加悦SL広場に保存されていた車両を撮影した記録

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加悦SL広場訪問記(その2)・・・加悦SL広場に保存されていた車両たち

主に青春18きっぷを利用した「駅弁」と少し「呑み鉄」、そして時々「撮り鉄」の旅を名古屋からお届けします。今回は2020年3月31日限りで閉園となった加悦SL広場の訪問記です。


今回の旅行記は以下の複数ページに分けて紹介しています。興味関心のあるところをお読みください。




京都丹後鉄道の与謝野駅へ
⇒加悦SL広場に保存されていた車両たち(←今ここ
加悦SL広場・過去の訪問記録
加悦から名古屋に帰宅





加悦SL広場の展示車両-蒸気機関車


SL広場の目玉ともいえる2号機関車を始め、「国宝級」の機関車が展示されていました。今回は久々の訪問でしたが、その質と量に圧倒されました。

2号機(重要文化財のSL)と1261号機
左の1261号機は1923年(大正12年)製で簸上鉄道(現木次線)が導入した機関車です。右の2号機は官営鉄道大阪~神戸で使用された1973年(明治6年)イギリス製の機関車で、日本に2番目に古いSLとのことで重要文化財に指定されています。

アメリカ製の103号機関車
1915年(大正4年)アメリカ製の103号機関車は、長門鉄道(山口県)で活躍し、展示されていた宝塚ファミリーランドの閉園に伴い2003年(平成15年)に「加悦SL広場」へ移設されました。

C58 189
1946(昭和21)年製のC58 189は1975(昭和50)年に北見機関区で廃車となった後に、展示用として加悦鉄道にやってきました。

C57189
C57189は1946年(昭和21年)製で、1971年(昭和46年)に新津で廃車となり、「加悦SLの広場」で展示されました。

4号機関車
4号機関車は1921年(大正10年)に河東鉄道(現長野電鉄)が導入しました。





加悦SL広場の展示車両-ディーゼル機関車


「カトーくん」や「森ブタ」といった、ディーゼル機関車史上で伝説的といえる貴重な車両が展示されています。

カトーくん
1956年(昭和31年)製の「カトーくん」は万富駅や岡山駅の引込線で活躍し、1999年(平成11年)に加悦SL広場にやってきました。非常に美しく整備されています。

森ブタ
「森ブタ」ことDB201は1953年(昭和28年)製の加悦鉄道が自社発注した機関車で、動態状態で保存されています。貴重な古典的車両を目にすることができて…感無量です。

南部鉄道(1969年廃止)で活躍した1956年(昭和31年)製のディーゼル機関車
青森県にあった南部鉄道(1969年廃止)で活躍した1956年(昭和31年)製のディーゼル機関車で、1967年(昭和42年)に加悦鉄道入りし丹後山田駅(現与謝野駅)の北東にあった日本冶金工業㈱大江山製造所~丹後山田間の専用線で使用されたそうです。

日本冶金工業川崎製造所で使用された1968年(昭和38年)製のディーゼル機関車
日本冶金工業川崎製造所で使用された1968年(昭和38年)製のディーゼル機関車で、加悦鉄道廃止後の1991年(平成3年)に、「加悦SLの広場」の入換用として導入されました。



加悦SL広場の展示車両-ディーゼルカー


決して派手な存在ではありませんが、ローカル線の古い写真の中でしたお目にかかれない車両が展示されていて、とても感慨深いです。

キハユニ51
キハユニ51は1936年(昭和11年)に芸備鉄道が導入した荷物台付の大型車両で、舟木鉄道を経て1962年(昭和37年)に加悦鉄道へ移籍しました。キハとして使用されましたが、1993年(平成5年)にキハユニとして復元されたそうです。

キハユニ51の車内
古民家のような味わいの車内です。古いながらも手入れが行き届いています。

キハ101
キハ101は1936年(昭和11年)製の加悦鉄道生え抜きの車両で、片ボギーという点が特徴です。動態保存されていて、そのご尽力には頭が下がるばかりです。

キハ083
オハ62を気動車化し北海道で活躍したキハ083です。1971年(昭和46年)から1985年(昭和60年)の廃止まで加悦鉄道で活躍しました。加悦鉄道といえばこの車両の印象が強いです。

キハ1018
1956年(昭和31年)製の元国鉄キハ1018は、1980年(昭和55年)から1985年(昭和60年)の廃止まで加悦鉄道で活躍しました。この車両は状態が厳しいように見受けられました。



