点で、ユニークです。
どうしても養老鉄道は2両あるいは3両連結でしか運航できないため、例えば後日乗車した京都丹後鉄道の丹後くろまつ号のように、1両で運転できませんから、苦肉の策でもあります。
思った通りにできないからと言って諦めるのではなく、できる事を素直に実行している姿を見ると、なんともいじらしくもあります。応援してあげたくなりますね。
●養老鉄道の薬膳列車が大垣駅に入線するところ

(薬膳列車のヘッドマークが可愛らしいですね)

(出発しの大垣駅の駅名板と貸切車両を外から見る。パッと見は普通の電車です。)
さてどんな具合かと車内に乗り込むと、ロングシートと同じ向きに座席が配置されていて、なんだか面白いです。当然、座席に座ると知らない人が反対側に座っているので、不思議な感じです。
●養老鉄道の薬膳列車の車内はこんな感じ
この日は私ら夫婦は偶然、運転席すぐ後ろの座席があてがわれて、鉄道ファンには超嬉しい、かぶりつきの座席になりました。

座席に着席すると、既にお料理はテーブルの上に用意されています。この点は他のレストラン列車と違って、列車専属のアテンダントがいない養老鉄道としては、致し方ないところでしょう。

(ビストロ薬膳列車のメニューやらおしぼりが置いてある下にも、お料理があります)
なお、養老鉄道の薬膳列車には、トイレの設備がありません。したがって、トイレは乗車前に駅で済ませておきましょう。途中にトイレに行けるような時間は全くありませんから、トイレが近い人は、事前に水分を取り過ぎないようにすると良いですね。乗車時間は1時間10分です。
さて乗り込んでものの10分もしないうちに、すぐにビストロ薬膳列車は出発します。出発と同時に薬膳料理の案内が始まって、ただちに飲食開始です。あっという間に直ちに食事という。
●ビストロ薬膳列車の出発の際の放送と前面展望など
でも、お料理の1つ1つをきちんと解説してくれるので、他のレストラン列車よりも親切でもあります。案内放送と頂いたお品書きを参考にしながら、少しずつ味わってゆくのも良いものです。


1:食前酒・13種類の生薬入り
2:牛テールスープ明日葉風味
3:手作りハンバーグはとむぎと大豆ミンチ入り
4:青野菜のセサミンソース和え
5:かぼちゃサラダ松の実入り
6:白身魚の香草ムニエル・きのこと野菜添え
7:トマト100%のゼリー寄せ
8:夏野菜たっぷりオムレツ
9:タコのマリネ・モロヘイヤソース
10:ティラミス・スギナティー
11:ふすまパンとジャム(大垣養老高校製作)、自家製黒ニンニク
12:デザート・・・手作りラスク&クッキーと玄米炭ティー
すこしずつ色んな味覚を楽しめるので、想像よりもずっと満足度が高いと言うのが、率直な感想ですね。食べると分かるのですが、とにかく体に優しいことを徹底的に追及されています。

こちらはメインディッシュに相当するハンバーグ。これは惜しいかな!アツアツだったら肉汁が滴って絶品だったはずなのですが! 車内で加熱できないので、冷えているのが本当に惜しい!

食前酒は、13種類の生薬入りです。アルコール度数は1%との事で、特に酔いません。飲んだ瞬間、酒と言うよりは薬だなと感じます。食前酒のとなりのティラミスも、美味しかったな。
そうそう、他のレストラン列車では当然のように出てくるアルコールやソフトドリンクは、一切提供されません。そのような設備が無いから、仕方がありませんね。したがって、お料理を食べるのみであります。ビール飲みたいなあ・・・。

車内はほとんど全て、熟年層で占められています。薬膳ですから、健康が一番の関心ごとになる年齢層に、受けるのだと思います。熟年層以外は、チビっ子連れが2,3組いらっしゃいましたね。


