幕の内(中村駅)を食べた記録

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土佐くろしお鉄道・中村駅の駅弁の「幕の内」と、駅弁売り場の情報やその他のお弁当

高知県の果て、土佐くろしお鉄道の中村駅に、何と駅弁が存在します。乗降客は1日に1000人にも満たない駅だと思われ、いくら特急列車が始発する駅だと言っても、駅弁がある事自体が奇跡のようです。(参考までに、高知駅の乗降客数は約1万人です)

土佐くろしお鉄道の中村駅


このページでは、土佐くろしお鉄道の中村駅の駅弁に関して、以下の項目に分けて、ご紹介しています。ぜひ、中村駅を訪問する際の情報として、ご活用ください。

これが中村駅の、知る人ぞ知る駅弁「幕の内」だ
2020年の春に食べた時の幕の内
中村駅の駅弁売り場の情報まとめ
その他に食べたお弁当(鯛めし弁当&たこ焼き)も簡単にご紹介





これが中村駅の、知る人ぞ知る駅弁「幕の内」だ


では、幕の内のご紹介です。幕の内弁当ではなく「幕の内」と称するところが、いい感じです(^^♪

四万十川にかかる沈下橋の写真が載せられた掛け紙も用意されており、まさしく駅弁の風格を備えています。土佐くろしお鉄道のホームページを見ても、中村駅には駅弁があると紹介されていて、それがこの幕の内です。

中村駅の駅弁「幕の内」


容器も経木で出来ており、これぞ駅弁と言った風です。中身は幕の内のネーミング通り、雑多なおかずが詰め込まれています。でも、この雰囲気が最高です(^^♪

中村駅の駅弁「幕の内」


最初に、中村の幕の内を開封して食べてみたところを、動画でご覧いただきましょうか。中村駅で購入してから、その後に土佐くろしお鉄道の終点の宿毛駅まで移動して、近くのトレインビューホテル、ホテルアバン宿毛のお部屋に落ち着きながら、食べています。




改めて写真で見てみると、おかずがギッシリと詰め込まれています。何より、厚焼き玉子がデカすぎて、白飯側にはみ出してしまっています。強引に蓋をしたので、玉子焼きが少し潰れていますね。

中村駅の駅弁「幕の内」のおかず


白飯は、俵ご飯に青梅が乗せられています。お米の炊き方が上手でしたので、どんどんと食が進みました。やはり幕の内弁当はご飯が命です。美味しい駅弁は、共通してご飯が美味しいですね。

中村駅の駅弁「幕の内」のご飯


メインのおかずは、肉と魚と玉子。まさに幕の内弁当。そしてこちらは、トンカツです。ヒレカツになりますね。とんかつソースが付いていますので、それを軽く付けて頂きましょう。

とんかつ

とんかつソース


鶏の唐揚げです。至って普通ですが、それで良いのです。

鶏の唐揚げ


鯖の塩焼きです。幕の内弁当の鯖としては身が大きめであり、満足できます。かなりふんわりと柔らかい魚肉の、鯖の塩焼きだと思いました。パサつきが無いのが良いです。

鯖の塩焼き


そして、正真正銘の「厚焼き」玉子です。私は今回の幕の内の中で、圧倒的にこの玉子焼きを褒めたいと思いました。駅弁屋が作る玉子焼きは、どの業者も、子供向けに作っているのかと首をかしげたくなるほど砂糖をぶち込みます。

ところが中村の大八さんという調製業者は甘みを強くする事など一切せずに、卵本来の味をしっかりと感じられるほどのあっさり味で調理をしてくれています。これならば、このビッグサイズでも全く飽きずに最後まで美味しく食べられます。

ほんのりと出汁の味もしますし、加熱しすぎて固くなったり焦げたりもしておらず、ふわっと口の中で溶けるかのような塩梅に仕上がっている事もあって、「遥か彼方の中村まで幕の内弁当を食べに来てよかった」と大満足なのでありました。

厚焼き玉子


その他、副菜としては煮豆、漬物(しば漬け)、昆布煮、サツマイモ煮などが入っています。サツマイモは明確に美味しかったな。漬物に関しては、ラベル表示ではたくあんと書かれておりましたが、そのようなものは入っておらず、しば漬けなのでした。田舎によくありがちなパターンですね・笑。

これで、野菜やフルーツなどが入っていたら更に満足度が高くなるところではありますが、お値段は700円と、ボリューム感があるにもかかわらず安めに設定されています。駅弁が好きな人ならば、誰もが納得する内容ではないでしょうか。


