盛駅から気仙沼駅までBRTバスの旅&奇跡の一本松

●参考になりましたら、シェアしていただけるとサイト運営の励みになります!

震災後、初めて訪れる三陸の旅(その7)・・・盛から気仙沼まで大船渡線BRTバスの旅

主に青春18きっぷを利用した「駅弁」と少し「呑み鉄」、そして時々「撮り鉄」の旅を名古屋からお届けします。

忘れもしない東日本大震災、この2018年3月で7周年を迎えます。その被災地である三陸地方は幾度となく旅した地ですが、震災以来、初めて訪れましたのでその模様を報告します。



八戸線のキハ40が引退、乗り納めの旅
三陸鉄道北リアス線のこたつ列車になまはげ登場
三陸鉄道田老駅へ・被害を受けた街とかつての鉄道写真
山田線「代行バス」の旅
三陸鉄道南リアス線に乗車
盛駅周辺を徘徊
⇒盛から気仙沼まで大船渡線BRTバスの旅(←今ここ
気仙沼線のBRTバスの旅
石巻線で女川まで・津波被害の駅前などを見る
石巻線のDE10貨物列車を撮影
仙石東北ラインに乗車してから名古屋に帰還


 


途中、「奇跡の一本松」に立ち寄りつつも、盛駅から気仙沼駅までBRTバスの旅


盛~気仙沼43.7kmは一応JR大船渡線ということになっていますが、BRT(バス高速輸送システム=Bus.Rapid.Transit)との名でバス転換されています。このBRTの定義のひとつは、バスが専用道路や専用車線を走行することで、我が名古屋のガイドウェイバスはその例のひとつです。

運賃は地方交通線並で、JR線との位置付けのようですが、制度上は「東日本旅客鉄道株式会社一般乗合旅客自動車運送事業取扱規則」が適用されるように、鉄道とはやはり別物で、運賃も鉄道とは「連絡運輸」との位置付けで、それぞれの運賃を合算します。

ただし、一ノ関、古川、仙台などの比較的近い駅への乗車券は、合算額から100円引きとなる取り扱いがあります。盛駅窓口で、本日の宿泊予定地である古川までの乗車券を購入。前谷地経由で2510円、通算で100㎞を越えるので、途中下車も可とのことでした。

その際、「(所要)時間がかかりますが、いいですか?」と窓口氏から念を押されました。確かに気仙沼から大船渡線で一ノ関経由、あるいは一ノ関行特急バス(一日4往復、所要約2時間半)利用が一般的でしょう。BRT化の影響かそれ以前からかわかりませんが、都市間利用者の多くが高速バスや自動車に移行していること感じさせる言葉でした。

同行のP氏が自宅最寄りの埼玉県内のJR駅で、盛駅からの帰宅用の乗車券を購入しようとしたところ、当初「JRの駅ではないので発券できない。」と窓口で言われたそうです。

結果としては発券できたのですが、JR社員ですらJR路線として認識していないという出来事を踏まえると、バス転換による不便さを補う努力はあるものの、中途半端な印象は否めません。ちなみに青春18きっぷは利用可なので、ややこしい事を考えなくても済みます。


【震災直前の盛駅JR線列車発車時刻表】(2011年3月号時刻表より)

5:45 一ノ関行
6:51 気仙沼行
7:21 一ノ関行
9:57 一ノ関行
13:20 快速「スーパードラゴン」一ノ関行(気仙沼までは各駅に停車)
14:42 一ノ関行
16:35 一ノ関行
18:49 一ノ関行
20:35 気仙沼行


※盛から気仙沼まで1時間前後、一ノ関までを2時間半前後、快速は約2時間で結んでいました。現行のBRTは、1時間に日中1本、朝晩2本程度の運行で、気仙沼まで所要時間約1時間20分です。

盛駅停車中の気仙沼行BRT
盛駅停車中の気仙沼行BRTです。JR東日本の路線ですが、実際の運行は岩手県交通バスに委託されています。(2018.2.18 12:32)


盛駅12:36発の気仙沼行BRTに乗車します。乗客は高校生を中心に約15名と、日曜日ながら意外に盛況です。車内はごく普通のノンステップバス、鉄道敷を利用した専用道路を走行する点が、唯一一般のバスと異なる点です。

次の大船渡では3名下車、乗車なし。専用道に隣接して大船渡プラザホテルがあり、トレインビューホテル研究家であるP氏としては、ここを列車が走らないことは非常に大きな悲しみでしょう。

下船渡~細浦間で大船渡湾
下船渡~細浦間で大船渡湾をバス車窓から眺めます。景色の良い場所を走る鉄道だったのですね。(2018.2.18 12:49)


細浦駅は鉄道のホームが残っていますが、もちろん現在は使用されていません。1名下車した小友駅からは専用道から一般道へ移ります。この先の陸前高田市内は津波が甚大で、現在も造成工事が行われている関係で、BRTは旧大船渡線のルートとは離れた場所を走行します。

脇ノ沢駅で下車1名、高田病院駅で下車1名乗車2名、この辺りはイオン等のロードサイド店が目立ちます。大規模な造成地にある高田高校駅で2名下車、ただし高校は車窓からは確認できませんでした。




2011年(平成23年)3月11日、牡鹿半島の東南東約130㎞を震源とする地震で、陸前高田市は最大17mの大津波が直撃し、人口の約7%にあたる1750名以上の方が亡くなった(行方不明含む)そうです。

