たっぷり赤牛牛めし弁当(南阿蘇鉄道)を食べてみた記録

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たっぷり赤牛牛めし弁当(南阿蘇鉄道・南阿蘇白川水源駅)・・・入手困難さが凄い

全く電話に出てくれず、事実上、予約不可の駅弁


この駅弁は、入手の難易度の高さでは、日本有数だと思われます。熊本の大きな地震で、南阿蘇鉄道の「入り口」にあたる立野駅と中松駅の間が現在でも不通となっており、「末端」区間の中松から高森駅までが運転を再開したものの、公共交通機関で南阿蘇に立ち入るのは至難の業です。

また、復旧したと言っても1日に各駅停車が3往復のみですから、時間を合わせるだけでも困難が伴います。更には、駅弁が売られるのは途中駅の南阿蘇白川水源駅で、数少ない列車を捨てて、この駅で途中下車せねばなりません。

まだあります。駅弁の販売は土日祝日のみとの事で、販売開始は11時からとなります。これではあまりにもピンポイント過ぎて、駅弁を買うのが目的でないと、とても訪問できません。

南阿蘇白川水源駅


しかし、駅弁マニアを自称する当サイト管理人としては、南阿蘇鉄道の応援と共に、何としても南阿蘇白川水源駅の駅弁、たっぷり赤牛牛めし弁当を入手したいと思いました。

たっぷり赤牛牛めし弁当の案内


今回の訪問では、行きは中松駅から気動車に乗って高森駅まで乗車、折り返しは人気のトロッコ列車「ゆうすげ」号に乗って中松駅に戻り、バスで南阿蘇白川水源駅に移動して、駅弁を買い求めようという計画を立てました。旅行日も、駅弁販売のある土曜日に設定しました。

それでも、わざわざ関東から南阿蘇まで出かけて、駅弁を入手できなければ、全く意味が有りません。そこで、牛めし弁当の販売駅であり、調製元でもある南阿蘇白川水源駅の駅カフェ「?利伽羅」に電話予約をしようと思いました。

しかしです。5回10回と、日を改めたりして電話をしても、一向に電話に出てくれません。旅行前日まで掛け続けましたが、予約する事は叶わず、入手不可能の恐れも覚悟して、現地訪問としました。

旅行当日、トロッコ列車の乗車券を購入する際に、高森駅の駅員さんに駅弁の事を聞いてみました。すると、販売はしているとの事でした。ただ、電話が通じない件については、「カフェ以外の仕事もやっていらっしゃるので、応対できない事もある」との事でした。

また、駅弁の販売は土日に常に行われるわけではなく、稀に、休止する事もあるそうです。という事で、電話を取ってくれなければ、マジで現地に行かないと分からないという、現代のニッポンでは有り得ないような状況になっています・苦笑。(でも、私はこういうのは嫌ではない。ははは。)

高森駅からトロッコ列車に乗車して、駅カフェの営業があるのかどうかを車内から確認して、営業しているようならば後ほど駅に立ち寄って駅弁を購入すると決意して、トロッコ列車の客となりました。





なんと!トロッコ列車到着に合わせて、まさかの立ち売りが行われていた!


乗車したトロッコ列車を、高森駅や途中駅の周辺で撮影もしております。こんな列車に乗っておりますので、ご覧頂ければと思います。そして、このトロッコ列車が南阿蘇白川水源駅に到着した瞬間、「まさか!」と目を疑う事になりました。事前に、そんな情報は全く聞いていなかったからです。




何と、カフェ?利伽羅のご主人が、まさかの駅弁の立ち売り販売です。てっきり店内で販売しているのかと思ったら、トロッコ列車の到着に合わせて、ホームで販売していたとは。

トロッコ列車の車掌さんも、「名物駅弁を販売しています!」とアナウンス。乗客たちは駅弁の存在など全く知りませんから、最初はキョトンとしていましたが、私が「うおー!買います買います!!」と告げて車外に降りてご主人から買い求めると、他の客も「私も私も」と後に続いてくれて、恐らく完売されたのではないかと思います。

カフェ?利伽羅のご主人による、たっぷり赤牛牛めし弁当の立ち売り販売の様子


上の写真は、ニヤニヤしながら駅弁を買い求める当サイト管理人の姿です。買った弁当を、大事に抱えています・笑。チラッと、ご主人のご子息と思われる、イガグリ頭のチビッ子が写っています。

ご主人は鉄道ファンでも何でもなく、山屋です(登山が大好きな人という意味)。いかにも山屋らしい精悍な顔つきと、イガグリ坊主のチビ助との組み合わせも、個人的には微笑ましくて最高でしたね。ちょこまかとお手伝いする様は、なかなか絵になりました。

手にした駅弁は、作りたてのホカホカです。早速トロッコ列車の車内で開く人もいて、たくさん売れて良かったなあと心から思いました。

たっぷり赤牛牛めし弁当


外観写真を2枚。まず上は、買った時のそのままの写真です。掛け紙の上に1枚、駅弁の案内の紙が乗せられ、そして輪ゴムで閉じられています。ちょっと、面白いスタイルです。

