牛肉弁当（塩尻駅）を食べた記録

山梨から長野県にかけての駅弁というと、小淵沢駅の丸政さんと松本駅のイイダヤ軒に注目が集まり、その途中の塩尻駅のカワカミの駅弁は、スルーされる事がほとんどです。

だからなのか分かりませんが、明治40年に創業した老舗のカワカミは、2019年に松本市の一大飲食店網を持つ王滝グループの傘下に入り、再出発しています。（駅弁には創業は明治40年と書かれていますが、王滝グループのホームページには、明治23年の創業とされています。）

カワカミの駅弁はとりめしが有名で、個人的には隣町の松本のイイダヤ軒よりも美味しさは一段上だと思っており、松本駅の駅弁売り場「駅弁あずさ」で両者の駅弁が売られていると、ついカワカミに手が伸びてしまいます。

その中でも、個人的に特に美味しくてリピートしたくなるのが、この牛肉弁当です。「信州」の文字が添えられている通り、信州産の和牛が使われており、牛肉系の駅弁としては出色の出来です。




非常にレトロ感も感じる外箱。かつては1000円を切る価格で買えたものですが、今回購入した2020年4月時点で、1100円と若干の値上がりをしています。それにしても、いつ頃から販売されているのか、資料が無いのではっきりしません。

外箱を開封すると、このように、シンプルイズベストな内容。「ご飯、肉、野菜、デザート、以上！」といった風な潔さは、この種の牛肉弁当にはときおり見られるスタイルです。米原駅の牛肉弁当や松阪駅のすき焼き弁当などと見比べてみると、分かると思います。




牛肉弁当を食べた感想は、以下の動画をご覧になっても分かります。本ページのコンテンツと合わせてどうぞ。

購入データ（今回、私が購入した時の記録です）
場所	塩尻駅構内の「喫茶店みどり」にて。
日時	2020年4月9日の正午ごろに購入。
価格	1100円（税込み）
ラベル表示
製造販売	株式会社王滝 お弁当のカワカミ 塩尻市大門八番町9-36 0263-52-1234 食べログでチェック （公式ホームページはありません）

個人的に、塩尻駅では最もリピートしたくなる駅弁と言える

まず、何と言っても牛肉の美味しさ、そしてボリュームに高評価です。一見すると牛肉煮のように見えますが、ラベル表記によると牛焼肉と記されています。その焼肉の下には、糸こんにゃくとゴボウ煮が敷かれています。脇には煮卵とポテトフライ。




この、牛焼肉のコッテリ感がたまりません。当然、味わいとしては濃いのですが、決してしょっぱい訳ではなく、牛肉の旨みを活かしきった味付けだと思います。そして、口の中で広がるような柔らかな牛肉であり、満足感が半端ないです。

お隣の松本駅に、この牛肉弁当に相当する信州あずみ野弁当なる駅弁が有るのですが、とてもとても、塩尻の牛肉弁当とは比べようもない駅弁です。両者で迷ったら、絶対に塩尻の牛肉弁当ですね。




牛肉と同時に、非常に嬉しく思う部分が、生野菜とフルーツです。駅弁に生野菜を入れるのは、これを長い時間持ち歩いたりする人がいる可能性がある関係上、大半の駅弁業者は御法度に近いこととして、忌み嫌います。

しかし、山梨～松本にかけての3つの駅弁業者では、生野菜を大胆に入れる駅弁がいくつかあります。この牛肉弁当もそうで、これは旅人にとっては有難いことです。




和風弁当を銘打っているので、ドレッシングも和風になります。フルーツはオレンジが入っています。季節によって若干の変更があり、リンゴが入ったりします。




ご飯です。梅干しを乗せただけで、胡麻などもまぶすことなく、極めてシンプルです。ご飯がこのような状態だからこそ、牛肉の美味しさが最高に引き立ちます。白ごはんに牛焼肉。お箸がどんどん進み、際限なく食べていられそうな錯覚に陥ります。




最後に、ワインゼリー。漬物も写っています。カワカミの駅弁には、このワインゼリーが添えられている事が多く、これもこの調製業者の名物的な存在です。塩尻はワインで有名ですから、その味わいをデザートで賞味できるのは嬉しいことですね。




という事で、何度も食べ続けたい塩尻駅の牛肉弁当なのでありますが、2018年3月に記録した当時と、盛り付けが変更になっているようです。牛肉とサラダの位置が、変わっています。

現在の方が牛肉がたっぷりに見えますので、より好ましい盛り付けと言えましょう。（もしかしたら、980円から値上げしたので、実際にも増量になったのかもしれません。）

栄養成分表示（1食あたり）
熱量	819kcal
たんぱく質	27.9g
脂質	24.3g
炭水化物	116.4g
食塩相当量	3.7g