石巻線の貴重な国鉄色のDE10貨物列車を撮影

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震災後、初めて訪れる三陸の旅(その10)・・・石巻線のDE10貨物列車を撮影

主に青春18きっぷを利用した「駅弁」と少し「呑み鉄」、そして時々「撮り鉄」の旅を名古屋からお届けします。

忘れもしない東日本大震災、この2018年3月で7周年を迎えます。その被災地である三陸地方は幾度となく旅した地ですが、震災以来、初めて訪れましたのでその模様を報告します。



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⇒石巻線のDE10貨物列車を撮影(←今ここ
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石巻線鹿又駅付近で貨物列車を撮影


石巻線の小牛田~石巻間では、仙石線陸前山下を経由し、石巻港にある日本製紙石巻工場から出荷される紙輸送用に、コンテナ列車が7往復設定されています。ローカル線としては破格の運転本数と、国鉄型ディーゼル機関車DE10・DE11の貴重な本線運用で知られています。

震災後は同工場が被災した関係で貨物列車も運休となりましたが、幸いにも2012年10月から運転が再開されています。しかし、DE10・DE11の後継機である電気式ディーゼル機関車DD200の試作機901号が、2017年(平成29年)に新製され、同年11月に石巻線で試運転が行われています。

量産機の投入はまだ先のようですが、今のうちに撮影しておかなくては・・・ということで、本日(2018年2月19日)は石巻線で「撮り鉄」を実施します。

ところで今日は月曜日、荷主の都合で土曜日から月曜日は運休となる列車が多いそうで、午前中は女川へ「乗り鉄」し、正午過ぎから「撮り鉄」活動を行うことにしました。

石巻線の貨物列車の運転内容

(数字は発着時刻、斜字は列車番号、枠内数字は機関車の運用番号です。2月19日(月)は1653列車が単機、臨時列車の8651・8650列車がウヤ(運休)でした。)


結果的にこの日、午前中の列車は運休や単機回送となり、午後からの「活動」で正解でした。

1651列車を牽引したDE10 1595号機が1650列車から212運用に入り、1653単機回送で石巻港に着いたDE10 1719号機は、652列車から203運用に入るなど午前中の列車の運休に伴い、運用の変更が行われていました。

午後からの活動となれば、下り貨物列車で小牛田発の13:08発の653列車、同14:13発の1657列車が効率よく撮影できそうです。

石巻線の小牛田~石巻間は、大まかに小牛田~鹿又間が東西に線路が敷かれており、午前の下り、午後の上り列車の撮影に適しており、鹿又~石巻間は南北となり、午後の下り列車が順光となります。

ということで、まずは鹿又駅に向かうこととし、女川11:10発の小牛田行に乗車します。往路に比べお客さんの数は多く、地元の方が各駅で乗車されます。17分間停車の石巻で乗客が入れ替わり、12:03に鹿又駅に到着です。

石巻線の陸羽東線カラーのキハ110
鹿又駅では列車行き違いです。対向の女川行も陸羽東線カラーのキハ110でした。 (2018.2.19 12:02)

鹿又駅から望む石巻線の撮影地
鹿又駅を発車した小牛田行を後追いで撮影。鹿又駅から次の佳景山駅間の田園地帯も「お立ち台」(列車撮影場所)として知られています。今回は、あと20分程で貨物列車がやってくるため、駅から西へ200mの踏切付近(写真奥)で撮影活動を行うことにします。





鹿又駅
鹿又の駅舎です。コンパクトながら、お手洗いも設置された綺麗な建物です。石巻北高校が南側に隣接しています(写真左の建物)。しかし、駅前にコンビニや飲食店等はなさそうで要注意です。

鹿又駅
鹿又駅を東側から眺めるとこんな感じで、午前中の下り列車なら順光となります。列車交換風景の撮影も良さそうです。

石巻港行DE10貨物列車を鹿又駅近くの撮影地で撮影
石巻港行1655列車を、鹿又駅の約200m西の道路上から撮影します。線路南側(こちら側)にスペースがあるのと、線路脇に枯れ草などの障害物がないのがいい場所です。 (2018.2.19 12:25)

石巻線の小牛田行652列車を撮影
同じ場所で小牛田行652列車を撮影しますが、編成最後尾が切れてしまいました。正午を過ぎ、機関車正面に少し日が射し始めていて、しかもコキ満載なのに…痛恨のミスです。この列車は鹿又駅で先ほど撮影した1655列車と行き違いをしており、その光景の撮影も良さそうです。





鹿又~曽波神間の「草刈場踏切」で貨物列車を撮影


下り列車が順光となる鹿又~石巻間で有名撮影地、いわゆる「お立ち台」は発見できませんでした。私は公共交通機関+徒歩での移動が中心となるため、機動性に乏しく臨機応変に撮影場所を変えることは難しいことから、目新しさはないものの、ついつい確実な「お立ち台」を求めてしまいます。

