旧国鉄バス日肥線をたどる令和版路線バスの旅(旧国鉄バス日肥線とくま川鉄道の旅その2)

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旧国鉄バス日肥線とくま川鉄道の旅(2)・・・旧国鉄バス日肥線をたどる令和版路線バスの旅

主に青春18きっぷを利用した「駅弁」と少し「呑み鉄」、そして時々「撮り鉄」の旅を名古屋からお届けします。今回は旧国鉄バス日肥線をたどる宮崎~西都~村所~湯前~人吉の旅です。


⇒その1:日田彦山線と平成筑豊鉄道に乗車
⇒その2:旧国鉄バス日肥線をたどる令和版路線バスの旅(このページ)
⇒その3:くま川鉄道に乗車・12年前の姿も
⇒その4:2011年・肥薩線の思い出
⇒その5:熊本電鉄を撮影


(今回のお話しは、上記のルートを路線バスで乗り継いだものです)



宮交シティからバスに乗車


本日(2023年2月12日(日))はいよいよ西米良村村所へ向かいます。まずは日向市から特急列車に乗り、南宮崎駅近くの宮交シティバスセンターから宮崎交通バスで西都市に向かいます。

特急「ひゅうが5号」
日向市駅より特急「ひゅうが5号」に乗車。奇しくも昨日乗った「にちりん15号」と同じ編成でした。例によって最後部自由席車両は片手でも余る乗客数で、平日(今日は日曜日)の状況はわかりませんが、ちょっと心配になる状況です。(2023.2.12 7:04)  


車窓左手に日向灘を、美々津、東都農付近ではリニアモーターカーの実験線跡を眺めつつ、 約50分の乗車で宮崎に到着。朝8時から営業の駅弁店で首尾よくお弁当を入手のうえ、列車で南宮崎へ移動します。

宮交シティ
南宮崎駅から徒歩5分ほどのところにある宮交シティは、1973年開業のバスターミナル併設のショッピングセンターです。一日乗車券2000円(県内版)の利用を考えていたものの、バス切符売場は9時からの営業のため断念しました。

西都バスセンター行
9:00発の西都バスセンター行に乗車、日中は宮崎駅発の便を含めて1時間に1本程度の運行です。宮崎駅(宮崎神宮駅前は停車)は通らず、宮崎駅から数百メートル西の橘通を北上します。乗客は5名ほど、途中の中心市街地でも乗降があり、延べ10名以上が乗車しました。

妻駅跡
約1時間の乗車で西都バスセンターに到着。目の前に国鉄妻線(1984年廃止)妻駅があったそうですが、現在は駐車場等になっています。妻駅の駅名標は隣接する児童館に保存されていました。

宮崎交通西都バスセンター(西都営業所)
立派な建物の宮崎交通西都バスセンター(西都営業所)です。待合室と窓口がありますが、他にお客さんの姿はなく、窓口も本日日曜日は休業でした。発車の8分前に村所行のバスがバス停に据え付けられました。

宮崎交通の「客貨混載バス」
西都~西米良村(にしめらそん)の路線バスは平日3往復、土休日2往復で、2015年からは「客貨混載バス」として宅配便も運んでいます。車両中央に荷物の収納ボックスがあります。その分座席が減っていますが、この便も乗客は私の他に1名なので問題はなさそうです。

国道219号線の車窓の一ノ瀬川
10:20に西都バスセンターを出発、国道219号線を走行します。国鉄妻線の終点であった杉安を過ぎると、車窓左手に一ノ瀬川を眺めつつ山間部に分け入ります。トンネルによる道路付け替えなど、改良工事も進んでいます。

宮崎交通の方向幕装備の764号車は1987年式
1時間18分の乗車で、「村所駅」に到着。途中でのお客さんの乗降はなく、終始2名のままでした。便によってはここ村所と途中の診療所前で宅配トラックと荷物の受け渡しがあり、5分間の停車時間が設けられています。最近では珍しくなった方向幕装備のこの764号車は1987年式で、バスとしてはかなりの高年式車です。沿道では自動車で追っかけてこのバスを撮影する「撮りバス」の方の姿もあったので、貴重な車両なのでしょう。

宮崎交通のバスコレ(ヤマト運輸)
…と思っていたら、バスコレにより模型化されていました。自分が旅で乗った車ということで、嬉しい限りです。2016年10月の発売で定価1540円、名古屋市内の量販店でこの旅の後に購入しました。1/150スケールながら車体のラッピングは鮮明、側面方向幕の細かい字まで再現されており、よくできたモデルです。

村所驛の物産館
バス待合所のある建物は、JAや「村所驛」なる物産館との合築です。お手洗いもあります。ここで2時間近い待ち時間があるため、ここから600mほどのところにある歴史民俗資料館見学を考えていたものの、何とお昼の12時~13時は休館とのことで断念せざるを得ませんでした。

