津軽鉄道の駅弁一覧

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津軽鉄道の駅弁を全種類コンプリート、2019年に完全制覇!!・・・真に美味い駅弁だ

ここでは、津軽鉄道の駅弁の一覧をご覧いただきます。全国の駅弁をご覧になりたい場合は、こちらのページからお選びください。それ以外の駅弁カテゴリーについては、下記になります。

  

津軽五所川原駅の駅舎


あまり知られていない、あるいは目立たない存在で、マスコミや書籍の世界でもほとんど紹介されない駅弁が、津軽鉄道の津軽五所川原駅の駅弁です。実は大変素晴らしい駅弁なのに、食べた事が無い人がほとんどなのではないかと思います。

津軽鉄道の駅弁は、季節によって4種類の商品が順番に販売されます。2019年、当サイト管理人がそれらを全て食べて、詳細を以下の通りレポートしたいと思います。

以下、それぞれのお弁当の項に、駅弁の詳細と入手方法を記載しています。ぜひ参考にして頂いて、倒産の危機に瀕している津軽鉄道を救ってあげて欲しいと思います。

冬季限定・ストーブ弁当
春季限定・さくら弁当
夏季限定・だざい弁当
秋季限定・いなほ弁当


なお、各季節のお弁当の購入にあたっての、共通のルールは次の通りになります。ミスがあって廃棄処分になったりすると、津軽鉄道にとっては大打撃になりますので、十分に気をつけてください。

電話予約 ・津軽鉄道本社:0173-34-2148
(平日午前8時半~午後5時、土曜午前8時半~午後12時半まで)
・津軽五所川原駅:0173-35-7743(午前7時~午後7時まで)
・金木駅:0173-53-2056(午前5時40分~午後9時まで)
注文ルール ・利用日の3日前までに注文。
・最低注文個数は2個から。
・午前11時から午後2時までの間で受け渡し。
・キャンセルは前日までで、それ以降は実費請求。
製造 神家(じんや)
青森県五所川原市稲実稲葉50?30
http://jinya.cloud-line.com/
販売 津軽鉄道株式会社
青森県五所川原市字大町39番地
ホームページ 津軽鉄道の駅弁に関する公式サイトはこちらです。
http://tsutetsu.com/ekiben.html
日時 2019年10月時点の情報です。





冬季限定・ストーブ弁当


まず最初は、津軽鉄道の駅弁としては最も名の知れた存在だと思われる、ストーブ弁当です。津軽鉄道のストーブ列車は、日本人だけでなく、海外からの観光客にも大変な人気となっており、今や津軽鉄道を「救済」しているのはガイジンさんだと言っても良いくらいです。

津軽鉄道のストーブ列車(津軽五所川原駅)


そんなガイジンさんが食べるとはおよそ思えない存在として、ある意味かなりユニークだと思うのが、ストーブ列車の運行期間中にだけ販売されるストーブ弁当です。ストーブで焼かれるスルメもかなりガイジンさんにとってはレアな食べ物だろうと思われます。

ストーブ弁当


このストーブ弁当は、日本人ならば誰でも郷愁に浸ると言いますか、本能的に「美味しいな」と感じるようなお弁当です。盛り付けなども、何か懐かしさを感じますね。

ストーブ弁当


津軽鉄道の公式サイトによると、「平成19年9月22日に開催されたサポーターズクラブ「会員の集い」にて「ストーブ弁当」が発表された。このストーブ弁当は、「ちゃぺ!津軽鉄道四季ものがたり」や応援写真集で付き合いのある小学館の関係者が津軽鉄道を盛り上げる企画を発案し、8月には試食会が開催され3個の募集メニューより採用されました。」との事です。

いわば、「公募の駅弁」という事になるのですね。そういう意味でも、面白い駅弁です。中身は、津軽地方の食材をふんだんに使った、まさにこれだけで、津軽の旅をした気持ちになる駅弁です。

ストーブ弁当

お品書き
・若生(わかおい:若い昆布)のおにぎり
・梅のおにぎり
・米のあられのエビフライ
・エビすり身入りレンコンはさみ揚げ
・松前漬け
・里芋の黒ゴマ和え
・蕗の豚肉巻き
・サケハラス焼き
・つけもの


ストーブ弁当の各部分を細かく見ていきます。右上の部分から。エビフライが目立ちますが、衣はお米のあられを使っているとの事で、独特のサクサク感があります。蓮根のはさみ揚げも、海老のすり身が入っています。