上の紙を取ると、このように「本当」の掛け紙が出てきます。どなたのデザインなのか、非常にのどかな阿蘇の南郷谷の沿線風景です。癒されますね。

たっぷり赤牛牛めし弁当


この商品、南阿蘇鉄道駅弁プロジェクトとして、ロバート馬場さんのプロデュースした商品である事が書かれています。私はテレビを見ないので存じ上げていないのですが、Wikipediaを見ると、今話題の吉本興業に所属している、料理の得意な芸人さんなのですね。ただ、Wikipediaには南阿蘇鉄道の駅弁を作り上げた事は記されていなくて、少々寂しいなと・・・。

でも、YouTubeに、当時(といっても2017年4月)に駅弁が出来上がった時の記録が、まだ残っていました。雰囲気がよく分かりますね。これを、貼り付けておきましょう。当初は2017年5月7日までとされていた駅弁の販売が、2019年においても継続されており、大変うれしいですね。




下は、南阿蘇白川水源駅の待合室です。奥側に、カフェ?利伽羅が見えています。トロッコ列車の復路を見送ってしばらくしてから訪問してみたものの、早々に閉店していました。

本来ならばカフェ?利伽羅で購入して、この待合室で駅弁を食べる予定でした。土日祝日の11時から17時までが営業時間とされていますが、閉まっている事もあるのでしょう。

南阿蘇白川水源駅の待合室


購入データ(2019年6月時点のデータです)
購入場所 南阿蘇鉄道の南阿蘇白川水源駅の立ち売りから購入。
購入日時 2019年6月1日、午前11時40分に購入。(トロッコ列車のゆうすげ2号の到着に合わせて販売)
価格 1300円(税込み)・・・売り上げの一部が南阿蘇鉄道の復興義援金となるようです。
ラベル表示 たっぷり赤牛牛めし弁当のラベル表示
製造 記載なし。カフェ?利伽羅で調製しているのか、あるいはご主人の自宅で作っているのか、はっきりしません。
ホームページ 駅弁の販売に関するホームページはありません。南阿蘇鉄道のホームページにも記載が無いので、ちょっと不親切です。目立つところに記載して欲しいと思います。
電話番号 0967-62-0355(カフェ?利伽羅の電話番号ですが、ほぼ電話に出ない模様です。予約は困難です。)





九州らしい、濃厚で力強さを感じる味わい


それでは、食べてみた時の画像から。こちらの写真は、購入当日の夕方前の画像です。ご飯の上に阿蘇赤牛の甘辛の牛肉煮がたっぷりと乗せられています。

クレソンの葉はしなびやすいので、調製直後に食べないと、これは仕方がないですね。高菜漬けや生姜などが少々散乱しているのは、購入後に南阿蘇鉄道の駅カフェ巡りをして、だいぶウロウロと歩いたからです。他に、煮卵と椎茸煮が乗っているのが分かります。

たっぷり赤牛牛めし弁当


牛肉は、割合としっかりとした歯ごたえなのが特徴です。少し、固ささえあるほどです。食べた直後は強めの甘辛味が響いてきますが、その後に噛めば噛むほどに牛肉の旨みがじわじわと染み出てきて、全く旅人を飽きさせない味です。

たっぷり赤牛牛めし弁当


驚くのは、ご飯にクレソンがまぶされている点です。最初は高菜かと思いましたが、歯ごたえが異なるので、「何事か?」と思いました。体験した事の無い風味でしたので。




そしてラベル表示を見て、これはクレソンなのかと驚きました。クレソンは牛肉の上に乗っているだけなのかと思っていましたから。どうしてクレソンなのかというと、阿蘇の清らかな湧き水でクレソンが育つからだそうで、こういう混ぜご飯は、普通の人には思いつかない技ですね。




食べ終わって、竹皮で丁寧に作られたお弁当箱に感心しました。これは、色々な用途に繰り返し使えるのではないでしょうか。まるで工芸品を眺めているような気持ちになりました。

たっぷり赤牛牛めし弁当の駅弁の容器


下記、長陽駅でたっぷり赤牛牛めし弁当を食べ終わって、まったりしている名古屋の撮り鉄氏です。彼の感想は、「米沢の駅弁の牛肉どまん中に似ている味だね」との事で、私もそれは同意です。つまり、どなたからも愛される味であると言えますね。

長陽駅のホーム


南阿蘇鉄道では、現在のところ、駅弁を販売しているのは南阿蘇白川水源駅のみです。かつては高森駅でも駅弁の販売があったとの事ですが、現在は売店があるのみです。(掛け紙だけ表示)

沿線には、魅力あふれる南阿蘇鉄道の駅カフェがいくつもありますので、それらがお弁当の販売も行ってくだされば、より魅力たっぷりになるのですが・・・。

南阿蘇鉄道の高森駅で売られていた駅弁「とり飯」


南阿蘇鉄道では、震災による不通区間の開通が、なんと2022年に予定されているそうです。ここまでこぎつけた関係者の努力と熱意には、本当に頭が下がる思いです。全線開業の暁には、再度南阿蘇鉄道を訪問して、たっぷり赤牛牛めし弁当をほうばりながら、阿蘇の白川の急峻な眺めの車窓風景を楽しみたいと思っています。

参考豊肥本線のトレインビュー・ホテルサンロード熊本(三里木駅)


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