衛星写真などで「研究」し、列車内からロケハンもした結果、石巻付近は建物が多く当然無理で、鹿又~曽波神間の田園地帯が唯一無二の撮影場所と判断しました。

鹿又駅から曽波神駅方面へ道程で約1.5㎞、コンビニ(ファミリーマート鹿又店)もある国道45号線(青森~仙台を三陸沿いに結ぶ国道であるため、今回の旅ではよく遭遇します。)を少し南下し、「スーパー ザ・ビック石巻鹿又店」の裏(東側)の未舗装道路を進んだ遮断機の無い踏切が目指した撮影場所です。





石巻線の草刈場踏切の撮影地
田んぼに囲まれた風景の中にある「草刈場踏切」で活動します。その名のとおり(?)、踏切の周囲だけ線路脇に高い草はありませんでした。踏切前後の見通しを良くするという保安対策なのでしょうか。一応、私も除草用にハサミを持参してきたのですが、その必要はなく助かりました。ベストな条件ながら、同業者の姿は無し。まさかのウヤ?一抹の不安がよぎります。

「草刈場踏切」付近のキハ110系
石巻行1635D列車です。予想以上に高速で通過するため、シャッター速度には要注意です。右側背後の道路は、三陸自動車道です。(2018.2.19 13:12)

「草刈場踏切」で石巻線の貨物列車を撮影
時間通りやってきた石巻港行653列車です。順光下で編成最後尾までバッチリ撮れて満足です。列車左手奥の高架橋は国道45号線です。(2018.2.19 13:36)


しかし今日は寒いです。内陸部で大雪になっていることも頷けます。さらに、周囲に遮るものがないため、体が吹き飛ばされそうな強風下で列車を待つというのは、まさに何かの修行の様相を呈しています。

前述のスーパーは遠くなく見える場所にあり避難も容易であるものの、貨物列車に関しては正確な通過時間を存じていないため、ここで頑張ります。

しかし集中力が途切れたのか、14時過ぎに通過した1637D女川行の撮影は、なんとフレームアウトの大失敗。私としては、障害物がなく撮影条件が良すぎる非電化区間で多いミスです。ここでは逆に少数派である通常塗装のキハ110系だっただけに・・・残念です。

小牛田行1636D
石巻から折り返してきた小牛田行1636D列車は後追いながら、万全を期して少し横から撮影。近くに警報機のある踏切がないので、列車の接近時には要注意です。 (2018.2.19 14:37)

DE10 3507号機が牽引する石巻線の貨物列車
ついに国鉄色が登場!!石巻港行1657列車はDE10 3507号機が牽引です。3507号機は、JR東日本が保有していたラッセル車DE15 1530号機をJR貨物が購入し、本線用に転用した車両です。(2018.2.19 14:45)


晴天順光下で国鉄色DE10を撮影することができ、大満足です。本日の目的が120%達成されましたので、ここで撤収とします。あと1時間弱で1719号機牽引と思しき655列車が通過することでしょうが、更新色ということもありそこまで寒さと風に耐える気力はありません。

帰路は仙石東北ラインに初乗りすべく、石巻経由とします。鹿又発15:07の列車に間に合いそうになく、その次は17:00発になってしまいます。そこで2㎞以上離れていますが、路線バスの発着がある石巻赤十字病院まで歩くことにします。



ついでに曽波神付近で撮影


草刈場踏切から国道に出て南下し、東に入った石巻浄化センターと愛宕山の間のSカーブでも列車の撮影ができそうで、少し時間もある事なので行ってみます。

草刈場踏切より道程で約1.8㎞、曽波神駅からは石巻寄に450mの地点ですが、前述のように石巻浄化センターと愛宕山に挟まれ、並走する道路はなさそうで、大回りをしなくてはなりません。





曽波神付近のSカーブの撮影地
Sカーブの撮影地点です。奥が曽波神駅、右が愛宕山で左に石巻浄化センターがあります。右側のガードレール付近から撮影しました。


曽波神15:11発の石巻行です。ギリギリ間に合いました。あと約20分待てば、下り貨物列車が通過する筈で、コキの最後尾まで入るか微妙なものの、カーブを行く機関車のカッコイイ写真が撮れそうです。しかし本日帰路の旅程に影響するため、ここで勇気ある撤退をします。(2018.2.19 15:12)

石巻赤十字病院
石巻赤十字病院です。曽波神付近のSカーブ地点から、南西方向へ病院入口まで約600m、中央玄関前のバス停までさらに100mほどの距離です。


三陸自動車道石巻河南ICに近い石巻赤十字病院の南側は、比較的新しい市街地です。ここから近い、蛇田・あけぼの地区は大型ショッピングセンターの進出もあり、石巻の新都心だそうで、その影響で石巻駅付近の空洞化が著しいとのことです。

15:30発のミヤコーバスに乗車、お客さんは私の他に1名だけ。幹線道路ではなく、住宅街をきめ細かく経由する路線だったようで、終点の石巻駅までの乗車時間は長めの25分でした。(列車なら曽波神~石巻は5分)  



【乗車記録】

・女川11:10→鹿又12:03 キハ112-215 2両
・石巻赤十字病院15:30→石巻駅15:55 (ミヤコーバス)



仙石東北ラインに乗車してから名古屋に帰還


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