復活したSL運転の様子を、下今市駅の転車台で見学

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下今市駅の転車台でSL大樹を見学・・・まさかの復活運転に感動、東武鉄道恐るべし

主に青春18きっぷを利用した「駅弁」と少し「呑み鉄」、そして時々「撮り鉄」の旅を名古屋からお届けします。まさかの蒸気機関車運行で話題の東武鉄道、早速見物に行ってきましたので、ご報告します。あわせて、東武鉄道のお手軽撮影も実施しました。





今回の撮影旅行は、以下の3つのページに分割して、ご紹介しています。SL大樹の様子以外にご興味のある人は、以下をクリックして頂いて、それぞれのページに進んでください。

⇒下今市駅の転車台でSL大樹を見学(←今ここ
下小代駅付近にて、東武鉄道を撮影
春日部駅&姫宮駅の駅撮りで東武鉄道を撮影





栗橋から東武鉄道の6050系に乗車、下今市に向かう


2017年8月、関東地方は夏らしい晴天の日が少なく、日照時間の少なさは史上最低記録となりそうです。例によって臨時快速「ムーンライトながら」の指定券を用意した8月19日(土)の翌日、20日(日)のお天気も曇りの予報。行先を晴天見込みの関西地方に変更しようかと悩みましたが、SLの運転が始まり、また日比谷線直通車両の置き換えが開始された東武鉄道の様子が気になります。

直前まで迷いましたが、日中の降水確率は低いようなので、当初計画通り、名古屋から「ムーンライトながら」に乗ったのでした。8月20日(日)、定刻5:05に東京駅着。山手線で上野駅へ移動、5:35発小金井行普通列車に乗車し、栗橋で東武日光線に乗り換えて、下今市駅には7:56に着きました。早朝とあっていずれの列車も空いており、ゆったりとした旅でした。

栗橋駅の東武鉄道6050系
栗橋から6:36発の東武日光行普通列車に乗車。この春のダイヤ改正で、この6050系による快速列車の浅草乗り入れは定期列車としては消滅しましたが、南栗橋以北の日光線では普通列車を含めて、6050系の運用が増えたような印象です。

6050系の車内
国鉄急行型を近代化したようなボックスシートが並ぶ6050系車内。 個性豊かな東武鉄道車両の中でも、私は一番好きな車両ですが、一部廃車も始まっているのが残念です。


今回も青春18きっぷを使用しており、宇都宮から日光線で今市駅まで行くのが安上がりですが、到着が9時近くになります。東武鉄道SL「大樹」の運行に際し、下今市駅構内に検修庫と転車台が設置され、それらを見物できる「転車台広場」等が整備されました。

「転車台広場」、SL運転日は午前8時から開放(運転日以外は午前10時)されます。最初のSL列車出発が9:02であることから、午前8時に行けばSLの運行前の入換風景等を目にすることができることでしょう。という目論見で、栗橋駅から別料金を支払い、東武鉄道に乗り換えたのでした。





下今市駅の構内の転車台を悠然と進行するSL大樹の姿に感動


まずは施設をご覧ください。。下今市駅ホームのこ線橋を駅舎の反対方向に進み、階段あるいはエレベーターで下りると転車台広場です。奥に2線の研修庫があります。手前の階段のある建物の1階には自動販売機のある休憩所、2階にはSL関係の展示室があります。

写真奥が明神駅寄りで、東向きとなることから、転車台での撮影は午後順光となりましょう。 広場にはベンチもあり、SL見物には最高の場所です。SL列車は乗るのもさることながら、眺めるのも良く、こうした点の配慮が行き届いた設備は素晴らしく、東武鉄道恐るべしです

下今市駅の構内のSL広場と転車台
DE10は水色矢印の線路を通って出庫、C11は赤色矢印の線路を通って、14系客車に連結されます。 (2017.8.20 8:25)

下今市駅の転車台に乗るDE10
まずは後部補機を務めるDE10が出庫します。(2017.8.20 8:03)


【動画①】 少しだけ回転して、構内の明神駅側に出発します。




SL大樹用のDE10はJR東日本から譲渡された
転車台は山陰本線長門市駅(山口県)から移設されたもの、DE10はJR東日本から譲渡されたそうです。 (2017.8.20 8:04)


【動画②】 DLが客車に連結されます。懐かしい「国鉄」の情景が、大手私鉄で蘇るとは、感動の余り胸が熱くなります。




【動画③】 しかしSLは転回せず、転車台をそのまま直進します。




下今市駅の転車台から走り出すSL大樹
転車台を走り抜けます。JR北海道から借り受けた「C11207号機」、私としては、SL「函館大沼号」以来の再会です。(2017.8.20 8.12)


【動画④】 構内の上今市側に引き上げてから折り返し、客車に連結されます。後部に連結されている車掌車は、保安設備を搭載しているとのことで、SLと一体で運用されます。




SL転回時刻(下今市駅)
今回は転車台を通過したのみでしたが、その他の時間は、実際に機関車を転回させるため、きっと見応えがあることでしょう。

下今市駅のSLの研修庫
研修庫の側面の一部はガラス張りとなっており、運転日以外でもSLの姿を見物できるように配慮されています。素晴らしいです!!

