ここも凄い・奥大井湖上駅で下車

●参考になりましたら、シェアしていただけるとサイト運営の励みになります!

祝!復活!!井川線の旅(その3):ここも凄い・奥大井湖上駅で下車

主に青春18きっぷを利用した「駅弁」と少し「呑み鉄」、そして時々「撮り鉄」の旅を名古屋からお届けします。

土砂崩落のため不通となっていた大井川鐵道井川線接岨峡温泉~井川間は、2017年3月11日から運転を再開、これを記念して(?)早速乗車することにしました。



復旧した大井川鐵道井川線に乗車
秘境駅尾盛駅が凄い
⇒ここも凄い・奥大井湖上駅で下車(←今ここ
大井川鉄道のSL列車に乗車
新金谷駅でSLの方向転換や留置車両を見物



(拡大・縮小などしていただくと、場所が分かりやすいです。)





秘境駅ランキング37位の、奥大井湖上駅で下車


奥大井湖上駅は秘境駅ランキング第37位、長島ダム建設による付け替えられた新線区間にあります。集落は水没したようで周囲に人家はなく、完全に観光用として設置された駅であることは、よく知られている通りです。(下記は、2016年時点の動画です)




尾盛駅発11:57の列車に乗車して、奥大井湖上駅に12:11に到着。2名下車、数名の方が乗車されます。徒歩圏内にお立ち台(撮影名所)があり、後追いとなりますが 13:15発の千頭行を撮影します。

それまでに本日2回目の「ビールと駅弁」を実行いたします。この駅に隣接して立派なコテージがあり、無人で宿泊はできないものの、展示施設の他に清潔なお手洗いと屋内にテーブルがある休憩施設があります。

開設から27年の年月が流れている筈ながら、よく手入れがされていて快適に過ごすことが出来ます。 本日は貸切状態で、コテージのテラス席でトレインビュー(…列車は来ませんでしたが。)を楽しみながら昼食とします。

奥大井湖上駅ホーム
奥大井湖上駅ホームです。奥が終点の井川駅方向です。右の階段を上るとコテージがあります。

恋が叶う駅、奥大井湖上駅
「恋がかなう駅」です。しかし一緒に下車した年配のご夫婦、奥さんは足がお悪いのかお疲れなのか、階段が上がれないとおっしゃり、険悪なムードに。ここは「恋がかなう駅」、もう一度、恋人同士だったあの頃を思い出していただきたいものです。 ホームには「HappyHappyBell“風の忘れもの”」と称す鐘があります。妖精たちの遊び場とのこと、一応鐘を鳴らしてみましたが、曇天の湖上に妖精は現れませんでした。

奥大井湖上駅のコテージの三階テラス席
コテージの3階テラス席です。予約は要りません。

奥大井湖上駅のテラスからの眺め
テラスからの眺め、対岸に旧線の鉄橋や路盤があります。

浜の釜めし
このテラス席にて、自笑亭店員さんの「神対応」で入手できた浜松駅弁「浜の釜めし」(自笑亭・970円)をいただきます。ちょっと中身が移動してしまいましたが、3切れながらうなぎの蒲焼が入っているのは嬉しい限りです。





奥大井湖上駅から大きな鉄橋を渡って、大井川鉄道の撮影スポットまで


さて、この駅からも車道や一般人が利用できる道はありません。唯一、鉄橋横にある歩道が駅から脱出できる道です。

案内図によるとお立ち台まで徒歩18分、その先にある「湖上入口バス停」までは更に徒歩2分だそうです。また、途中で別の道を行くと約50分で接岨峡温泉駅まで歩くことが出来ます。

奥大井湖上駅の周辺案内図
参考にした案内図です。距離感はわかりませんが、②の「シャッターポイント」がお立ち台です。

奥大井湖上駅から大井川を渡る鉄橋
鉄橋脇の歩道を接岨峡温泉駅方向へ歩きます。ちょっと…怖いです。 以下動画は2016年。



大井川鉄道の鉄橋の河川許可標
この鉄橋の河川占用許可を中部電力が受けていることから、井川線(大井川専用鉄道)施設の保有が中部電力であることがわかります。駅両側の鉄橋は「第3・第4大井川橋梁」なのですね。


