臨時北斗星号の乗車記・四半世紀の運行に、感謝と惜別の念を込めて
北斗星ほどお世話になったブルートレインは他に無いし、臨時化された北斗星も2015年8月いっぱいでホントのホントに消えて無くなってしまうので、感謝の意味とお疲れ様の意味を込めて、皆で大混雑する前に、少しでも空いているタイミングを狙って、ソロ上段で乗車してきました。
EF510と北斗星のヘッドマークの組み合わせ。今までのブルートレインの中で、一番かっこいいと思いますが、いかがでしょうか? これが見れなくなるなんて・・・。
ついでと言うのか当然というのか、意味もなく当てもなく、ただ赴くままにスマホでひたすら北斗星をパシャパシャと撮影してしまいました。乗車する人も見送る人も、皆同じです。やはり撮影してしまいます。
「ブルートレインの食堂車」と言う存在も最後なので、過去のいろんな思い出を頭に浮かべながら、写真に収めました。
この日の北斗星ソロには、おそらく団体旅行での乗客なんでしょうか、初めて個室に入る人も見受けられて、「え~!こんなとこなの??」と、(たぶん狭さに)ビックリしている様子でした。そうこうしているうちに、発車までの40分間はあっという間に過ぎてしまって、北斗星はゆっくりと走りだします。
思い起こすと、ここまで太陽の高いところにある寝台特急に乗車した記憶がないので、外を眺めながら結構戸惑いました。なんか、夜汽車っぽくない旅立ちだったので。まだ日が高いのは、大宮駅に入線する動画でも、感じていただけると思います。
あ、下記の写真は大宮駅で表示されていた電光掲示です。こんなカオスな行先表示を見ることができるのも、これで最後になりますよね。なので面白いので記念に撮影。
さて臨時北斗星と言えども、乗車するとビールを飲みたくなります。本当はほろ酔い気分で食堂車グランシャリオで夕食を食べたいと思いましたが、なんと満席売り切れで、かといってパブタイムまで待つのも嫌だし、パブタイム絶対混雑するだろうと思って、食堂車は翌朝に狙いをつけて、本日は駅弁「大人の休日弁当(春)」をいただきました。
ちょっと駅弁にしては高価で、贅沢な感じですけど、北斗星の最後の夜ですから、気分を盛り上げるために購入しました。お酒の肴にはぴったりでした。
食後に、車内販売からバニラアイスを購入。北斗星の車内で食べるアイスクリームも、最高に美味しかったですね。
北斗星ソロ上段ならではの楽しみ方は、真上の空を見上げること
ところで、ソロ上段寝台は、窓が屋根にかかってカーブしています。つい私たちは常識にとらわれて、窓から視線を横、あるいは下に向けてしまいがちですが、ソロ上段に乗った場合は、ぜひ上を見上げてください。
驚くことに、実は真上の景色が見えるのです。下記は函館の先、大沼公園を通過中に真上も撮影した動画です。車両に覆いかぶさる植物の様子が分かると思います。寝台の窓際に枕を置いて、寝そべって上を見たりして、あなたの一番楽な姿勢でもって、上を見上げると良いです。
そしてもう1つ、夜になったら個室内のすべての電気を消灯して、外を見ること。
こんな芸当ができるのは、個室寝台列車だけです。これをやると、夜の景色が実によく見えます。普通に流れる景色を見るだけでも良いですが、晴れたときはやはり上を見上げてください。
真っ暗闇ですから写真等の撮影はできませんでしたが、今回、満天の星が出ていて、久しくこれほどの星は眺めてないな、と言うような星空でした。そしてちょうど真上に「北斗七星」が出ていて、僕は福島駅の先あたりでおよそ1時間ほども、星空ウォッチングをしてしまいました。それほど綺麗なのです。
これ、ソロのほかにはデュエットしか出来ない技です。カップルで星を眺めたら、なんて素敵なんでしょうか! A個室のロイヤルやツインデラックスでは決して見ることのできない風景が、ソロとデュエットの上段寝台から、見ることができるのです。
函館駅で写真撮影
さてお酒も入って完全熟睡するかと思ったら、青函トンネル通貨の騒音で起きてしまいました。ちょうど今回の乗車のちょっと前に、寝台列車カシオペアのカシオペアデラックスに乗車したんですけど、やはり車両が古いと、騒音も相当なもんです。
が、目が覚めてほどよいところで函館です。みんな車外に降りて、思い思いに写真撮影を楽しんでいましたね。こういう時間があるって、とても贅沢です。
それにしても、25系車両をDD51がけん引するなんて、いまだに国鉄時代が続いているかのような景色です。完全にタイムスリップの世界ですけど、ついにその時間旅行はこの8月で終わるんですね。
函館からは右手に北海道駒ヶ岳の非常に秀麗な景色を眺めて、そしてその裾野を駆け下って、噴火湾ぞいを走行します。この海沿いの景色も、上段寝台からよく眺められますね。
空いている時間帯を狙って、食堂車グランシャリオでゆったり朝食
カシオペアデラックスに乗車した時に、食堂車の朝食を食べられなかった恨みは今回絶対晴らすぞ、という事で、ラストオーダー10時に対して、9時20分にグランシャリオに行きました。
大概の人は、早めに食事しようと考えるんですよね。人の逆の行動をするとどんな事でも成功する可能性が強く、今回も拍子抜けするほどあっけなく食事にありつけました。待ち時間ゼロ。
写真をお願いすると、食堂車のスタッフさんが気持ちよく撮ってくれました。以前も見かけたことのある男性のスタッフの方で、「あ~、この人も見納めか~」と思いました・笑。
札幌駅に到着、私にはもう1つの目的があった
食堂車で洋定食をのんびり味わっていると、旅の終わりも近いです。苫小牧、南千歳と止まって少しずつ乗客を降ろして、最終目的地の札幌到着。
乗客の皆さんは、北斗星をバックにして記念写真を撮ったり、DD51機関車のヘッドマーク写真を撮りに行ったり結構忙しいご様子なんですけれど、僕は僕で実は目的がありまして、それを果たしてから約20分後に発車する小樽行き快速電車に乗り込まなくてはならないため、北斗星からは足早に去ることになりました。
臨時北斗星よ、ありがとう!!
⇒早々に引き揚げた理由は、こちらのページに記載。
⇒こちらも参考:北斗星ホテル・トレインホステル北斗星に泊まった時の体験談