柳がれい寿司（新潟駅）を食べた記録

柳がれい寿司・・・これまた、とんでもなく美味しい駅弁が登場したものです。「にいがたブランド」を冠した駅弁で、新潟県村上市の岩船港に水揚げされる柳がれいだけを使用した商品のようです。

駅弁の外箱の説明によると、小ぶりの柳がれいに岩船の街で中骨を除去する加工を施して、それを駅弁調製業者の新発田三新軒さんが素揚げにして塩を振っただけの、シンプルな味付けにして駅弁にしているそうです。新潟県の駅弁売り場で購入する事が出来ます。




蓋を開けた時は、一瞬、そのシンプルさに驚きますが、よくよく眺めてみると、シンプルな中にも計算された部分があると感じます。例えば、単に柳がれいの素揚げをご飯に乗せただけでなく、皮の部分と身の部分を交互に乗せて、色調に変化を加えています。

そして、商品の外箱には（目立たないラベル表示以外は）一切記されていない、海老の素揚げが中心部分にドンと乗っかっており、赤い色合いが柳がれい以上に印象的で、一種のサプライズとなります。

余計な副菜などは入っておらず、同じく色合い的に良好な効果を与えている赤カブ漬けに、甘酢生姜だけです。「あ、これはよほどカレイに自信があるのだな」と、ピンと来ますね。




素揚げにした香ばしい香りが漂うこの駅弁、間違いなく美味しいに違いないと直感が働き、そして実際に食べてみた感想を、以下の動画に記録しています。このお弁当の持つ雰囲気を、どうぞ感じ取って頂ければと思います。

購入データ
購入場所	東京駅の駅弁屋祭で購入。
購入日時	2019年11月13日に購入。
価格	1250円（税込み）
ラベル表示
製造	株式会社新発田三新軒 新潟市秋葉区新津本町1-2-43 （販売は株式会社三新軒） 会社としてのホームページはありません。 ⇒食べログでの評価はコチラからご覧になれます

柳がれいの素揚げから酢飯に至るまで、全てにおいて考え抜かれた駅弁だと思う

駅弁の外箱が縦構図となっているので、つい中身も縦で眺めてしまいますが、こうして横にしたほうが食べやすいですし、魚の向きからするとこちらが自然な感じがします。



海老の素揚げの部分です。頭から尻尾まで、サクッと全て食べる事が出来ます。すぐに、お酒が飲みたくなる感覚です。ビール、あるいは日本酒を一献傾けたくなりますね。




柳がれいの素揚げの部分です。揚げたてではないのに、一定程度のサクサク感が残っているのには感心しました。さすが、この駅弁屋は数々の最高レベルの商品を登場させている業者だけあります。超有名どころではえび千両ちらしを作っている業者なので、間違いありません。




素揚げで、白身の側を見ます。そしてこれを食べる。骨がほとんど取れているので、全てペロリと平らげる事が出来ます。高級魚だけあって、癖がなくて、何の抵抗もなく口の中から胃袋にカレイが入ってゆく感じでした。




この駅弁は、柳がれいや海老の素揚げ素揚げだけではなく、酢飯の部分にアッと驚く隠れた美味しさがありました。単純に酢飯で食べさせるのではなく、ご飯の上にはちりめんじゃこや野沢菜、オキアミ、胡麻がまぶしてあるのです。

一瞬、「まさかふりかけご飯じゃないだろうな！？」と嫌な予感もしたのですが、さすが新発田三新軒さん、そんなゲスな事はしません。よくよくイメージすると、酢飯と素揚げは必ずしも味が馴染まないような気がします。

そこで、新発田三新軒は酢飯をかなりあっさりとした味わいにして、そこにちりめんじゃこなどをまぶす事で複雑な味わいの変化を加えて、酢飯と素揚げを見事に融合させています（人によって、酢飯だと気が付かない人もおられるようです）。この工夫が、私は一番感動しました。こういう隠れた部分のひと苦労が、美味しい駅弁を作り上げるのです。




添えられている漬物や生姜も写しておきます。「ありきたりな駅弁業者」だと、ここに安直に煮物などを置いたりするものですが、素揚げの様なやや油っぽい食品には、これが一番です。しかも素揚げにはレモン汁をかける事もできますので、思ったよりもさっぱりとした食後の感覚となります。




私は、この駅弁を食べる少し以前にくるまえびとさんまのすしあわせを頂いており、感動した記憶がまだ新しい状態でした。果たして感動がそう簡単に連続するものなのだろうかと懸念しておりましたが、それは良い方向に裏切られた事になります。

今は新潟駅まで出向かなくても、東京駅の駅弁屋祭グランスタ店で、新潟駅弁が売られることが多くなりました。見掛けた際には、柳がれい寿司だけでなく、他のお弁当も楽しみたいところです。