解体される歴史ある電気機関車を見るために「近江鉄道電気機関車特別イベント」に

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「近江鉄道電気機関車特別イベント」@近江鉄道ミュージアム・・・解体を前にして

主に青春18きっぷを利用した「駅弁」と少し「呑み鉄」、そして時々「撮り鉄」の旅を名古屋からお届けします。

旧型電気機関車を保有していることで知られている近江鉄道ですが、維持管理困難との理由で、機関車たちが順次解体されることになりました。これに先立ち、2017年12月16日(土)に撮影会が実施されましたので、ご報告します。





なお、今回の近江鉄道ミュージアム訪問の記録は、前半の機関車の撮影と後半の留置車両の撮影などを、ページを分けて掲載しています。ご興味あるところをご覧ください。

⇒「近江鉄道電気機関車特別イベント」@近江鉄道ミュージアム(←今ここ
近江鉄道ミュージアムの見学など・昔の写真も

参考近江鉄道700形「あかね号」の撮影記(2019年の訪問記)





ED14形電気機関車


近江鉄道の旧型電気機関車は春から秋にかけて月1回程度、彦根の近江鉄道ミュージアムで公開されます。末永く保存されると思い込んでいたため、順次解体とは衝撃の知らせです

解体を前にして、「近江鉄道電気機関車特別イベント」と称して、近江鉄道ミュージアムにて撮影会が実施されました。当日は生憎の曇天でしたが、落胆の気持ちを抑えきれないまま、取り急ぎ彦根へ出動した次第です。

名古屋を10:30に出発、米原駅で駅弁をいただき(後述)、彦根駅に到着したのは12:35でした。 午前10時からの開催ということで、既に会場は多くの方々で撮影活動をされています。

彦根駅連絡通路から撮影した近江鉄道ミュージアム
彦根駅連絡通路から撮影した近江鉄道ミュージアムです。全部で10台の電気機関車が、留置されていました。(撤収時、14:10頃に撮影)

ED14形(近江鉄道ミュージアム)
1926年(大正15年)アメリカ製で、国鉄東海道本線に導入されたED14形は4両あります。幹線用電気機関車としては草創期のもので、非常に貴重な存在です。1962年(昭和37年)~1966年(昭和41年)にかけて近江鉄道に転入、1984年(昭和59年)まで、彦根~多賀間の石灰石輸送列車に活躍しました。

ED14の1号機
ED14の1号機です。貨物列車廃止後も除雪用等に使用するため、後年まで稼働状態にあり、イベントで動いている姿を見たことがあります。他の機関車に比べるとまだ状態は良いように見え、何とかこの1台だけでも保存していただきたいものです。

ED14の2号機
ED14の2号機です。車体は厳しい状態です。

ED14の3号機
ED14の3号機、この車両も状態は良くありません。

ED14の4号機
国鉄色に復元されたED14の4号機です。1号機とともに貨物列車廃止後もしばらくは車籍を有し、稼働状態にありました。


参考彦根駅すぐ近くのトレインビューホテル・東横イン彦根駅東口





ED31形電気機関車や、ロコ1101号など


装甲車のような外観のED31形は5両あり、1923年(大正12年)製で、当時としては大型の国産電気機関車です。現在は飯田線の一部となっている旧伊那電気鉄道が導入しました。

ミュージアムの外に留置されているED31形の1、2、5号機は先行して、12月中に解体されるとのことです。もう少しで100歳ですが、残念!

ED31の1号機
ED31の1号機です。

ED31の2号機
ED31の2号機です。状態は悪いです。

ED31の3号機
貨車を連結して、工事列車を再現したED31の3号機です。この車両は貨物列車廃止後も保線用で使用されていたので、保存状態が良さそうです。何とか1~2台は残せないか、祈念するのみです。

ED31の4号機
「汽笛鳴動、ブレーキ操作」体験ができたED31の4号機です。この体験は定員制で整理券を開場時に配布とのことで、当然ながら既に整理券配布は終わっていました。なおこの4号機も、貨物列車廃止後に保線用で使用されていました。汽笛の音は、下記の動画にて。




ED31の5号機
ED31の5号機は屋根が落ちそうで、かなり厳しい状態です。

ロコ1101号
JR阪和線の前身である阪和電鉄が1930年(昭和5年)に導入したロコ1101号です。窓の形状(枠のR)に、阪和電鉄の電車と共通の意匠が感じられなくもありません。この機関車もお宝です。


取り急ぎ、近江鉄道に眠る10台の電気機関車をご紹介しました。近江鉄道からの今回のイベント案内には、電気機関車の継続的な維持管理が困難として、12月のED31形3両を皮切りにして順次解体していくと記されています。

冒頭でも申し上げたとおり、立派な鉄道ミュージアムがあることもあり、保存しているものと勝手に解していました。そのため、今回の「解体」の報は驚きで、言葉を失いました。

近江鉄道ミュージアムは過去に何度も訪れていますが、確かに電気機関車の状態は悪化する一方で、特にED31のうちの3両の現状は、かなり厳しい状況なのは素人でも理解できました。

お金がかかる事なので簡単ではないでしょうが、鉄道博物館入りしても遜色ない国宝級の電気機関車、何とか1~2台だけでも残すことが出来たらと、切に祈る次第です。



近江鉄道電気機関車特別イベントのマップマップ


こちらのマップは、当日配布されたものです。




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