購入データ(今回、私が購入した時の記録です)
購入場所 中村駅の改札口の脇の売店で購入。
購入日時 2018年11月28日、15時半に購入。(あらかじめ電話予約をしてから受け取っています)
価格 700円(税込み)
ラベル表示 中村駅の駅弁「幕の内」のラベル表示
製造・販売 有限会社大八
高知県四万十市中村一条通2-7
0880-34-1833
(ホームページはありません)

※予約方法は次の項の枠内の表記をご覧下さい。



2020年の春に食べた時の幕の内


中身に大きな変更はありませんが、再訪した際に購入した幕の内の写真も載せておきます。「中村駅長推薦」の表示もありました。コロナの影響を最も強く受けていたタイミングでの訪問であり、550円に値引きされていました。



中村駅の幕の内弁当


中身としては、厚焼き玉子がオムレツに変更になった点が、唯一の違いです。素朴な美味しさは相変わらずであり、このエリアに来たら何度でも食べたくなりますね(^^♪

中村駅の幕の内弁当



中村駅の駅弁売り場の情報まとめ


中村駅の駅弁売り場の情報です。下の写真は、中村駅の駅舎です。2014年に大規模なリニューアル工事を行っており、建築関係者から極めて高い評価を受けています。

中村駅の駅舎


駅舎に入って正面が改札口で(と言っても自由にホームに出入りできます)、改札に向かって左側の赤い枠の部分が、中村駅の売店です。ここに、各種のお弁当類が売られています。

中村駅の売店の場所


ガラスドアを開けて、売店を見たところです。手前にお弁当が売られています。左側に、待合スペースの木の椅子が見えていますね。非常にデザイン性に優れた空間であり、そこにいるだけで、アーティストの気分になります。居心地の良い駅だと思います。

土佐くろしお鉄道の中村駅の売店


待合スペースの写真です。(ガラガラなのはコロナの時に写したものだからです)

中村駅の待合室


売店を写したのが、下の写真。

中村駅の弁当売り場


上記のお弁当コーナーに接近して写真を撮ると、こんな感じです。上記では「寿司」と記載がありますが、私が訪問したのは水曜日で、水曜は寿司屋さんが定休日という事で、店頭にはお寿司はありませんでした。

中村駅で売られているお弁当


1つ上の項で紹介した駅弁としての「幕の内」以外に、別の業者がコンビニ弁当のような雰囲気のお弁当を販売しています。これらもまた、自然発生的な駅のお弁当であり、駅弁の一種とみなしても良いかもしれませんね。

中村駅で売られているお弁当


2020年の春の再訪の際の、同じ棚の商品の様子です。




お弁当コーナーには電子レンジも置かれていて、親切ですね(^^♪




今回の訪問では、次の項に記した通り、コンビニ弁当風の「鯛めし弁当」と、他に「たこ焼き」も買っています。それ以外で中村駅で売られているお弁当を写真に撮っておきましたので、以下に貼り付けておきます。

こちらも、幕の内弁当ですね。中村駅には、駅弁としての幕の内の他に、もう一つの幕の内弁当が存在する事になり、予約注文の際に混同しないようにして下さいね。業者は、大八さんとは別の「四万十フーズ」さんになります。

中村駅で売られている幕の内弁当


上と似ていますが、別の業者の「華かん」さんの彩り弁当です。これも幕の内風です。売店の人は「日替わり弁当がある」と仰っていたのですが、それは幕の内弁当なのか彩り弁当なのか、定かではありません。

華かん彩り弁当


上と同じく華かんの2種。カツカレーライスと鯛めしです。カレーライスに、「華かん彩り弁当」と表示されています。値段も同じ、400円です。どうなっているのか・笑。というか、400円って安すぎないか!?

中村駅で売られている華かんの弁当


上記の鯛めしにおかずを入れたのが、下の項でご紹介する鯛めし弁当です。ご飯だけの鯛めしは、280円なのですね。400円の彩り弁当とのバランスが取れていません。はははは。しかも値下げして180円とは、都会人から見ると仰天のお値段です。


購入データ(2018年11月28日に確認した時の記録です)
販売 土佐くろしお鉄道株式会社
高知県四万十市駅前町7-1
0880-35-4961
予約 駅弁「幕の内」などは電話予約が確実です。上記まで電話をすると駅につながり、そこから売店に電話を代わって下さい。売店の直通の電話はありません。
営業時間 午前6:45~午後5:30
(午前7:00~7:30は清掃のため休止)





