宗谷本線の車窓から絶景を眺め、連続する秘境駅を観察

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道央道北・乗り鉄の旅(その13):宗谷本線の車窓・絶景と秘境駅を眺めながら(その1)

主に青春18きっぷを利用した「駅弁」と少し「呑み鉄」、そして時々「撮り鉄」の旅を名古屋からお届けします。

昨年(2016年)11月、JR北海道から「当社単独で維持することが困難な路線」として、13線区が発表されました。半ば予想された展開とは言え、こうなると乗りたくなる浅はかな私。2017年3月、宗谷本線などへの「乗り鉄」の旅に出掛けました。



鹿ノ谷駅の時刻表が物語る夕張支線
夕張市内を歩く
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札沼線・豊ヶ岡駅を再度訪問してきた
新十津川駅で写真を撮る
滝川駅で写真を撮る
留萌本線・末端区間廃止後の初の乗車
沿岸バスの旅・留萌~羽幌まで
沿岸バスの旅・羽幌~豊富まで
宗谷本線・豊富駅~南稚内まで
バスでノシャップ岬・雄大な利尻富士
稚内駅周辺を徘徊
⇒宗谷本線の車窓・絶景と秘境駅を眺めながら(その1)(←今ここ
宗谷本線の車窓・絶景と秘境駅を眺めながら(その2)
深名線と名寄本線・廃線前の思い出
宗谷本線の名寄から帰宅へ



10時27分、稚内発、宗谷本線の旅が始まります。


 


稚内から宗谷本線普通列車に乗車、絶景ポイントへ


旭川から稚内までの宗谷本線。本数が少ないため、車窓を楽しむという条件付となると、日中列車となり、更に18きっぷの旅なので、もう選択の余地はありません。

この条件下では下りなら旭川6:03発→稚内12:07着、上りでは稚内発10:27→旭川16:01着(名寄乗換)のどちらかとなりましょう。

今回は、全く選択肢がない新十津川の都合と、稚内でトレインビューホテルに宿泊することを考慮して、後者の上り列車で旭川を目指すことになりました。

本当は音威子府駅で「駅そば」を食したかったのですが、18きっぷの旅ではハードルが高く断念です。ちなみに稚内発の普通列車は、次の通りです。


【現在は4本】 5:20名寄行、10:27名寄行、18:04名寄行、20:11幌延行
【2015年3月の時刻表では5本】
6:04名寄行、10:52名寄行、14:12旭川行、17:08名寄行、 19:24幌延行  


昨年、2016年3月の北海道新幹線開業に伴うダイヤ改正において、道内の普通列車削減が実施されたのは記憶に新しい「事件」です。現行ダイヤでは、10:27発の次が 18:04発となっており、もう日常的な利用は難しいように感じます。輸送力としては適正なのかも知れませんが。  

青春18切符(札幌駅で購入)
今シーズン、既に2枚目に突入しました。もちろん、延べ10回分を私一人で使ったのではありませんが。


キハ54の単行が南稚内から回送されてホームに到着すると、改札が始まります。発車の約5分前でした。お客さんは10数名ほど。我々を含めて、大半が鉄分高めの旅行者で、地元の方と思しきお客さんはいないようです。私は一昨日、昨日に続き、青春18きっぷを利用。JR北海道の収入に余り寄与できなくて、申し訳ございません。

キハ54の車内のシート
終点の名寄到着後に撮影した車内です。このキハ54は、ボックスシートでしたが、後に2人掛けシートに改造されました。座り心地は良くなったのですが、集団見合式の固定シートで、半数の座席が進行方向と逆になるうえ、シートと窓の位置が合っていないのが最大の難点です。この写真の手前が名寄側、奥が稚内側です。稚内行の場合は、進行方向左側に天塩川や利尻富士が見えます。これらを考慮し車窓を楽しむには、一番手前の座席か、中央の4人掛け部分が良さそうです。(矢印)  


10:27、列車は定刻に発車。やはり窓の位置と合っていない座席は不人気で、お客さんのいない2人掛けシートもある一方で、車端部のロングシートを選び、前面展望を楽しむ方もいらっしゃいます。驚いたのは、最初から終点まで最前部運転席横に立ち続けていた方がいたことで、我々より年配の方でしたが、その熱意と体力には恐れ入りました。