鮭は、ハラスの割にはやや硬めですが、適度に塩っ辛く、ストーブ列車に揺られながらお酒を飲み、そしてストーブ弁当を食べるには最適の酒の肴になりますね。




右下。ふきに豚肉を巻いた焼き物と、里芋に黒ゴマをまぶしたものなど。黒い色は、石炭をイメージしたもののようです。




この部分は、ちょっとよく分かりませんでした。プラスチックカップの中は、松前漬けだと思います。その下に盛り付けられているのは、何かの粕漬けだと思います。もしかしたらニシンなのかなと思いながら、これまたお酒に最高に合うおかずでした。




ご飯は、おにぎりが2個です。こちらは若生(わかおい)のおにぎりです。若い昆布といえども、昆布は昆布なので、意外と食べにくいです・笑。しかし、日本酒を飲む者としてはこれまた格別の逸品であり、駅弁に入れてくるとは罪作りな事であります。




梅のおにぎり。この駅弁は、全体的にかなり塩辛いです。津軽の人たちの口に合わせて作られているようです。辛いからこそ、余計に酒が進みます。実に不健康極まりない美味しい駅弁なのでした(^^♪




なお、お酒はやはり津軽鉄道のストーブ酒をお勧めします。けっこうな辛口のお酒であり、ストーブ弁当にドンピシャで合う日本酒だと思います。車内で供されるスルメとの相性も抜群です。

津軽鉄道のストーブ酒


なお、津軽鉄道のストーブ列車に乗って、ストーブ弁当を食べた時の模様を、簡単に動画にも記録しておきましたので、こちらもご覧いただければと思います。




販売のデータ
販売日時 12月から翌年の3月いっぱいの販売。
ラベル表示 ストーブ弁当のラベル表示
価格 1100円(税込み)
注文ルールについては冒頭に記載していますので、ご覧下さい。





春季限定・さくら弁当


津軽鉄道は、3月までのストーブ列車の賑わいから一転して、春になると閑散としてしまいます。写真のような、無個性な気動車が行ったり来たりするだけになってしまうからです。

津軽五所川原駅と津軽鉄道の気動車


津軽五所川原駅も、この通り。ガランとしていますが、普段着の津軽鉄道を見ているようで、これはこれで何とも言えない情景でもあります。

津軽五所川原駅の駅舎内


そして、ストーブ列車無きあとの春季限定となるのが、さくら弁当です。4月と5月、わずか2ヵ月だけの販売となります。この時期4月10日までの青春18きっぷの発売期間しか割引切符で津軽まで出かけるチャンスは無く、今回ははるばる鈍行に揺られて五所川原までやってきたのでした。

さくら弁当


そしてさくら弁当を開封して仰天。二段重ねの、1100円とは思えないほどの素晴らしい内容でした。食べてみても素晴らしすぎて、どこかの料亭が調製しているのかと思ったら、冬季のストーブ弁当と同じ調製業者でした。変幻自在ですね。

さくら弁当

お品書き
・黒米(もち米玄米)ごはん
・魚のてり焼き
・だし巻きたまご
・海老のみりん焼き
・筍とにしん漬け
・道明寺粉ほたてフライ
・地元野菜の煮付け
・とり肉塩ダレ付あみ焼き
・ふき味噌


もっとも驚いたのは、黒米のご飯です。黒米の玄米を使う事でほのかな桜色になるそうですが、黒米自体は僅かな量で、それよりも黒豆が大々的に使われています。黒豆を使ったものは、地方によってはお葬式に出すご飯として定着していたりするので、人によっては驚くかもしれません。




しかし、黒豆だけでなく、大豆も豊富に入れてあったり、お米も玄米以外に雑穀を入れています。桜の花の塩漬けを中心部に配置して、お葬式のご飯のようには全く見えません。厳かな中に上品さを垣間見るような、そんな芸術作品のようなご飯でした。もちろん、味も最高です。




鶏肉を塩だれに付けて網焼きにしたものは、駅弁の鶏肉料理としては破格の出来栄えです。そもそもそんな手のかかる作り方は、駅弁業者ならばしないと思います。生野菜が入っているのも良し。






このコーナーも素晴らしい。出汁巻き玉子、海老の串もの、その下に焼き魚です。




この玉子焼きが美味しくて。駅弁屋の作る玉子焼きは全国的にも甘ったるい味付けばかりであり、ときおり閉口します。この店の玉子焼きは甘さを完全に抑えてあり、卵本来の味をガツンと感じます。これが本当の玉子焼きであり、だし巻き卵なのだと思いますよ。1つでは足りない美味しさです。