(当サイト管理人のワタクシです。意外と満足げな顔をしています)
食後のデザートです。養老鉄道の路盤がしっかりしていないので、電車はかなり揺れます。いすみ鉄道のレストラン・キハのように、ゆっくりと運行してくれればよいのではありますが、普通列車を兼ねて運行されているので、仕方ありません。
ティーを運んでくれるスタッフは、腰を前後左右にクネクネさせながら、あるいは忍者のような忍び足で、私のテーブルまで持ってきてくれます。凄いですねと感想を漏らすと、実にこれは気を遣うのですとの事で、一種の職人芸のような雰囲気が漂っていました。

なお食後の飲み物は、玄米炭茶なる、不思議な飲み物です。超出がらしのコーヒーと表現すれば、悪い言い方ではありますが、味の想像がつくと思います。これに羅漢果を砂糖代わりに入れると、ラスクやクッキーにピッタリ合います。面白いセットでした。
以上が、養老鉄道のビストロ薬膳列車のお料理です。私の妻に感想を求めると、3500円でここまでたくさんの味を楽しめるのは安いと言っていました。それに、温かいものを提供できない制約がある中で、味も最大限の努力をしているとも言っていましたね。
ところでビストロ薬膳列車に乗ると、首を真後ろに向けない限り、風景を楽しむことはできません。基本的にはひたすら向かい合わせで、お料理と「お向さん」しか見ることができません。
そんな状態で、果たして面白いのかなと正直不安でした。けれども薬膳列車なるものは、健康に強い関心がある年配の人がメインターゲットです。健康に関心はあるけれども、車窓風景をじっくり見たいという訳ではないでしょうから、たまに窓の外をちらりと見る程度で良いのかもしれません。
それに、料理を食べている時に面白い出し物がありまして、薬膳列車鉄道歌劇なる出し物をやってくれました。まあ学芸会レベルですが、けっこうみんな大笑いして楽しんでました。その一部分を動画でお見せします。なんとも平和な列車です。
そして、食べ終わった後には「薬膳体操」なる、ゆるい運動をやらされます・笑。やらされると言っても、当然皆さん健康に気を遣う年代の人ばかり、みなさん真剣にやってましたよ!
薬膳体操があるとは聞いておりましたが、実際にそれを目撃すると、さすがに私たち夫婦はそこまでしたくなるような年齢でもないので、ちょっと笑ってしまいました。
でも待てよと。旅が好きな私の母親を薬膳列車に乗せてあげたら、大変喜ぶと思います。なんだか、その年代の人達の心をくすぐるような列車なんですよね。そう、親孝行に最適な列車だと思います!
だいたい養老鉄道のネーミングの由来、養老の滝って、年老いた親を孝行するようなお話しですものね。まさに薬膳列車で親孝行ですよ。
終点が近くなると、なんとワゴンによる車内販売までありました・笑。私は体の毒素を出すというスギナ茶を、妻は薬膳料理家の自費出版書籍の「和食薬膳」を買ってしまいました。車内で薬膳の効能を聞かされると、ついつい手が出てしまいました。やられた・笑。
車内では、多くの人がこれらの健康関連の商品を買っていましたね。やはり自分がいいなと感じるものは、しっかりとお金を出して買ってあげないといけませんよね。そうやって、日本の経済は回るのですから。

今回、養老鉄道の薬膳列車に乗車して、想像よりもかなり面白かったので、今後は同じようなロングシート座席でレストラン列車を走らせている鉄道も、フォローしていきたいと思います。
ところでこの養老鉄道の薬膳列車、スタッフの説明を聞くと、もはや養老鉄道を救うのはこの薬膳列車以外にはないと思うほど、存在感を増しています。
以下の説明の、音声を聞いていただければと思います。薬膳列車を初めてあしかけ8年、600回以上の運行をして、特に今年に入ってからとりわけ人気が出てきて、今年中には延べ4万名が利用する見通しだとの事です。
これって、実は大変凄い事です。仮に1人当たり4000円だとすると、4万人の合計は1億6000万円の売り上げを上げた事になります。養老鉄道の「取り分」がどのくらいなのかは分かりませんが、3分の1だとしても5000万円以上の収入になります。
年間100回の運行があるとしたら、売上高は1600万円になります。500万円以上の純利益を期待できる訳ですから、今後はもっと単価を上げる方策も考えても良い時期だと思いますね。(それでも養老鉄道は年に9億円の赤字を出しているので、この程度では苦しい。)
と言うようなことを考えているうちに、あっという間の1時間が経過して、近鉄電車の桑名駅に到着しました。最後にスタッフの方にお願いして、記念撮影してもらいました。ありがとう!

