南会津おふくろ弁当(会津田島駅)を食べた記録

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南会津おふくろ弁当(会津田島駅)・・・南会津地方の郷土料理が満載で感動

会津鉄道の会津田島駅は、1日平均の乗車人員が2000年度は490人、2015年は260人と著しく少なくて、しかも15年でおよそ半減しています。会津鉄道の輸送人員自体、2000年は90.5万人だったのが2013年には55万人と、惨憺たる状況です。

そのような中、会津田島駅に3種類もの駅弁が存在するとなると、判官贔屓で、無駄に買いに行きたくなるのが駅弁好きとしての人情というものです。(細かく言うと4種類で、コンビニ弁当風のお弁当も含めると、もう少々あります)。

今回、駅弁を買う以外は無目的で車を走らせ、会津田島駅でその3種類の駅弁を買いました。どれも非常に良く出来た駅弁だと感動する中、最も郷土色が豊かだなと感じたのが、南会津おふくろ弁当です。

南会津おふくろ弁当


笹の葉風の紙で包まれた駅弁。掛け紙やそれを結わく紐の雰囲気も抜群です。旅情を感じる駅弁と言えますね。果たしてどんな中身なのか、動画にも記録しています。文字を見るよりも映像を好む人は、以下の動画をご覧ください。




購入データ
購入場所 会津田島駅の改札前の売店「駅の店やまびこ」にて。
(その隣にあるより大きな売店の「やまなみ」ではありませんので、注意してください)
購入日時 2020年4月21日、午後3時過ぎに購入。
価格 1000円(税込み)
ラベル表示 南会津おふくろ弁当のラベル表示
製造 福島県南会津郡南会津町田島字寺前甲2923
弁当のかど家
0241-62-2468
https://www.facebook.com/kadoyabentou
(Facebookページですが、更新はほとんどありません)

食べログでの評価を確認する場合はコチラ
販売 会津田島駅・駅の店やまびこ
電話:0241-62-0065・・・予約はこちらの番号です。会津田島駅の駅員が電話に出て、売店に繋いでもらう方式です。
時間:8:00~18:30
(ホームページはありません)

食べログでの評価を確認する場合はコチラ





郷土料理をメインにして、何気なく考え抜かれたセンス抜群の駅弁だ


蓋を開けると、思わずほっこりしてしまうのが、おふくろ弁当です。この盛り付け方は、都会の駅弁とは異なる独特のセンスを感じますね。無造作に置いただけでは、このように美しく盛る事はできません。掛け紙の裏側がお品書きになっていましたので、それと見比べて頂ければと思います。

南会津おふくろ弁当

南会津おふくろ弁当のお品書き


まず真っ先に目が行くのが、掛け紙にも大きく記されていた、「しんごろう」です。お品書きを見る前に中身を眺めて、「何故、会津の駅弁にハンバーグが入っているのか??」と早とちりしてしまうほど、見た目は肉のかたまり風です。




しかし、実態はご飯のお料理です。ライスを半づきにして丸くして、そこにえごま入りの味噌を塗って焼いたものだそうで、しんごろうという若者が母に食べさせたという由来があるから、「しんごろう」という名称になったのだそうです。

味わいとしては素朴そのものであり、胡麻入りの味噌を付けて焼くという事で、日本各地で見られる五平餅の、南会津バージョンと捉えて良いでしょう。まん丸く串に刺してあるため、扁平に食べやすくなった五平餅よりも食べづらく、口の周りにタレが付着しますね・笑。




ご飯ものは、他に2種類入っています。1つが、青じそおにぎりです。これもまた素朴そのもので、ほんのり香る青じその風味が、とても良いです。ご飯の中には、地元産の梅干しが入っています。変に主張するような味わいのおにぎりではないので、おかずによく合います。

青じそおにぎり以外では、稲荷寿司が入っています。




郷土料理として、にしんの山椒漬けが最高でした。身欠き鰊を山椒の葉を入れたつけだれに漬け込んだもので、会津田島の祇園祭のおもてなし料理との事です。

私は別に身欠き鰊が大好物という訳ではないので、大量に出されると食べるのに難儀しますが、この控えめな分量で、更には山椒で独特の味付けをされていると、格段に美味しく感じます。身欠き鰊特有の変な固さも無く、たいへん食べやすいニシンの料理なのでした。




郷土料理としてもう1種類、大いに感心したのが、本ぜんまいと打ち豆の煮物です。山菜を副菜(あるいは主菜)としている駅弁は多々ありますが、その大半は、山菜加工工場から仕入れてきて、ただ乗せただけで素っ気なく、風味などほとんど失われたワラビが主体の山菜だったりします。

それに対して、まず、ぜんまいを山菜として使う事例は、他に知りません。そして、ぜんまいを手料理で食べた事がある人なら分かると思うのですが、この駅弁のぜんまいは、出来合いの物を適当に買ってきたような代物ではありません。

青豆を木づちでつぶした冬越えのための保存食という事で、豆を潰した感じもまさに手作業を思わせるものでしたし、豆と一緒に優しく煮込まれたぜんまい本来の味わいには、個人的にかなり感銘を受けました。この駅弁は尋常ではないと叫びたくなるような一瞬なのでした。たかが、ぜんまいなのに。




私は、鶏の唐揚げが大好物です。嬉しいことに、それが1つ。単に唐揚げとするのではなく、塩?で旨みが増しています。片栗粉リッチな唐揚げとなっていて、気に入りました。「塩?の鶏の唐揚げ弁当」が売られていたら、駅弁ではなくて街のお弁当だったとしても、買いたくなりますね。




最後にもう一度、全体像をご覧ください。蒲鉾が入り、自家製らしい厚焼き玉子が入ります。この厚焼き玉子も美味しかった。

そして、4月~10月は南会津産のアスパラを使った天ぷらが入り、10月~5月にかけては、右端にちょこんと見えていますが、舘岩特産の赤カブ漬けが入ります(舘岩とは、会津高原の近辺にある地名です)。

私が南会津おふくろ弁当を買ったのは5月です。という事は、4月と5月、10月の3か月間限定で、アスパラと赤カブ漬けの両方を楽しめるという事になり、「何かラッキー!」という気分でした。

なお、このアスパラの天ぷら、アスパラ自体がとても濃厚な味わいであり、衣が上手に揚がっているという事もあるでしょうが、醤油や塩などを付けなくても、素材の味だけで十分に美味しかったです。

南会津おふくろ弁当


という事で、かように感動しながら食べた、南会津おふくろ弁当なのでした。この駅弁、残念ながら、会津鉄道の公式サイトでは、お座トロ展望列車内で食べるための予約、つまり、車内販売での予約は受け付けていません。

予約が可能なのは、松茸二段弁当と幕の内弁当祇園祭の2種類になります。恐らく、それら2種類の調製元の緑屋さんは年中無休で調製の対応を行っているのに対し、南会津おふくろ弁当を調製する弁当のかど家さんは、盆暮れ正月などはお店が休みとなります。

会津鉄道としては、繁忙期に駅弁を積み込めなくなるのは困るという事なのでしょう

会津田島駅で買い求める場合で、必ず入手したいという人は、駅の売店に電話予約が可能ですので、本ページ中段の、予約先の電話番号を確認ください。この場合でも、盆暮れ正月は、南会津おふくろ弁当だけが販売はありませんので、その点は致し方ありません。次回のチャンスを狙いましょう。


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