海老のみりん焼き。プリプリの海老にうっすらとみりんを付けているので、旨みが増します。枝豆などを1つ入れ込むとは、可愛らしい遊び心です。




海老の下からは、鯖の照り焼きが出てきました。これまた実に香ばしく焼き上げていますね。




その下のコーナーです。ここにもまた、唸るような逸品が隠されていました。




道明寺粉で揚げたほたてフライです。道明寺粉とは、蒸したもち米を乾燥させてから砕いたもので、これをフライの衣にする事で、独特の歯ごたえが生じます。この衣で食べるほたてフライなど初めての経験で、大いに喜んで食べたのでした。




そして驚いたのが、筍とニシン漬けです。筍もにしんも、薄い短冊切りにしてあります。筍など、生のものをさっと湯がいた状態ですね。そしてニシンと共に漬け込んだ時の味わいの複雑さ、それでいて旬の筍の食感が絶妙すぎます。

これは完全に、料理屋のメニューです。いかなる駅弁屋にも考え付かないようなものを入れてきています。手元にビールなどを用意しておかなかったのをこれほどまでに後悔した事は、今までの駅弁ライフではありませんでした。




最後に煮物。「地元野菜の煮付け」と称しています。他があまりにも上等過ぎるので、相対的にこの部分が普通に感じてしまうのは、ちょっと可哀そうに思いましたね。




津軽鉄道の駅弁は、2つから予約購入が可能です。ストーブ弁当は友達と1つずつ食べましたが、さくら弁当は1人で買いに行ったために、2個食べる事になりました。1つは、弘前駅近くの公園で食べています。以下の動画は、そこでそーっと食べている時の様子です。

もう1つは、鈍行列車に乗って、酒田駅の近くのホテルアルファーワン酒田に泊まって、夕食として頂きました。昼と夜に全く同一の駅弁を食べても何の不満も無く、むしろ感激しながら食べる事が出来たというのは、とにかく凄い駅弁だったという証明のような出来事でした。




なお本来ならば、このさくら弁当は、津軽鉄道の芦野公園駅の周辺の見事な桜を愛でながら食べたいところです。この駅弁は、それを想定して作られているのです。

参考芦野公園駅の駅カフェ「駅舎」を訪問した記録


販売のデータ
販売日時 4月と5月の販売。
ラベル表示 無し
価格 1100円(税込み)
注文ルールについては冒頭に記載していますので、ご覧下さい。



夏季限定・だざい弁当


6月下旬に、JR東日本の大人の休日倶楽部パスが発売になりました。それを使って、夏季限定のだざい弁当を買う目的で、津軽半島を訪問しました。そして、北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅から弘南バスの路線バスに乗って、津軽鉄道の津軽中里駅に至るルートを選びました。

何故かというと、津軽鉄道にだざい弁当の予約の電話を入れた際に「津軽中里でもお受け取りできます。列車に乗ってお弁当を食べてはいかがでしょうか。」と提案があったからです。涙が出るほど嬉しいご提案に乗って、はるばると津軽の地を再訪した次第です。津軽鉄道、素晴らしい対応!!

奥津軽いまべつ駅と津軽中里駅を結ぶ弘南バスの路線バス


通常は1200円のバス運賃ですが、道の駅いまべつの事務所に行くと、運賃の半額割引乗車券を受け取れます。ほとんど客のいないバス路線を維持するため、自治体が補助を出しているのです。津軽鉄道以上に厳しい現実に直面している、地方の路線バスの現状を見る思いです。

道の駅いまべつ発行の、弘南バスいまべつ線の半額割引乗車券


到着した津軽中里駅改札前。だざい弁当の表示がありましたが、見ていると何と、赤枠のところに「4月1日から」となっています。ホームページによると6月1日からの販売の扱いですので、間違いではないでしょうか。・・・あるいは、4月にも買おうと思ったら買えるのでしょうか??