SLの転車台と、下今市駅の構内
列車が組成され、客車内ではお客さんを迎える準備が進んでいます。こうして眺めると、SLなしの、DL列車も魅力的で玄人受けしそうです。下今市発会津若松行DL客車列車なんて企画があれば、是非とも乗車したいです。ついでに寝台車も調達していただき、会津若松行寝台列車が運行されたら…これは誇大妄想ですね。 (2017.8.20 8:17)

SL大樹が下今市駅に入線
準備の整った列車は、明神駅側に一旦後退してからホームに入線します。 (2017.8.20 8:45)

SL大樹が下今市駅に入線
明神駅側で折り返し、入線を待ちます。踏切からでも、いい写真が撮れそうです。 (2017.8.20 8:49)

SL大樹が下今市駅に入線
いよいよ、下今市駅2番線ホームに入線です。(2017.8.20 8:52)

SL大樹を見学する鉄道ファン(下今市駅)
私が到着した午前8時頃は閑散としていた駅構内ですが、いつの間にか、多くのお客さんが集まっていました。(2017.8.20 8:52)

下今市駅にてSL大樹を撮影
9:02の発車間近のSL「大樹1号」です。(2017.8.20 8:58)  SL「大樹1号」は満員のお客さんを乗せて発車していきました。


下今市~鬼怒川温泉間を3往復、乗車時間30分余りと手頃で、日光、鬼怒川温泉、そして足を延ばして大内宿や会津若松観光と組み合わせれば、その先への旅の可能性は無限大です。「東武鉄道がSL運行」との報を耳にして、私はその荒唐無稽さに失礼ながら耳を疑いました。

JR北海道始め、鉄道各社の協力があったとは言え、実現までは何々ならぬ労苦があったと思われます。それを乗り越え現実のものとしてしまった東武鉄道、その底力は恐るべきものがあり、畏敬の念を感じずにはいられません。

また地元の鬼怒川温泉にとっては、中興の祖とも言える起爆剤となりましょう。一番列車は9時台の運行、最終列車は18時台の運行であり、汽笛の響きを耳にして温泉を楽しむことも十分可能です。
さらにトレインビューのお部屋に宿泊できたなら、申し分ありません。鬼怒川温泉の魅力倍増でしょう。

対して我が地元の名古屋では、市長の思い付きにより、名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)で2013年2月にJR西日本から借り入れた「C56」によりSL列車が実験的に運行されました。

私も見物に出掛けましたが、大部分が高架線の「あおなみ線」では見物個所も限られ、ホームでは撮影禁止で警備員が多数配置され、何のためにSLを走らせているのかわからず、そのお役所仕事振り(名古屋市役所の住宅都市局主催で、JRや名古屋市交通局といった鉄道会社は関与していなかったようです。)は、まさに税金の無駄遣いであり、余りの愚の骨頂さ加減に幻滅した記憶があります。


名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)のささしまライブ駅付近で撮影したSL列車
名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)のささしまライブ駅付近で撮影したSL列車。 (2013.2.17 13:24)

名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)のささしまライブ駅付近で撮影したSL列車
旧笹島操車場であったこの場所は、再開発が進んでいます。この空き地も、現在はビルが立ち並び、撮影は難しいことでしょう。 (2013.2.17 13:24)


それに比較して、SL「大樹号」は両端駅での転車台広場等、魅せる工夫に溢れています。乗車目的の観光客が増えることもちろん、走行風景そのものも価値であり(SL列車は都会の高架線ではなく、自然の多い風景が似合います。)、地域活性化に寄与することは間違いないでしょう。

本日は時間の都合上、乗車や走行風景の撮影はできませんでしたが、通年運行のようですので、撮影と乗車を楽しみつつ、温泉に泊まるも良し、会津まで足を延ばすも良しと、次回の旅への思いは広がるばかりです。



【乗車記録】

・名古屋23:20→東京5:05 クハ185-210 10両  
・東京5:24→上野5:31 サハE231-4605 11両  
・上野5:35→栗橋6:30 サハE231-3018 15両  
・栗橋6:36→下今市7:56 モハ6152 4両



参考SL大樹1号に乗車(2020年末に乗車した時の記録)



鬼怒川温泉のトレインビューホテル&旅館の一覧


以下、東武鬼怒川線沿線の、鉄道の見えるホテルや旅館の一覧です。部屋からSL列車を眺める事もできます。これら以外では、JR日光駅前の日光ステーションホテルに宿泊するのも良いでしょう。SLの運行区間ではありませんが、日光観光に便利です。

宿泊施設 見える路線 特 徴
鬼怒川温泉ホテル 東武鬼怒川線 巨大温泉旅館、直下に鬼怒川渓谷で、壮観な眺め。鬼怒川温泉駅からバスあり。宇都宮駅から送迎バスあり。
鬼怒川温泉あさやホテル 東武鬼怒川線 巨大温泉旅館、直下に鬼怒川渓谷で、壮観な眺め。鬼怒川温泉駅からバスあり。宇都宮駅から送迎バスあり。
旅の宿丸京(鬼怒川温泉) 東武鬼怒川線 鬼怒川温泉駅から徒歩3分、渓谷沿いではない。
大江戸温泉物語・ホテル鬼怒川御苑 東武鬼怒川線 鬼怒川温泉駅から徒歩10分、トレインビューの部屋は渓谷沿いではない。
素泊まりホテルロマン新館つつじ店(鬼怒川温泉駅) 東武鬼怒川線 鬼怒川温泉駅から徒歩5分ほど。この地域唯一のリーズナブルな旅館。


下小代駅付近にて、東武鉄道を撮影


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