桑名はハマグリで有名な場所であり、最近では和菓子で売り出している街です。和菓子の割引クーポンが販売されていますから、桑名の街を散策するのも良いでしょうね。
私たちはこれから米原に宿泊するので、大垣駅にとんぼ返りです。フリーきっぷがあるおかげで、帰路も切符を買わずに、そのまま列車に乗り込んで、ポヨンと車窓風景を見たり、居眠りしたりして過ごしました。

薬膳料理をプロデュースするお店は、養老駅にあるそうです。今回は駅のホームからひょうたんを見るのみですが、いずれ養老の滝の見物、温泉に入って薬膳料理のお店に行ってと、のんびりした旅をしてみたいものだなと思いました。

それにしても、薬膳料理だけでなくて、僕だったら桑名の蛤を利用した「ハマグリ列車」のランチコースを実行に移したくなります。蛤の旬は冬場なので、逆に夏になったら養老鉄道の北側の揖斐駅を往復する「鮎料理列車」を作っても面白いです。
それから同じく桑名の和菓子を利用した、「和菓子スイーツ列車」を走らせるのも良いのではないでしょうか? 考えればどんどんアイデアが出てきます。
そんなアイデアが次々に出てくるのは、僕が薬膳列車を気に入ったからに他なりません。養老鉄道は本当に、いつ廃線になっても全く不思議ではない状況で、危機的と言えます。薬膳列車の成功事例をさらに拡大するのは、経営者としては必須の事ではないでしょうか。
とりあえずは、9月以降は当面、通常版の薬膳列車が週に2回、運行されます。

ぜひ皆さん、お友達と一緒に、あるいは親御さんを連れて、養老鉄道でのんびり旅をして見る事をおススメしたいです。親孝行、お友達孝行の日帰り旅行なんて、いいじゃありませんか!!
養老鉄道の薬膳列車、この日も全席満員御礼との事、素晴らしいですね!
廃止の危機に陥っている養老鉄道を救う、唯一の希望ともいえる薬膳列車
最近私たち夫婦は全国のレストラン列車にハマっており、ここ最近ではろくもん洋食コースやえちごトキめき鉄道・雪月花の和食を楽しんできました。それぞれ観光専用列車として内装を大きく変えて存在感をアピールしており、料金も1人1万円以上します。
それに対して既に存続に赤信号が灯っていて、とても車両をリニューアルする余力の無い養老鉄道が、既存の車両にテーブルを設置するだけの状態で根性でレストラン列車を走らせています。故に料金も1人5000円以内という比較的リーズナブルな価格で、サービスしてくれています。
ちなみにこの鉄道の日常の姿は、養老鉄道の撮影記のページをご覧ください。有名な観光地の無い田舎をゴトゴトと走る可愛らしい姿が、とても好ましい鉄道なのです。

(ビストロ薬膳列車の土曜便は大垣駅発。後ろに見えるはトレインビューのアパホテル大垣駅前)