わが名古屋市では、「まるごと支援」と称して、震災直後から市役所職員を数十名単位で支援に派遣し、現在も数名の職員が年単位で派遣されているそうです。

名古屋市民の寄付による陸前高田の中学生を招待する事業もあり、名古屋市民である私は陸前高田に対しては、一方的に高い関心があり、じっくりとその光景を目に焼き付けておきたいです。


市街地だった場所は、津波防災に対する土地のかさ上げ工事が行われています。「まちなか陸前高田駅」(現在の陸前高田駅)付近はショッピングモール「アパッセたかた」も整備され、将来は町の中心地となることでしょう。ここで5名の方が下車しました。なお震災前のJR陸前高田駅もこの近くにありました。(2018.2.18 13:20)


陸前高田の市街地は、被災市街地復興区画整理事業が実施されており、ベルトコンベアを設置した大規模な工事が行われたことは記憶に新しいです。

事業の完成は2020年(平成32年)度ですが、完成した区画に建築中の建物が散見される一方で、市街地で被災した店舗や事務所約300軒のうち、ここに戻って再建を目指すのは、三分の一の約100軒程度とのことで、市街地が再び形成されるのかが懸念されています。

そして土地利用計画図には旧線路から少し位置が変わるものの、大船渡線の記載もあり、BRTの専用道が整備されるのでしょうか。

陸前高田駅
造成地から北上した高台には、仮設市役所に隣接して陸前高田駅があります。気仙沼行は国道45号線を経由するため、陸前矢作は通りません。そのため、ここから分岐する路線で陸前矢作行が設定されていました。今回のダイヤ改正で「栃ノ沢公園」に改称され、気仙沼行の経路からは外れ、陸前矢作行のみが停車する駅となりました。これにより盛~気仙沼間では4~13分の所要時間短縮が実施されています。(2018.2.18 13:26)

奇跡の一本松バス停
盛から55分の乗車で奇跡の一本松バス停に到着。降りたのは我々2名だけでした。ここは待合室がなく、「駅」ではなく「バス停」と言わざるを得ません。本日は強風に耐え寒さに凍えながら、バスを待つことになります。(2018.2.18 13:32)

奇跡の一本松バス停
バス停周辺は区画整理事業中です。写真奥の山側(北側)は、かさ上げ工事が実施されています。「7年でここまで進んだ。」なのか「7年でまだ…。」なのか、無責任なことは言えませんが、砂交じりの強風に吹かれつつ思ったのは、やはり現地に降り立ってみないと何かと実感できないということです。そしてまた区画整理事業完了後に、訪れて新たな時代を歩み始めた陸前高田をこの目で確認したいと感じました。

奇跡の一本松バス停付近
海側は高田松原津波復興祈念公園として整備され、2020年(平成32年)度の供用開始が予定されています。中央左に少し見えるのが旧「道の駅 高田松原」の遺構です。  津波被害の遺構として象徴的な存在である陸前高田の「奇跡の一本松」までは、バス停から約1㎞、駐車場や物販店のある「一本松茶屋」からも約800m歩かなくてはなりません。


「奇跡の一本松」自体は国道45号線から近いのですが、周辺はまだ工事中で、今後整備が進むことでしょう。 しかしバス停だけでも、せめてもう少し便利でしかもBRTの経路上にある「一本松茶屋」付近に設置していただけたらと感じました。

今回は約40分の滞在で、「奇跡の一本松」見学はできたのですが、「一本松茶屋」で軽食を摂る時間はありませんでした。

奇跡の一本松
渚百選にも選定されていた「名勝 高田松原」には7万本もの松原でしたが、津波被害により壊滅、この1本だけが残り「奇跡の一本松」として復興のシンボルとなっています。実際に近くで見物すると、その大きさに驚くとともに、残ったことがまさに「奇跡」であることを実感します。その後、残念ながら海水により枯死しましたが、人工的な処理により保存されています。右奥の気仙川水門は2019年度、防潮堤は2020年度の完成が予定されています。





旧気仙中学校の校舎
「奇跡の一本松」の気仙川対岸には旧気仙中学校の校舎が残されていて、国道45号線を行くバス車内からその姿を見ることが出来ました。


前述のように、陸前高田から気仙沼行BRTは国道45号線を走行し、旧大船渡線とは別ルートとなり、陸前矢作は陸前高田から、上鹿折へは鹿折唐桑から分岐する支線が設定されています。

この間で岩手県から宮城県へと県境を越え、津波の被害が大きかったのか、区画整理が進み建築中の建物が目立つ鹿折唐桑駅から、終点の気仙沼駅までは線路敷を利用した専用道を走ります。30分弱の乗車で、14:42に気仙沼駅到着しました。

奇跡の一本松から乗車したバス
奇跡の一本松から乗車したバスは、私とP氏の2名による貸切状態。県境を跨ぐこともありましょうが、先行きが心細い状況です。



【乗車記録】

・盛12:36→奇跡の一本松13:31 (大船渡線BRT)
・奇跡の一本松14:16→気仙沼14:42 (大船渡線BRT)



●参考までに、在りし日の陸前高田駅です。




気仙沼線のBRTバスの旅


乗って楽しい列車旅

鉄道クレジットカード・鉄道ファン御用達のカード

地域から選ぶ

その他の特集コンテンツ