加悦SL広場の展示車両-客車、貨車


状況によっては早々に朽ちてしまいそうな木造車両が、良好な状態で保存されています。

ハ10
ハ10は1925年(大正15年)製の客車で、加悦鉄道創業時から1968年(昭和43年)まで活躍しました。

ハブ3
1889年(明治22年)ドイツ製のハブ3は伊賀鉄道が導入した客車です。なかなかお目にかかることができない国宝級ともいえる貴重な古典的木造客車が良好な状態で保存されていて、その努力と見識に重ね重ね頭が下がります。

ラッセル車キ165
ラッセル車キ165は1938年(昭和13年)製で、国鉄山陰本線、舞鶴線、宮津線で活躍し、1981年(昭和56年)から「加悦SLの広場」で展示されています。

車掌車ヨ2047
1937年(昭和12年)製の車掌車ヨ2047も、綺麗な状態で保存されています。

車掌車ヨの車内
駅舎に転用された後の「貨車駅」では馴染み深いものの、車掌車の車内を実見する機会はなかなかありません。



加悦SL広場‐その他の展示物


復元駅舎2階からSL広場を眺めます。

加悦SL広場
ホームやターンテーブルがあり、リアルな配線も相まって本物(?)の鉄道施設のようです。

復元駅舎内の展示室
復元駅舎内の展示室です。加悦鉄道に関する資料は旧加悦駅舎の「加悦鉄道資料館」に集約されているそうですが、こちらにも貴重な資料が美しく展示されています。


入場券売場も往時の様子を再現しています。

元東急の電車だったサハ3104
元東急の電車だったサハ3104は1925年(大正14年)製で、加悦鉄道では客車として使用されました。ここではカフェとして利用されましたが、一足先に閉店となっています。

京都市電5号車
京都市電5号車は1911年(明治44年)製で、宝塚ファミリーランドで展示されていましたが、閉園に伴い2003年(平成15年)に「加悦SL広場」に移設されました。貴重なN電ですが、痛みが激しいようです。

閉園間近ということで、多くのお客さんで賑わっていました。私は展示車両が貴重で比類なきものばかりで、この上なく感動しました。とともに閉園になる前にもっと訪問しておけばと、激しく後悔もしたのでした。これはまさに痛恨のミスです。

一部車両を除いて、比較的良好な状態で保存されているという印象を受け、この状態のまま、少しでも多くの車両が場所を変えて保存されることを願うばかりです。





旧加悦駅へ


晴れ時々雨という変わりやすい天気ですが、ちょうど日が射してきたので、旧加悦駅舎の「加悦鉄道資料館」まで歩くことにします。




「加悦SL広場」(大江山鉱山駅跡)から「加悦鉄道資料館」までは約2.5㎞で、加悦鉄道の加悦~丹後山田(現与謝野)間の廃線跡を含めて、サイクリングロードとして整備されており徒歩でも安全に通行することができます。

桜内駅跡
加悦から大江山鉱山の貨物線は1945年(昭和20年)の鉱山閉山で休止されました。正式な廃止は加悦鉄道と同じ1985年ということで、後年まで線路は残っていたようです。写真は加悦と大江山鉱山の中間地点に設置予定だった桜内駅跡で、旅客線化は実現されず幻の駅となっています。

旧加悦駅舎の「加悦鉄道資料館」
2001年(平成13年)に曳家工法により移転し向きも180度変わり修理された旧加悦駅舎の「加悦鉄道資料館」です。与謝野町役場加悦庁舎の対面にあります。

国鉄宮津線丹後山田駅(現与謝野駅)にあった通票閉塞機
国鉄宮津線丹後山田駅(現与謝野駅)にあった通票閉塞機が展示されています。その他、加悦鉄道の資料が充実していて、入場無料ながら一見の価値ありです。

加悦鉄道の記念乗車券
加悦鉄道の記念乗車券や、加悦SL広場を紹介する冊子などが販売されています。

加悦駅を再現した模型
加悦駅を再現した模型です。現在は与謝野町役場加悦庁舎の敷地となっています。加悦鉄道としては廃止されたものの、廃止前とほぼ変わらない姿で「加悦SLの広場」として営業していた1992年に私は訪問していて、模型ながらとても懐かしく思いました。


加悦SL広場・過去の訪問記録


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