だざい弁当のディスプレイ(津軽中里駅)


ま、そんな事はある意味どうでもよく、予約していただざい弁当を受け取って、「だざい列車」として運行される気動車に乗り込んだ次第です。

だざい弁当と津軽鉄道の車両


中身は、これまた想像以上の素晴らしい出来でした。津軽鉄道の駅弁は、最強ですね。コンセプトは、太宰治が好物であった地元の料理との事。掛け紙によると、津島美智子著「回想の太宰治」の記述を元にしてメニューを考えたようです。

若干、掛け紙の裏側に記されているお品書きとは内容が異なるものもありますが、その時々で少しの違いがあるというのも自然な事であり、全く問題ありません。

だざい弁当

お品書き
・にしんとほたての煮付け
・食用菊のまぜごはん
・カニ
・青森産もずく
・焼きさかな・・・今回は鮭の西京焼き
・かずのこ入りにしんきりこみ・・・今回は恐らくニシンの粕漬け
・なすのしそ巻き
・アスパラ・・・今回はブロッコリーでした
・こあえ(タラの子とにんじん)・・・今回はいんげんのサラダ風のもの
・根曲がり竹煮付け
・みょうがの甘酢漬け・・・今回はきゅうりの漬物


メインは、ご飯の上に乗っかっているニシンと帆立の煮付けです。煮汁がご飯にまで染み込んで、最高の美味しさを醸し出しています。北日本を旅すると時折ニシンの駅弁に出会う事があり、今までは留萌駅のにしんおやこ弁当がナンバーワンだと思っていたのですが、今回はそれを上回ると思いました。

ニシンと帆立煮(だざい弁当)


見て下さい、このニシンのプリプリな身を!身欠きにしんではないニシンを駅弁で食べる事ができるのは非常に珍しい事で、これを食べるだけでも大きな価値があります。太宰治がニシンの小骨を苦手としていたようなので、調理の工夫でそれさえも食べられるように煮付けています。

ニシン煮の美味しさ


もう1つ、驚いたのが青森産のもずくです。カップに入ったもずく酢は、今まで食べた駅弁のモズクの中では圧倒的に一位です。といいますか、これは料理屋で食べるレベルのものであり、駅弁として食すことができるのは奇跡ですね。ニシンの粕漬けと共に、津軽鉄道のストーブ酒がよく合いました。

青森産もずく(だざい弁当)


目立たぬところに、なすのしそ巻き。意外と大きめのものが2つ入っていて、夏野菜の茄子の美味しさが口いっぱいに広がりました。しょっぱいのかと思ったら全く違いました。

なすのしそ巻き(だざい弁当)


焼き魚として、鮭の西京焼き。これも脂が乗って最高級でした。ご飯には、ニシンと帆立煮のタレが写っていますね。タレだけでご飯一膳行ける味ですよ。これに鮭の西京焼きとか、罪作りすぎます。

鮭の西京焼き(だざい弁当)


この時の映像は、動画としてもご覧頂けます。津軽鉄道のアテンダントさんの案内なども入っています。この列車に乗って食べただざい弁当の味は、忘れ得ぬ思い出となるに違いありません。




春季限定のさくら弁当と同様、1人2個からの注文となりますので、今回も私は2個買って、残り1個はその日の夜に、同じ青森県のトレインビューホテルであるコンフォートホテル八戸に宿泊して、津軽鉄道の思い出に浸ったのでした。


販売のデータ
販売日時 6月~8月の販売。
ラベル表示 無し
価格 1100円(税込み)
注文ルールについては冒頭に記載していますので、ご覧下さい。



秋季限定・いなほ弁当


最後に、秋季限定のいなほ弁当です。季節限定の4つの駅弁を食べる旅の最後という事で、わざわざこれを買うためだけの目的で、津軽の五所川原まで足を運んだのでした。

予約して手渡されたいなほ弁当は、予想外に大きなサイズでした。2個からの予約販売ですから、2つ買っています。1つはリゾートしらかみ号の車中で食べたから良いものの、もう1つは帰宅後に自宅で食べましたから、東北新幹線での帰途、斜めに傾いたりしないように慎重になりました。

掛け紙は、津軽鉄道の簡単な案内と、五所川原市内の温泉の地図となっています。津軽富士の岩木山をバックに走る津軽鉄道の気動車が、稲穂を連想させる黄金色の紙に描かれています。

いなほ弁当


いなほ弁当というだけあり、収穫の秋をイメージした駅弁です。今回も見事な出来だなと感嘆しました。容器が大きくて、他の津軽鉄道の駅弁に比べると、盛り付けにかなり余裕がありますね。大きな箱をわざわざ使うところなども、収穫の秋の贅沢さを感じます。