鉄橋を渡ると、高低差約23mの急な階段を上ります。案内図には「足腰に自信のない方は要注意!」とあります。

奥大井湖上駅の鉄橋
その急な階段の途中から駅を振り返ると、「あな恐ろしや!」、こんな鉄橋をよく歩いて来たものです。高所恐怖症ではないのですが、やはり怖いです。


階段を上り終えると、茶畑と桜の咲く桃源郷のような光景がありました。写真中央の桜の木のところに線路とトンネルの入口があり、いい写真が撮れそうです。また、写真右下の辺りに全部は写っていませんが、駐車場があり、車を置いて徒歩で奥大井湖上駅に行くことが出来ます。


少し歩くと車道に出ます。左に少し進むと、お立ち台(撮影地)に到着です。


お立ち台には既に数名の先客あり。皆さん車でいらっしゃったようです。この付近の樹木は最近伐採され、展望が良くなりました。南向きなので、晴れると逆光、日の長い季節なら午後遅めには車両側面が順光となるかもしれませんが、今日は予報に反し曇天、山々も冬枯れでパッとしません。

しかしこのような絶景が、実は駅から徒歩圏内でお手軽な場所であったことは嬉しい誤算、 是非とも新緑か紅葉シーズンに再チャレンジしたいです。

奥大井湖上駅を見下ろす撮影地
奥大井湖上駅13:15発千頭行列車を撮影。左側が接岨峡温泉駅方向です。後追いながら、米粒写真では、その点は気になりません。列車は遅いので、何カットも撮影できます。 中央の半島部に駅がありますが、こうして眺めると「異常」な場所に駅があることを再認識します。


お立ち台からほど近い、「湖上入口バス停」からは13:58閑蔵行、14:16千頭行があります。これらに乗れば、次の13:34発井川行も撮影可能ですが、今日は天気も今一歩で、変わり映えのない写真となりそうなので、ここで撤収することにします。急ぎ駅に戻り、井川行に閑蔵駅まで乗車することにします。

奥大井湖上駅に到着する大井川鉄道の井川行き
井川行「さくら号」がやって来ました。ちなみにこちら、ひらんだ駅側(今回歩いたのと反対側)の鉄橋には一般人が通ることができる歩道はありません。


参考大井川鉄道のトレインビュー・川根温泉ホテル


閑蔵駅からバスに乗車


奥大井湖上駅から13:34発井川行に乗車、中間に車両の半分がオープンデッキとなっているスロフ316に乗ろうとしたところ、車掌さんに下車駅を聞かれ、閑蔵で降りる旨答えると、駅の出口は先頭車が最寄りであり、更に先頭車は暖房が効いています・・・と、先頭車クハを案内されました。

少々余計なお世話感がありましたが、運転席越しに前面展望が得られるのはいい点です。お客さんは先頭車に10名程度、確かに暖房が効いて快適です。後で調べると、井川線では全ての客車に暖房が設置されているとは限らないようです。

尾盛~閑蔵間にある関の沢橋梁からの眺め
尾盛~閑蔵間にある関の沢橋梁からの眺め。高さ70m、日本一高い鉄道橋で、観光客向けに一時停止のサービスがあります。ここに限らず、窓は自由に開けてくださいとの案内があるのは素晴らしいです。もちろん、手や顔を出してはいけません。ところで接岨峡温泉駅から徒歩で行ける展望台から、この鉄橋を行く列車を撮影することができます。さすがに今日はそこまで盛り込むことはできませんでしたが、次回はチャレンジしてみたいです。