その他に食べたお弁当(鯛めし弁当&たこ焼き)も簡単にご紹介


上記の280円の鯛めしにおかずを盛り付けたのが、鯛めし弁当です。なんと、おかずをこれだけ入れて、110円高くなっただけの390円と、驚愕のお値段です。コンビニ弁当よりも安いです。

中村駅の鯛めし弁当


盛り付けたおかずは沢山。煮物(高野豆腐を含む)、玉子焼き、ほうれん草のおひたし、蕪の漬物が添えられています。食べてみて分かるのは、これらのおかずは全て、手作りです。煮物が薄口でとても優しい味わい。素材そのものの味を強く感じられます。

おひたしは、正真正銘のおひたしであり、駅の弁当で野菜のしずる感のあるお浸しを食べたのは、初体験と言って良いと思います。当然、菜っ葉の味を濃厚に感じられて、野菜が不足しがちな旅人の体が、中から喜びにあふれるといった感じでした。決して大げさではなく。

中村駅の鯛めし弁当


鯛めしに関しては、流石に390円で鯛を大量に使う訳には参りませんから、このような状態でございます。鯛の出汁で炊いたと思われるご飯も、お値段以上ではありますが、あくまでも庶民の味といった風でございますね。おかずとセットで頂くからこそ、最高のお弁当という事になります。

中村駅の鯛めし弁当


改めて、全体写真を。田舎の素朴なお弁当と言った風情ですね。それにしても、高知でここまで薄味の煮物を頂けるとは思いませんでした。高知は味付けが濃いイメージだったので、それが覆されました。こういうものに出会えるから、地方ローカル線の旅は面白いのです。

中村駅の鯛めし弁当


いちおう、ラベル表示。原材料は、全て記載しているのではありません。地方らしいです。

中村駅の鯛めし弁当のラベル表示


もう1つ、たこ焼きを買ってみました。これもまた別の業者だったので、つい。「お好み焼き風車」さんの調製です。タコ焼き以外には焼きそばと、玉子焼き付きの焼きそばを売っていました。

中村駅で売られているたこ焼き


ホテルで、ビールをグビグビ飲みながら、たこ焼きを食べたのでありました。

中村駅で売られているたこ焼き


ただ、だいぶソースが多ございまして、ソースの海にたこ焼きが浮いているかの如くであり、ソースの味ばかり感じてしまいまして、これは要改善でしょうか。たこ焼きと言えば千葉の鴨川市の「たこ焼き北斗星」が美味しすぎたので、ちょっとそれと比較してしまいましたね。

中村駅で売られているたこ焼き


以上のように、土佐くろしお鉄道の中村駅では、旅人を楽しませてくれる「食」が豊富に有りました。パンもありましたし、カップラーメンもありました(お湯を入れる事ができます)。

そういったものを買って、始発の特急南風に乗車して、海を眺めながら食べるといった「食い鉄」も楽しいのではないでしょうか。もちろん売店では、地酒も豊富にそろえてあります。最高過ぎます。

土佐くろしお鉄道の中村駅

中村駅に停車中の特急南風・2000形


なお、各駅停車であっても、土佐くろしお鉄道はこのような立派なクロスシートの車両もありますから、駅弁食べながらローカル線の情緒に浸ることができますね。

土佐くろしお鉄道のクロスシート


こちらは終点の宿毛駅です。中村駅と宿毛駅の間は今後は特急の乗り入れもなくなるそうなので、ずいぶんと先端部分は「ローカル線の中のローカル線」になってしまいますね。

土佐くろしお鉄道TKT-8000形


このような、JRではない鉄道路線に駅弁が存在するのは珍しい事です。土佐くろしお鉄道には観光列車も走っていないに等しいですから、そんな鉄道に「豊かな食料」が用意されているのは本当に素晴らしい事であり、駅弁マニア的には称賛に値します。

・・・そういえば、この駅には以前、「こだわりの四万十うなぎ弁当」なる絶品駅弁があり、JR四国が行っていた駅弁選手権で金賞を受賞した事もあるほどです(2013年・今現在は駅弁選手権は開催していません)。

調製元の廃業によって「こだわりの四万十うなぎ弁当」は失われてしまいましたが、それでもなお、今のように駅でお弁当の販売を続けてくださるのは嬉しいです。

乗り鉄や撮り鉄の皆さんは、中村駅に足を延ばす事があれば、ぜひ改札口の隣の売店を覗いてみて頂いて、地元のお弁当をゲットしてみて下さい。駅弁は高いというイメージとはかけ離れた安いお弁当が沢山あって、旅人の胃袋だけではなく、懐までが温まる駅だと思います。


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