次の南稚内ではご婦人が1名乗車。唯一の地元客と思われ、幌延で下車されました。そして南稚内~抜海間では、まだ序盤ながら宗谷本線最大の見所、海上に浮かぶ(?)礼文島と利尻島の展望です

今日は晴天、そのうえ列車は徐行し、素晴らしい車窓風景を堪能することが出来ました。ここでは多くのお客さんがカメラやスマホで、この絶景を撮影されていました。やはりこの列車の車内は、旅行者が大半のようです。




私と違ってコミュニケーション能力の高いP氏が、後にこの列車の運転士さんに聞いたところ、先ほどの徐行はお客さんに車窓を楽しんでもらうためのサービスだそうです。また、3月から4月頃は、利尻富士が良く見える時期とのことです。確かに、かつてP氏とともに利尻富士の山頂を極めたのは7月でしたが、山頂付近以外は雲の中でした。

また余談ながら、稚内駅の若い駅員さんもそうでしたが、JR北海道の現場の職員さんは、親切な方が多いように感じました。特に若い職員さんがそう。逆境の中にあるJR北海道にあって、ご苦労も多いこととは存じますが、こうして頑張っている現場の職員さんの姿には心打たれるものを感じました。

抜海駅
風格のある木造駅舎がある抜海駅。降り立ってみたい!しかし次の上り列車は8時間後・・・。(下りは約1時間後にあります。)なお、秘境駅訪問家、牛山隆信先生による秘境駅ランキングでは2017年度版で30位となっています。

抜海~勇知間の車窓から眺める利尻富士
抜海~勇知間の車窓から眺める利尻富士。(2017.3.19 11:13)

兜沼駅の駅名板
駅名の通り、駅の皆に側には兜沼を望むことが出来ます。・・・が、今は一面の雪原。なお、 2001年まで隣の徳満駅との間に芦川駅があり、駅名板にその名残りがあります。

稚内の駅弁、うにづくし
早速、ビールと稚内駅弁をいただきます。駅舎内のキオスクの閉店が相次いでいる昨今、列車の旅では乗車前に飲食物を用意することは必至。この宗谷本線の旅でも例外ではありません。写真はうにづくし

豊富駅でキハ54と交換
豊富駅で下り普通列車と交換。この後、終点の名寄まで、普通列車との交換はありません。(列車後部から撮影)

下沼駅
下沼駅は貨車(車掌車)駅です。宗谷本線では多くみられます。秘境駅ランクは24位です。 ところで、幌延町は秘境駅等の「鉄道系遺産」を町おこしに活用していて、「秘境駅の里」としてイベントが開催されたりします。そしてなんと!この下沼駅には「ぬまひきょん」というキャラクターが設定されています。「秘境駅の里」は魅力的ながら、人家や利用者が少ないことの裏返しであり、ちょっと複雑な気分です。


 


次の絶景は天塩川


幌延駅では、特急列車との交換のため13分間の停車、南稚内から乗車された方が下車されました。幌延駅は宗谷本線では数少ない有人駅で、みどりの窓口があります。この後、音威子府、美深といった拠点駅ではひとりふたりと乗降がありますが、その他の無人駅ではほぼお客さんの姿はありませんでした。

参考幌延のトレインビュー旅館・民宿旅館サロベツ会館

幌延駅とキハ54
幌延を出発すると、終点の名寄まで長時間停車はありません。貴重な休憩タイム、同行のP氏とともにホームを徘徊してみます。

特急「宗谷」が幌延駅に到着
交換となる特急「宗谷」が幌延駅に到着。今回のダイヤ改正で、宗谷本線における札幌直通列車は「宗谷」1往復のみとなりました。この列車は札幌7:30発で稚内到着は 12:40です。

幌延駅を発車する特急「宗谷」
発車した列車後部から幌延駅を撮影。特急から降りたお客さんの姿があります。

上幌延駅
幌延の次、上幌延駅は貨車駅です。秘境駅ランクは47位です。この辺りから宗谷本線は天塩川に沿って、名寄を目指すようになります。

南幌延駅
南幌延駅を列車後部から撮影。秘境駅ランクは46位です。北海道名物、板切れホームですが、すぐ横に道路があり、農家(牧場)も数軒あるため、人煙稀といった点での秘境度は高くないのでしょう。(2017.3.19 11:58)