(大垣から乗車して桑名駅まで、およそ1時間強の旅です)
さてその養老鉄道が走らせる、実は予約必須の大人気レストラン列車が、薬膳列車です。普段は和食ですが、夏の期間中はビストロ薬膳列車と銘打って、洋食が提供されます。
今回私たちは、今年度のビストロ薬膳列車の最終列車に乗車して楽しんでまいりました。レストラン列車としては非常に地味ながら、今回も満席御礼だそうで、鉄道ファンとしてはとても嬉しいです。その時の模様を、次の項目でレビューします。ご興味のあるところをお読みください。
⇒ビストロ薬膳列車の大垣駅での様子
⇒ビストロ薬膳列車のお料理はどうだったのか?
⇒ビストロ薬膳列車の車内の様子・こんな感じの観光列車です!
ビストロ薬膳列車の大垣駅での様子
さて、今回乗車したビストロ薬膳列車のパンフレットが下記です。通常、薬膳列車は1人5000円の料金なのですが、7月8月はサマーキャンペーンとして、3500円で乗車できます。非常にお得感があります。
事前予約制なので、あらかじめ養老鉄道に電話を入れて、希望日時を伝えて、予約を取ります。予約を入れると後日、最少催行人員を上回った場合に郵便振り込みの用紙が送られてきますので、郵便局から送金します。すると今度は薬膳列車の乗車券が郵送されてくる仕組みです。
15名以上が最小催行人数ではありますが、ほとんどのケースで最高人数を上回るはずですので、まず安心して良いかと思います。

当日は、送られてきた薬膳列車の乗車券(1日フリーきっぷを兼用しています)と、念のために同時に送られてきた行程表を持参して、養老鉄道の改札口に提示すれば、係員に案内してもらえます。

ちなみにこの薬膳列車は、臨時列車ではなくて、あくまで普通列車の1両を予約貸し切りする形で運行されます。この辺りが他の観光列車やレストラン列車と異なる点で、ユニークです。
どうしても養老鉄道は2両あるいは3両連結でしか運航できないため、例えば後日乗車した京都丹後鉄道の丹後くろまつ号のように、1両で運転できませんから、苦肉の策でもあります。
思った通りにできないからと言って諦めるのではなく、できる事を素直に実行している姿を見ると、なんともいじらしくもあります。応援してあげたくなりますね。
●養老鉄道の薬膳列車が大垣駅に入線するところ

(薬膳列車のヘッドマークが可愛らしいですね)

(出発しの大垣駅の駅名板と貸切車両を外から見る。パッと見は普通の電車です。)
さてどんな具合かと車内に乗り込むと、ロングシートと同じ向きに座席が配置されていて、なんだか面白いです。当然、座席に座ると知らない人が反対側に座っているので、不思議な感じです。
●養老鉄道の薬膳列車の車内はこんな感じ
この日は私ら夫婦は偶然、運転席すぐ後ろの座席があてがわれて、鉄道ファンには超嬉しい、かぶりつきの座席になりました。

座席に着席すると、既にお料理はテーブルの上に用意されています。この点は他のレストラン列車と違って、列車専属のアテンダントがいない養老鉄道としては、致し方ないところでしょう。

(ビストロ薬膳列車のメニューやらおしぼりが置いてある下にも、お料理があります)
なお、養老鉄道の薬膳列車には、トイレの設備がありません。したがって、トイレは乗車前に駅で済ませておきましょう。途中にトイレに行けるような時間は全くありませんから、トイレが近い人は、事前に水分を取り過ぎないようにすると良いですね。乗車時間は1時間10分です。
ビストロ薬膳列車のお料理はどうだったのか?
さて乗り込んでものの10分もしないうちに、すぐにビストロ薬膳列車は出発します。出発と同時に薬膳料理の案内が始まって、ただちに飲食開始です。あっという間に直ちに食事という。
●ビストロ薬膳列車の出発の際の放送と前面展望など
でも、お料理の1つ1つをきちんと解説してくれるので、他のレストラン列車よりも親切でもあります。案内放送と頂いたお品書きを参考にしながら、少しずつ味わってゆくのも良いものです。