いなほ弁当


なお、掛け紙の裏面はお品書きとなっていて、以下のメニューが書かれています。ただし、秋と言っても3ヵ月間も販売期間があるために、その時々によって若干の変更点もあります。

お品書き
・おにぎりと季節の炊き込みご飯・・・今回はトウモロコシご飯
・「神家」のおかみさんお手製 津軽の漬物
・秋なすのピリ辛ひき肉のせ
・豆腐のゆば巻き・・・今回は別の豆腐料理
・えび塩焼き
・食用菊の胡麻和え・・・今回は別のお漬物風のもの
・秋さんまの塩焼き・・・今回はハタハタの西京焼き
・たたきごぼう
・長芋とつくね芋のほたてあんかけ


津軽米を使って炊き上げたおにぎりです。俵を連想させますし、実物の稲穂が飾られていて、遊び心や喜び、そして季節感あふれる旅情が表現されています。

俵飯


秋ナスや海老のコーナーです。オクラが添えられていますね。ほたてあんかけは、このコーナーに。




海老の塩焼きは、ひと手間加えられていて、そしてプリプリの美味しさでした。殻付きなのに食べやすい駅弁の海老というのは、初体験です。

海老の塩焼き


秋なすに、たっぷりのひき肉が乗っています。肉料理はこれだけという点もユニークです。

秋なすとひき肉焼き


左側に目を移動すると、豆腐料理や魚料理など。豆腐は、メニューのゆば巻きとは異なるものでした。




そして、さんまの塩焼きの代わりに入っていた、ハタハタの西京焼きが絶品すぎました。西京焼きなので旨みが増しているところに、卵まで入っています。ややねっとり感と少しのプチプチ感を伴った「ぶりこ」は、最高過ぎます。

ハタハタを駅弁にしているものとしては、すぐ隣の秋田県のハタハタ館の晩酌セットが思い浮かびます。あちらは軽く塩焼きにしてあって、別種の美味しさを楽しめます。でも、こちらのハタハタのほうが美味しく感じますね。やはりぶりこの存在が大きいのでしょうか。

最初は、「さんまの塩焼きが入っていなくて残念だな」と感じたのに、これを一口食べた瞬間、「サンマなんてどこでも食べられるでしょ!逆に、ハタハタはこの地域でしか食べにくいので、ハタハタ最高!!」の気持ちにすっかりと変わっていました。
ぶりこ入りのハタハタの西京焼き


もう一度、ご飯に戻ります。俵おにぎり以外では、季節のご飯としてトウモロコシご飯が入れられていました。秋というよりは夏の食べ物と言った感もありますが、北東北では秋にかかる季節感の食材なのかもしれませんね。

そして、何よりもこのトウモロコシ、茹でたものを丹念に手作業で一粒ずつ剥いたものである事も、食べたとたんに分かりました。粒が数個、「連結」されたトウモロコシもいくつかありましたから。

トウモロコシ缶などをぶち込むようなシロモノではなく、美味しいものをしっかりと手作りで仕上げてくるからこそ、何を食べても津軽鉄道の駅弁はハイレベルなのですね。

トウモロコシご飯


このような駅弁を食べると、ときおり当サイトでも申し上げる感想なのですが、いわゆる「本当の駅弁業者」が作るお弁当が、とにかく魅力が低いと感じてしまいます。

工業製品のような駅弁を売る業者ではなくて、今回のような津軽鉄道の駅弁だったり、お隣の弘前駅で頑張っていらっしゃる複数の駅弁だったり、そちらのほうが魅力的に見えますね。だからこそ、1年に4回も津軽を訪問しては、このような美味しい駅弁を食べ、列車に揺られるのであります。(別件も含めると、今年は5回も訪問しています。)




以上、津軽鉄道の駅弁を、年に4回、季節を変えて楽しんでみた記録です。いつ食べても大満足としか感じない駅弁など、昨今はこのような辺境の地(失礼)を訪れないと、食せない時代になってしまったのでしょうか。

ストーブ列車のように、鉄道そのものに価値がある存在。そしてその列車を取り巻く、様々な文化財的なモノや商品、出来事があります。津軽鉄道の駅弁も、そういった存在の1つであると思います。ぜひ、津軽の地に足を伸ばしてみて下さい。


販売のデータ
販売日時 9月~11月の販売。
ラベル表示 無し
価格 1100円(税込み)
注文ルールについては冒頭に記載していますので、ご覧下さい。



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