安牛駅
またまた貨車駅の安牛駅です。秘境駅ランクは32位。道路から少し離れており、近くに農家もないので、ランクが少し上がりました。

雄信内駅
木造駅舎が残る雄信内駅。秘境駅ランクは59位。駅周辺の建物は全て廃屋とのこと、もちろん乗降客はいません。

雄信内駅の交換設備
雄信内駅には交換設備があり、実際に交換する列車もあります。

雄信内~糠南間の天塩川の車窓風景
雄信内~糠南間の車窓風景です。この天塩川は延長256km、北見山地天塩岳付近が源流で、河口は昨日沿岸バスで通った天塩町です。ややこしいのですが、宗谷本線のあるこちら側は幌延町域で、対岸(写真右側)は天塩町域で国道40号線が通っています。そして宗谷本線の旅は、幌延から士別付近まで天塩川とともにあります。またこの付近では、河川改修に伴ってできた三日月湖が数多く見られます。(2017.3.19 12:13)

糠南駅
秘境駅ランク10位の糠南駅。板切れホームがポイント高いです。なお、この糠南駅には下沼駅とともにキャラクターがいます。「ぬかにゃん」という駅舎型猫(?)です。詳しくは幌延町役場のホームページをご覧ください。 (2017.3.19 12:16)

問寒別駅
問寒別駅の貨車駅舎は素晴らしくリフォームされています。車掌車の面影そのままながら、お洒落に仕上がっています。駅前は久々に出現した集落で、学校(幌延町立問寒別小学校・中学校)もあります。幌延町の小中学校は、他に幌延小学校・中学校があるのみです。

歌内駅
この駅からは中川郡中川町域となります。次の天塩中川駅との間には、2001年まで下中川駅がありました。秘境駅ランクは49位で、駅前には人家がありますが、御多分に漏れず廃屋が多いとのことです。


稚内を出発して約2時間、秘境駅の連続で、当然ながらそういった駅での乗降はなく、車内のお客さんの顔ぶれもほとんど変わりません。右側車窓、天塩川の風景は文句なく素晴らしいです

人工の堤防がなく自然のまま手つかずのような川の風景は、誠に北海道らしく、その中でも天塩川に寄り添って走る宗谷本線の車窓は国内でも第一級でしょう。今回は普通列車の旅で大正解でした。同行のP氏とともに、車窓風景の素晴らしさに言葉もありません。




しかし、沿線はほぼ人煙稀。鉄道の経営という点で厳しいことは、容易に想像できます。特に名寄~稚内間の輸送密度(人/キロ/日)は403人とのこと。国鉄再建法において国鉄から分離しバス転換等するとした特定地方交通線が、輸送密度40000人/日未満であったことを念頭に置き、採算のみで考えると、鉄道としての存続は難しいかも知れません。

しかし、この車窓風景を生かせないのは勿体ない! JR九州の肥薩線のように、地元利用者の利用も考慮しつつ、乗って楽しい車両とダイヤによる観光列車があると、宗谷本線の存在を生かせるように思いますが、現状はそういった手当てをする時期を過ぎているのか、JR北海道の観光列車は縮小傾向にあり、残念なことです。

天塩中川駅
中川郡中川町にある天塩中川駅。駅周辺は役場もある市街地です。駅舎は近年、地元が譲り受け1953年(昭和28年)の竣工時の姿に復元したそうです。風格のある立派な駅舎で、ここも是非とも下車してみたいです。特急が停車するので、ハードルは高くないでしょう。


天塩中川を発車後、佐久、筬島と停車しましたが、佐久駅の写真は何故かありません。(寝ていたのか・・・)そして音威子府手前の天塩川沿いを走行中、列車は警笛とともに速度を落とします。車窓に目を向けると、川と反対側の斜面を登っていくエゾシカの姿がありました。普段、野生の動物を目にする機会は皆無で、今回は得した気分です。

しかし、北海道出身のP氏の奥様に言わせると「全く珍しくない。」とのこと。確かに調べてみると、最近の暖冬傾向もあり個体数は増加しており、農林業被害が問題となっているようです。また、知床の羅臼では市街地でエゾシカが普通に徘徊し、出産・子育てをしているそうで、奈良公園のような状況になっているのでしょうか。(そんなことはないでしょうが・・・)

筬島駅
筬島駅はリニューアル型貨車駅でした。


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