1:食前酒・13種類の生薬入り
2:牛テールスープ明日葉風味
3:手作りハンバーグはとむぎと大豆ミンチ入り
4:青野菜のセサミンソース和え
5:かぼちゃサラダ松の実入り
6:白身魚の香草ムニエル・きのこと野菜添え
7:トマト100%のゼリー寄せ
8:夏野菜たっぷりオムレツ
9:タコのマリネ・モロヘイヤソース
10:ティラミス・スギナティー
11:ふすまパンとジャム(大垣養老高校製作)、自家製黒ニンニク
12:デザート・・・手作りラスク&クッキーと玄米炭ティー
すこしずつ色んな味覚を楽しめるので、想像よりもずっと満足度が高いと言うのが、率直な感想ですね。食べると分かるのですが、とにかく体に優しいことを徹底的に追及されています。

こちらはメインディッシュに相当するハンバーグ。これは惜しいかな!アツアツだったら肉汁が滴って絶品だったはずなのですが! 車内で加熱できないので、冷えているのが本当に惜しい!

食前酒は、13種類の生薬入りです。アルコール度数は1%との事で、特に酔いません。飲んだ瞬間、酒と言うよりは薬だなと感じます。食前酒のとなりのティラミスも、美味しかったな。
そうそう、他のレストラン列車では当然のように出てくるアルコールやソフトドリンクは、一切提供されません。そのような設備が無いから、仕方がありませんね。したがって、お料理を食べるのみであります。ビール飲みたいなあ・・・。

車内はほとんど全て、熟年層で占められています。薬膳ですから、健康が一番の関心ごとになる年齢層に、受けるのだと思います。熟年層以外は、チビっ子連れが2,3組いらっしゃいましたね。


(当サイト管理人のワタクシです。意外と満足げな顔をしています)
食後のデザートです。養老鉄道の路盤がしっかりしていないので、電車はかなり揺れます。いすみ鉄道のレストラン・キハのように、ゆっくりと運行してくれればよいのではありますが、普通列車を兼ねて運行されているので、仕方ありません。
ティーを運んでくれるスタッフは、腰を前後左右にクネクネさせながら、あるいは忍者のような忍び足で、私のテーブルまで持ってきてくれます。凄いですねと感想を漏らすと、実にこれは気を遣うのですとの事で、一種の職人芸のような雰囲気が漂っていました。

なお食後の飲み物は、玄米炭茶なる、不思議な飲み物です。超出がらしのコーヒーと表現すれば、悪い言い方ではありますが、味の想像がつくと思います。これに羅漢果を砂糖代わりに入れると、ラスクやクッキーにピッタリ合います。面白いセットでした。
以上が、養老鉄道のビストロ薬膳列車のお料理です。私の妻に感想を求めると、3500円でここまでたくさんの味を楽しめるのは安いと言っていました。それに、温かいものを提供できない制約がある中で、味も最大限の努力をしているとも言っていましたね。
ビストロ薬膳列車の車内の様子・こんな感じの観光列車です!
ところでビストロ薬膳列車に乗ると、首を真後ろに向けない限り、風景を楽しむことはできません。基本的にはひたすら向かい合わせで、お料理と「お向さん」しか見ることができません。
そんな状態で、果たして面白いのかなと正直不安でした。けれども薬膳列車なるものは、健康に強い関心がある年配の人がメインターゲットです。健康に関心はあるけれども、車窓風景をじっくり見たいという訳ではないでしょうから、たまに窓の外をちらりと見る程度で良いのかもしれません。
それに、料理を食べている時に面白い出し物がありまして、薬膳列車鉄道歌劇なる出し物をやってくれました。まあ学芸会レベルですが、けっこうみんな大笑いして楽しんでました。その一部分を動画でお見せします。なんとも平和な列車です。
そして、食べ終わった後には「薬膳体操」なる、ゆるい運動をやらされます・笑。やらされると言っても、当然皆さん健康に気を遣う年代の人ばかり、みなさん真剣にやってましたよ!
薬膳体操があるとは聞いておりましたが、実際にそれを目撃すると、さすがに私たち夫婦はそこまでしたくなるような年齢でもないので、ちょっと笑ってしまいました。
でも待てよと。旅が好きな私の母親を薬膳列車に乗せてあげたら、大変喜ぶと思います。なんだか、その年代の人達の心をくすぐるような列車なんですよね。そう、親孝行に最適な列車だと思います!
だいたい養老鉄道のネーミングの由来、養老の滝って、年老いた親を孝行するようなお話しですものね。まさに薬膳列車で親孝行ですよ。
終点が近くなると、なんとワゴンによる車内販売までありました・笑。私は体の毒素を出すというスギナ茶を、妻は薬膳料理家の自費出版書籍の「和食薬膳」を買ってしまいました。車内で薬膳の効能を聞かされると、ついつい手が出てしまいました。やられた・笑。
車内では、多くの人がこれらの健康関連の商品を買っていましたね。やはり自分がいいなと感じるものは、しっかりとお金を出して買ってあげないといけませんよね。そうやって、日本の経済は回るのですから。