閑蔵駅を発車する井川行「さくら号」
閑蔵駅を発車する井川行「さくら号」。前から3両目が私の乗りたかったオープンデッキ客車です。一緒に下車した小さなお子さんを連れたご家族が、「切符が見当たらない・・・」と困っていたため列車の発車が遅れ、このような写真(発車シーン)を撮影することができました。


閑蔵駅を発車すると、すぐにトンネルです。後追いで撮影。


大井川鐵道バス閑蔵線は、千頭駅から閑蔵駅までの所要時間は30分、これに対して井川線列車は所要約1時間半です。このバス路線が開設されたのは、それほど昔ではなく、当初は季節運行だったように記憶していますが、現在は3往復が通年運行、11月の土休日には1往復増便されます。

しかしこのバス路線の所要時間の破壊力は大きく(?)、道路の整備が進んでいることを感じる一方で、井川線列車と上手く組み合わせることで、効率よく奥大井の旅を楽しむことができます。この区間にバス路線を設定するという発想は、素晴らしいです。

さて閑蔵駅バス停は、駅から坂道を下って2~3分の場所にあり、転回場を兼ねています。今回の乗り換え時間は10分でしたが、駅でお手洗いを済ませても、余裕がありました。

閑蔵駅前に千頭駅からのバスが到着
閑蔵駅前に千頭駅からのバスが到着。車内にお客さんの姿はありませんでした。周囲にお茶農家が数軒ありますが、四国の祖谷渓のような深い谷の上にあります。しかし閑蔵駅と、井川駅の所在地は、政令指定都市である静岡市の葵区です。

閑蔵駅前のバス停の時刻表
観光客用に特化した時刻設定です。シーズンオフの平日にもお客さんはいるのでしょうか。

閑蔵駅と千頭駅を結ぶバス
名鉄バスカラーですが、現在、大井川鐵道は名鉄グループではありません。正面方向幕部分にステッカーが貼られています。閑蔵線の専用車のようです。


さてバスは一緒に列車を降りたファミリーと他に1名、私を含めて6名を乗せて発車。ちなみに件のファミリーはこの後、私と同じバスに乗り、奥泉で下車されました。寸又峡温泉に泊まるのか、あるいはどこかに車を駐車しているのかわかりませんが、お若いのに実にシブい旅をされています。

道路は2車線で大型車の走行も快適、大井川を立派な高い橋で渡り、接岨トンネルを抜けると、僅か6分で「接岨峡温泉」バス停を通過、列車だと20分弱です。

その後、「湖上入口」(列車の撮影ポイントまで徒歩2~3分)、「長島ダム」バス停を通過、「奥泉駅」バス停を発車すると、この区間トンネル等でシュートカットして僅か10分で終点の千頭駅に到着、列車は30分かかります。

途中、もちろん渋滞はなく、大半が2車線に整備された道路で、所要30分、定刻の14:40に着きました。途中のバス停も前述のとおり4か所しかありません。鉄道の11駅に対してはるかに少なく、生活路線としての側面はなく、完全に観光用として割り切った路線です。

この閑蔵線バスと組み合わせることにより、井川線の旅がお手軽になりました。しかし一方で、その所要時間の差に、井川線の存在が脅かされないか、少々心配でもあります。

余談ですが、井川駅から井川本村(うち2往復は白樺荘まで。)と、静岡駅方面に富士見峠経由で横沢まで2往復(横沢から路線バスに接続。)、井川地区自主運行バスがあります。ワゴン車で乗客定員9名、井川地区住民優先との制約がありますが、一度乗ってみたいものです。

なお、夏期には畑薙第一ダムまで、登山客用にしずてつバスが運行されます。


【乗車記録】

・尾盛11:57→奥大井湖上12:11 スロフ315 5両
・奥大井湖上13:34→閑蔵14:00 クハ603 5両
・閑蔵駅前14:10→千頭駅14:40(大井川鐵道バス)


大井川鉄道のSL列車に乗車


乗って楽しい列車旅

鉄道クレジットカード・鉄道ファン御用達のカード

地域から選ぶ

その他の特集コンテンツ