超電導リニア体験乗車をしてきました

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超電導リニア体験乗車記 その2:いよいよ乗車、時速500キロの乗り心地は?

主に青春18きっぷを利用した「駅弁」と少し「呑み鉄」、そして時々「撮り鉄」の旅を名古屋からお届けします。が、今回はちょっと趣向が異なる山梨実験線でのリニアの乗車記です。


今回は超電導リニアに体験乗車した記録と共に、2ページに分けて公開します。このページにて、いよいよ超電導リニアに乗って、初の時速500キロの世界を体験です


リニア見学センター訪問記
⇒超電導リニア・超高速の体験乗車の乗り心地は?(←今ここ





「乗車」ではなくて「搭乗」手続き、これは鉄道なのか?


山梨実験センターに併設されている「模擬停留設備」からの乗車です。15時15分が集合時刻。もう続々と皆さん集まってきます。建物に入ると、まずは手荷物検査。金属探知機による検査はまさに空港の保安検査と同じです。

その先に「搭乗券発券」の機械があり、予約ハガキにより「搭乗券」が発行され、自動改札機に2次元バーコードをかざして入場する仕組み。実験センターの「模擬停留設備」なので、この一連の乗車までの手続きも「実験」の一環かも知れませんが、すべてが空港のそれと全く一緒。「乗車」「乗車券」ではなく、「搭乗」「搭乗券」が使用され、航空機を意識しているようです

これは従来の鉄道とは一線を画しているように感じられ、もしかすると乗車券は、「東京都内から中央新幹線経由名古屋乗換大阪市内」のように通しでは購入できず、あるいは、「乗車券」と「特急券」という概念すらないのかも知れません。

そして、JR他社の窓口では購入できないという可能性も懸念されます。というか、そもそもこれが「鉄道」なのかという点は疑問が残ります。中央新幹線建設に際しては、「全国新幹線鉄道整備法」(略称「全幹法)が適用されていることから、一応、鉄道ということなのでしょうが、運転関係の法規等は別の概念が必要となるように考えられますが、その辺りはどうなるのでしょう。

リニア実験線での手荷物検査
まるで空港のようです。

リニア実験線の搭乗券発券
搭乗券に引き換えます。

リニアの搭乗券
「搭乗券」です。座席は指定され、選択の余地はありません。2座席あるいは4座席での募集で、1名でも2座席分となります。

リニア体験乗車の説明会
乗車前にリニアに関する説明(ビデオ等)が行われます。乗車予定の車両の座席通りに座ります。2号車と3号車の2両が体験乗車車両で、乗車人員は68名となります。

中央リニア新幹線の路線と山梨実験線の路線図
リニア中央新幹線の路線図です。品川~名古屋間約286km、そのうち完成している山梨実験線は42.8kmです。また、品川~名古屋間全体の約86%がトンネルです。名古屋にとっては、その歴史が塗り替わるといっても過言ではないインパクトのある事業ですが、実はこれまで対東京の交通の便がよくなかった、長野県飯田市にも注目する必要があります。

リニア実験線の搭乗待合室
説明が終わると、号車別に移動して乗車します。ここはホームに相当する場所ながら、リニア車両の姿を見ることはできません。あくまで「模擬停留設備」で実験の一環かも知れませんが、明らかに空港を意識しています。

超電導リニアの搭乗口
乗車口です。車両ドアの周囲は磁界対策で密閉されており、ここでも車両を見ることはできません。密閉しなくてはならないほど、強い磁気が発生しているのでしょうか。

超電導リニアの車内の様子
車内は2列+2列の座席配置で、新幹線より狭いです。



リニア乗車体験・時速500キロの感想


体験乗車車両は、次の経路で運行されます。

① 実験センターを出発して、山梨県上野原町側起点まで行きます。
② 折り返して山梨県笛吹市側終点へ。ここで時速500km運転
③ また折り返して山梨県上野原町側起点へ。再度時速500km運転
④ またまた折り返して実験センターへ戻ります。


リニア実験線の路線図
(山梨県のHPより拝借。右が東京方面、左が甲府駅方面です。)


15:35頃発車。車内放送では機長挨拶ではなく、指令センターの方からの挨拶がありました。運転士は乗っていないのです。走行時の車内の様子は、次の画像をご覧ください。


① タイヤ走行から浮上走行へ




② 500km走行へ




③ 浮上走行からタイヤ走行へ




20分余りの体験乗車でした。この時間で100キロ以上の距離を走行したのですから、やはり早いです。 私の乗車後の感想をまとめると次のとおりです。乗り心地を文章で評するのはとても難しいうえ、個人差もありますのでその辺りはご容赦ください。


・だいたい時速150kmまでのタイヤ走行は、ゴムタイヤ走行の新交通システムや札幌市営地下鉄のような乗り心地のイメージ。快適ではないが、不快でもない感じです。

・時速150kmからの浮上走行は、滑るような感じで快適です。

・時速400kmを越えると、横揺れが発生し、耐えられないものでもないが、決して快適ではありません。気流の悪い部分を飛行中の航空機のイメージで、もっと揺れが小刻みな感じでしょうか。この辺りの感想は個人差があり、私は少々辛口でしたが、同行者からは高速道路走行中のバスや自動車と比較であれば、遜色はなく、40分程度の乗車なら問題ないのでは、という意見もありました。

・大半がトンネルなので、高速度の実感はありません。トンネル内の照明が飛ぶように車窓を流れることで、かろうじて高速度を感じることができます。開業後も大半がトンネルなので、移動手段として割り切るならともかく、旅情は全くなく、楽しさや高揚感もあるのでしょうか。

浮上走行からタイヤ走行に移行する際の衝撃は、予想外に大きいです。航空機の着陸時ほどの衝撃はありませんが、同様なイメージで、立っている場合には注意が必要なレベルと感じました。この点は、同行者も同様な感想を持ったようです。


・・・ということで、少々課題はあるものの、実用化に問題はないレベルと感じました。2027年の開業までには改善されることでしょう。2027年まであと11年。楽しみである一方、難工事が予想されている中央アルプスのトンネルは間に合うのか気懸りです。

地質や工法の違いがあるのかも知れませんし、技術の向上もありましょうが、北越急行鍋立山トンネルのように貫通まで22年(途中の工事凍結期間4年を含む。)を要した先例もありますので。

リニア体験乗車後の、先頭車両の見学
乗車後には先頭車両の見物タイムがあります。ガラス越しながら、見物場所が整備されていて、嬉しい配慮です。ここでゆっくり記念撮影等を楽しむことができました。


体験乗車後は、隣接の「わくわくやまなし館」(無料)に立ち寄りました。ここは山梨土産やリニアグッズが充実しており、3階にはリニアの展望室もありおススメです。

初めての新東名高速道路、そしてこちらも初めてのリニア乗車、普段とは毛色の違う旅ながら、極めて充実した一日でした。このような機会を与えてくださった若者3名には、感謝の念で一杯です。ホントに長生きはしてみるものです。

とともに、最近の若い方は立派で、日本の明日は安泰だと心より感じた次第です。

・・・などと感じつつも、帰路の御殿場で車から降ろしていただき、そこからは例によって単独行。旅はまだまだ続きます。


(今回のレポートはこれでおしまい)


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