にしんおやこ弁当(留萌駅)を食べた記録

●参考になりましたら、シェアしていただけるとサイト運営の励みになります!

にしんおやこ弁当(留萌駅)・・・隠れた名作、ニシンと数の子の駅弁の最高峰

※留萌本線の廃線とともに、留萌駅での販売は終わりました。現在は留萌の立ち食いそば共々、道の駅 るもいで食べることができます。


留萌本線。・・・本線とは名ばかりで乗降客数が非常に少なく、存亡の危機に立たされている路線です。2016年に留萌本線の留萌・増毛間が消え、残された深川・留萌間も、存続の可能性はかなり低いとみておいた方が良いかもしれません。

その留萌本線の終点の留萌駅には、ローカル線や鄙びた地を愛する旅人にとって外せない、有名なにしんそばを出してくれる立ち食い蕎麦屋が営業しています。そしてなんとこの駅の蕎麦屋で、幻と言っても過言ではないような駅弁が、売られているのです。

にしんおやこ弁当の外観と掛け紙


本ページでは、その留萌の駅弁「にしんおやこ弁当」を購入して食べた感想だけでなく、駅弁の売り場や購入方法などの必要情報をまとめています。ぜひ皆さん、にしんおやこ弁当を購入して下さい。





まず、留萌駅の駅弁売り場(兼・立ち食いそば屋)の位置から


まず最初に、売り場情報から書きます。当サイト管理人のワタクシの、どうでもよい記念写真から貼り付けます・苦笑。二度と来ることが無いかもしれないと思うと、何だか無性に、記念写真を撮っておきたくなりまして・・・。

留萌駅名板


上の写真は、駅のホームで撮っています。ホームから改札口で切符を渡して駅構内に入ると、左側に駅の待合室があり、その待合室の隅っこに、小さな立ち食いそばのスタンドが有ります。位置関係としては、こんな感じでしょうかね。動画で確認していただければと思います。




待合室には、立ち食いそばスタンドのすぐ脇にテーブルが用意されていて、座ってお蕎麦を食べる事ができます。これは嬉しい配慮ですね。今回は私も駅弁を、このテーブルで食べさせて頂きました。

留萌駅の待合室と立ち食いそば屋


ちなみに上の写真を撮影している位置から体を後ろに180度回転させますと、下のようなクマのはく製が飾られています。ご丁寧にも鮭を咥えていて、内地の人間が北海道にイメージする「そのもの」の世界を立体化してくれています・笑。

留萌駅の熊のはく製の置物


さて、立ち食いそば屋さんですが、メニューの情報も掲載しておきましょう。以下のようになりますので、お蕎麦を食べる人はどうぞご覧ください。

留萌駅の立ち食いそば屋

留萌駅の立ち食いそばのメニュー


そしてこの立ち食いそば屋さんが、幻の駅弁、にしんおやこ弁当の受け渡し場所なのです。動画にも写していた駅弁の案内表示です。予約限定です。突然行ったのでは、駅弁は買う事ができません。

留萌駅弁にしんおやこ弁当は完全予約制


・・・それにしても、値段890円って、かなり安いな。。。。





では、「にしんおやこ弁当」を食べてみよう


駅弁の予約方法は次の項に記すとして、いよいよにしんおやこ弁当を食べてみた感想を書きましょうかね。開封してみたところを、わずか9秒のクイック動画にてご覧ください。




美味しそうですよね。開いてみた時の第一印象は、函館駅の鰊(にしん)みがき弁当とほとんど同一のコンセプトの駅弁だな、と思いました。身欠きにしんと数の子の親子弁当なのですから、ほとんど同一と言って良いでしょう。

にしんおやこ弁当


しかし、函館の鰊みがき弁当も美味いですが、留萌駅の駅弁のほうが、一枚上手でした。函館の方と見比べて欲しいのですが、留萌のにしんおやこ弁当の方が、高級食材である数の子の量が多いのです。たっぷり二切れも、贅沢に使っています。

ほれ、この通りのボリューム感。そして感心するのが、この数の子、塩気が濃すぎない点が良いです。なぜなら、身欠き鰊はどうしてもしょっぱいですから、数の子まで塩辛すぎると、駅弁を食べるのに苦労するのです。函館のものは、だいぶ塩分濃度が高めです。

にしんおやこ弁当の数の子と身欠き鰊


身欠き鰊です。見た感じは濃厚そうに見えるでしょうが、・・・その通りです・笑。ただしやはり函館のに比べると脂が乗っている分、柔らかく、しょっぱさも少し控えめに感じます。先ほど見て頂いた数の子との相性が抜群で、完全に練り上げられた味覚だと感じます。

にしんおやこ弁当の身欠き鰊


もう一度、数の子をアップで。ほんと、贅沢な駅弁だな、これは。ガブっと行きます。

にしんおやこ弁当の数の子


身欠き鰊。柔らかめなので、このくらいのサイズに箸で簡単に取り分けられます。パクリ。




ご飯は、醤油めしでしょうか。うっすらと味付けられています。炊き加減も上々で、身欠き鰊との相性もバッチリで、どんどん食べてしまいます。

背景に見える、カボチャや山菜煮が、身欠き鰊や数の子の味覚とは別物になるので、格好の口直し的な存在です。これらは塩分濃度が低めなので、副菜を食べて、またメイン料理を食べるのに、まさに最適です。濃い味のお漬物が入っていて、高血圧発症の最短コースのような函館の弁当よりも、断然こちらのほうが食べやすいです。

にしんおやこ弁当のご飯


実は今回、友人の名古屋の乗り鉄氏と留萌本線で合流したのでありますが、彼もこのにしんおやこ弁当を感心して食していました。私たち内地人はニシンなど普段は全く食べませんから、これを食べるだけで、北海道に来たなと言う感慨が深くなります。

なお、今年は十数年ぶりに、ニシンが大量に獲れているそうです。下の写真は、2017年4月に北海道に里帰りしている、北海道民の妻から送られてきた写真です。「ニシンが安い!」と感動のあまり送ってきました。

なんと130円、以前は500円近かったと思います。サンマ並みに、今年は安いみたいです。

2017年はニシンが豊漁で安い


ニシンは傷みやすく、また小骨が多い事から、駅弁には不向きな食材です。それを調理の工夫で身欠き鰊にする事で、何も気にせず食べる事ができるのですね。北海道に来たら、ぜひ留萌で、ニシンの駅弁を食べて頂ければと思います。

そうそう、忘れるところだった。今回買ったにしんおやこ弁当、駅弁の掛け紙に、一切の調整元情報が記載有りませんでした。また、原材料表記も無し。日本全国で、このような駅弁は初めてです。

実に不思議です。一体どこで誰が作っているのでしょうか。電話で聞けば一発で分かるのでしょうが、私はそういう部分は謎でも良いと思っている人間なので、そのままにしておきます。


留萌駅の駅舎
(2024年、今では留萌駅の表示も剥がされて歴史は終わりました)


以上、留萌駅の駅弁のご紹介でした。最後に留萌駅の駅舎の写真を貼り付けておきます。人のほとんどいない駅なのに、こんなに立派なんです。鉄道の栄えていた時代があったんですね・・・。


乗って楽しい列車旅

鉄道クレジットカード・鉄道ファン御用達のカード

地域から選ぶ

その他の特集コンテンツ