村所驛・村所バス停
村営バスは物産館と同じ「村所驛」を名乗り、宮崎交通バスも方向幕は「村所駅」を表示していました。

村所の集落
温泉館へ向かうバス車窓から眺めた村所の集落には、役場や小学校があります。中学校は対岸のこちら側です。なお最近になって朝の村所発6:05西都行と夕方の西都発17:30村所行が減便され、現在の始発便は村所発8:05(土休日7:50)、西都発終発が15:30となり西都への通学は不可能となっています。高校生は下宿を余儀なくされているのでしょうか。





国鉄バス(→JRバス)日肥線の頃


1990年8月、大学生であった私は九州ワイド周遊券の旅の途中で、JRバス日肥線に 乗車したのでした。当時と比べると、道路の一部バイパス化はあるものの、風景に大きな変化はない印象で、特に今回村所の村所橋に立ち寄った折には、33年前の旅の記憶が鮮明に蘇りました。

私が乗車した数年後、村所~湯前は1996年7月に西米良村営バスへ代わり、村所~西都~宮崎も、1998年3月31日限りで廃止され、宮崎交通に移管されています。当時から空気輸送だった印象だったものの、33年後の現在も何とか同じルートを旅できるとは嬉しい限りです。

【日肥線乗車前後の行程】 1990年8月27日(月)~28日(火)

・急行「日南」小倉2337→延岡501:オハ12-144
・高千穂鉄道 延岡627→高千穂753:TR101
・高千穂鉄道 高千穂1052→延岡1158:TR103
・特急「にちりん7」延岡1204→高鍋1259:クハ481-37
・JRバス 高鍋駅1335→妻1420:334-9407
・JRバス 妻1540→村所駅1710:331-3471
・JRバス 村所駅1730→湯前駅1810:331-9463
・くま川鉄道 湯前1834→人吉1920:KT104
・急行「えびの6」人吉1937→熊本2058:キハ65-53


1990年の宮崎駅発村所行の急行便
一ノ瀬ダムにて小休止する宮崎駅発村所行の急行便です。宮崎駅から村所駅までは2時間半近い乗車となる長距離バスでした。当時の村所には小さいながらも「駅」にふさわしい駅舎的建物がありました。(1990.8.28)

JR九州バス日肥線案内
鉄道先行路線として国鉄が運営した路線でした。支線も一部は現在も村営バスが運行されているようです。(1990.8.28)

在りし日の高千穂鉄道
在りし日の高千穂鉄道にも乗車しました。(1990.8.28 高千穂付近)

日本交通公社時刻表1990年12月号より抜粋した西都付近と日肥線の時刻
日本交通公社時刻表1990年12月号より抜粋した西都付近と日肥線の時刻です。村所~妻は、通学にも使えるダイヤでした。往時は人吉まで運行されていた日肥線ですが、この時には湯前までとなっていました。 また宮崎交通バスも当時は宮交シティ~西都が15~30分毎、宮交シティ~高鍋駅は20分毎の運行でしたが、現在はいずれも日中1時間に1本程度の運行であり、地方路線バスの衰退を如実に感じさせます。





村所から湯前へ村営バスに乗車


宮崎駅の幕の内弁当
日曜日のためか、村所集落内に食事処は見当たらず(村所驛そばのラーメン店は日曜休業、近所にカフェがあり軽食もあるようですが、この時はリサーチ不足で気が付きませんでした。)、河原で宮崎駅弁「上等幕の内弁当」(1200円)をいただきます。近くにコンビニもないので、食事は西米良温泉「ゆた~と」を利用するのもいいでしょう。「ゆた~と」は宮崎交通バスの起終点であり、湯前行の村営バスも経由します。

西米良村英バス湯前線
村所驛から13:30発湯前駅行村営バスに乗車。小型バスながら2-1列シートで快適です。平日3往復(その他区間便あり)、土休日2往復で、村所~湯前の所要時間は経由地の違いにより33分~64分と便により幅があります。

西米良村英バス湯前線
村所から温泉館「ゆた~と」を経由、途中で小林方面につながる265号線を板谷集落まで数キロ往復するなど、寄り道の多い便です。分水嶺でもある県境を横谷トンネルで超えると、よく整備された国道219号線を一気に下り人吉盆地の端にある湯前に14:31に到着します。 料金は800円、なかなか路線バスでは味わえない車窓風景で、ぜひ次は湯前から村所方面に乗りたいものです。 なお乗客は、私の他に温泉館から乗車した地元の方1名で、湯前駅近くの食堂「徳丸」で食事をし、ショッピングセンター「サンロード湯前店」で買い物をして、15:30発の便で帰るとのことでした。西都市方面に出るより、県境を越えて湯前方面に行く方が便利なようです。


【乗車記録】

・日向市7:05→宮崎7:56 特急「ひゅうが5」クモハ786-4 6両  
・宮崎8:28→南宮崎8:31 クモハ817-11 4両  
・宮交シティ9:00→西都バスセンター10:03:宮崎交通バス  
・西都バスセンター10:20→村所11:38:宮崎交通バス  
・村所13:30→湯前駅14:31:西米良村営バス


くま川鉄道に乗車・12年前の姿も


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