今回、養老鉄道の薬膳列車に乗車して、想像よりもかなり面白かったので、今後は同じようなロングシート座席でレストラン列車を走らせている鉄道も、フォローしていきたいと思います。
ところでこの養老鉄道の薬膳列車、スタッフの説明を聞くと、もはや養老鉄道を救うのはこの薬膳列車以外にはないと思うほど、存在感を増しています。
以下の説明の、音声を聞いていただければと思います。薬膳列車を初めてあしかけ8年、600回以上の運行をして、特に今年に入ってからとりわけ人気が出てきて、今年中には延べ4万名が利用する見通しだとの事です。
これって、実は大変凄い事です。仮に1人当たり4000円だとすると、4万人の合計は1億6000万円の売り上げを上げた事になります。養老鉄道の「取り分」がどのくらいなのかは分かりませんが、3分の1だとしても5000万円以上の収入になります。
年間100回の運行があるとしたら、売上高は1600万円になります。500万円以上の純利益を期待できる訳ですから、今後はもっと単価を上げる方策も考えても良い時期だと思いますね。(それでも養老鉄道は年に9億円の赤字を出しているので、この程度では苦しい。)
と言うようなことを考えているうちに、あっという間の1時間が経過して、近鉄電車の桑名駅に到着しました。最後にスタッフの方にお願いして、記念撮影してもらいました。ありがとう!

桑名はハマグリで有名な場所であり、最近では和菓子で売り出している街です。和菓子の割引クーポンが販売されていますから、桑名の街を散策するのも良いでしょうね。
私たちはこれから米原に宿泊するので、大垣駅にとんぼ返りです。フリーきっぷがあるおかげで、帰路も切符を買わずに、そのまま列車に乗り込んで、ポヨンと車窓風景を見たり、居眠りしたりして過ごしました。

薬膳料理をプロデュースするお店は、養老駅にあるそうです。今回は駅のホームからひょうたんを見るのみですが、いずれ養老の滝の見物、温泉に入って薬膳料理のお店に行ってと、のんびりした旅をしてみたいものだなと思いました。

それにしても、薬膳料理だけでなくて、僕だったら桑名の蛤を利用した「ハマグリ列車」のランチコースを実行に移したくなります。蛤の旬は冬場なので、逆に夏になったら養老鉄道の北側の揖斐駅を往復する「鮎料理列車」を作っても面白いです。
それから同じく桑名の和菓子を利用した、「和菓子スイーツ列車」を走らせるのも良いのではないでしょうか? 考えればどんどんアイデアが出てきます。
そんなアイデアが次々に出てくるのは、僕が薬膳列車を気に入ったからに他なりません。養老鉄道は本当に、いつ廃線になっても全く不思議ではない状況で、危機的と言えます。薬膳列車の成功事例をさらに拡大するのは、経営者としては必須の事ではないでしょうか。
とりあえずは、9月以降は当面、通常版の薬膳列車が週に2回、運行されます。

ぜひ皆さん、お友達と一緒に、あるいは親御さんを連れて、養老鉄道でのんびり旅をして見る事をおススメしたいです。親孝行、お友達孝行の日帰り旅行なんて、いいじゃありませんか!!