越前かにめしと特選かにめし(福井駅)を食べた記録

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越前かにめし(福井駅)・・・昭和年代からのロングセラー、蟹の風味が濃厚で美味い

まずはポピュラーな「越前かにめし」を食べる


福井駅は番匠本店さんの名物駅弁と言えば、越前かにめしです。もう私も何度か食べています。蟹の駅弁は全国各地に分布しているのですが、蟹の風味が抜けてしまっている駅弁屋、「そもそも蟹自体が少なすぎるだろ!」と文句の一つも付けたくなるようなものも少なくありません。

そんな状況の中、いつ食べても期待を裏切らない蟹駅弁の代表格が、この越前かにめしです。まもなく平成の世が終わろうとしておりますが、越前かにめしが登場したのははるか遠くの昭和36年です。それ以来、一貫して蟹好きを唸らせてきた駅弁です。

越前かにめし


現在は、プラスチックフィルムに完全に密封された状態で売られています。駅弁らしからぬ風貌ですが、これが、蟹の風味を損なわないための一番の工夫なのではないかと私は思っています。

そしてフィルムを破って、中のプラスチック容器を取り出します。同じくプラスチックのスプーンが付いています。割りばしではなくてスプーンなのは、外国人にも食べやすいばかりでなく、私たち日本人でさえもたっぷりの量の蟹と対決する訳ですから、箸よりも断然良いですね。

越前かにめし


味覚に比べるとはるかにチープな蟹の容器のふたを開けると、蟹の良い香りが辺りを漂うのが分かります。私は今回、自宅で越前かにめしを食べたので、家の中がまるで漁師小屋にでもなったかのような、そんな空想をしてしまうほどの磯の香りです。

越前かにめし


中身は、ご飯の上に紅ズワイガニとズワイガニがたっぷりと。他には刻み海苔が付属していて、それをパラパラとふりかける以外に、一切の余計なものは入っていません。

越前かにめし


何処からスプーンを入れるか迷いますね。良い駅弁には、「最初の一口」という楽しみがあります。

越前かにめし


スプーンだから、実に取りやすいです。たっぷりと蟹を口の中に放り込む事が出来ます。蟹の風味もさることながら、蟹の身がしっかりとしているのが越前かにめしの最高に素晴らしい点でもあり、蟹の「歯ごたえ」を実感できる蟹駅弁は貴重な存在です。

越前かにめし


侮れない美味しさが、ご飯です。食べるとすぐに、「これは蟹のエキスで炊き上げたな」と分かります。色合い的には、かに味噌も入っているに違いありません。ズワイガニのメスであるセイコガニの卵巣や味噌を一緒に炊き込んでいるのかもしれません(ラベル表示にはかに味噌と書かれていました)

越前かにめしの、蟹の炊き込みご飯


以上のように、蟹で迷ったら越前かにめしを買ってみれば間違いあるまいと思うのですが、その代わり、お値段は1300円と、少々高めです。安価な蟹駅弁を作る事の出来た時代は、恐らく昭和時代で終わってしまったのではないかと思います。


購入データ(今回、私が購入した時の記録です)
購入場所 東京駅の駅弁屋祭グランスタ店にて購入。
購入日時 2019年1月25日、午後3時30分に購入。
価格 1300円(税込み)
ラベル表示 越前かにめしのラベル表示
製造 株式会社番匠本店
福井市高木中央3丁目507
0776-57-0849
http://www.banjyo.jp/lineup/index.php?cid=1





特選かにめし・・・本ズワイガニはやはり美味かった


いつも食べている駅弁よりも、すこし高い価格帯のハイクオリティ駅弁を、たまには食してみたいと思って、東京駅の駅弁屋祭をうろついて発見したのが、こちらの特選かにめしです。通常版の越前かにめしの上位版に相当します。

通常版が韓国産の紅ズワイガニを使用しているのに対して、この特選かにめしは、カナダ・アメリカ産の本ズワイガニを使用しているのが大きな違いです。

紅ズワイガニと本ズワイガニは名前こそ似ていますが、かなり違います。昔はズワイガニは本ズワイガニのことを指しましたが、今や漁業資源の枯渇によって、本ズワイはすっかり高級品になって、最近ではズワイガニと言うとほとんどのケースで紅ズワイガニが使われています。

今回の特選かにめしは、外国産ではありますが、本ズワイガニを使用している数少ない駅弁であり、十分に賞味する価値があると判断して購入しました。店頭では、まるで網に引っ掛かった大量のカニのごとく、並べられておりました。

駅弁屋の店頭に大量に並べられた特製かにめし


ところでこの特選かにめしは、番匠本店のホームページには掲載されていません。どうしてなんでしょう。まさか、駅弁屋祭専用商品とかじゃないでしょうな。そういうのはやめにして頂きたいですね。

特製かにめしの外観、外箱


箱を空けると、通常版の越前かにめしと全く同じプラスチック容器です。色合いは、少し明るいかな。可愛いので、僕は好きなんですよね。越前かにめしを買った時にはスプーンが付いておりましたが、今回は伸縮性の箸が付いておりました。

特製かにめしのプラスチック容器


本当はこういったかにめしのような駅弁は、列車に揺られながら食べると、最高に気分が乗ります。冬の日本海を眺めながら食べたら、最高でしょうね。

ちなみに本ズワイガニの漁期は、10月くらいから5月くらいまでです。本来は、年中無休で売られるのは「変」なのです。冬の日本海を愛でながら、冬に賞味するのがかにめしの正しい味わい方でしょう。

参考までに、紅ズワイガニはほぼ1年じゅう収穫できます。なので、余計に駅弁に使いやすい食材と言えます。乗車した事があるレストラン列車のえちごトキめきリゾート「雪月花」の和食コースのお弁当も、紅ズワイガニのちらし寿司が出ましたし。

さて、ズワイガニのうんちくは置いておきまして、さっそく開封してみました。開けた途端に、カニの濃い匂いが部屋に充満します。越前かにめしと同じです。唾液が分泌されます。

流石に本ズワイガニだけでは駅弁のスペースを埋めることが出来ないからか、予想外のホタテ貝が入っていました。でも食べ始めると、味のアクセントとなって、大変良い感じでした。

特製かにめしの中身




越前かにめしともう1つ違うのが、ほんのりとウニを散らしている点です。これは見た目にも華やかに写りますし、ウニ独自の味わいも感じられて、やはりワンランク上の駅弁は違います。

昔、カニが獲れ過ぎて、まるで「タダ」同然だった時代には、こんなに美味いものをたらふく食べる事が出来たのですよね。良い時代でしたね。

特製かにめしに使われているズワイガニの切り身


本ズワイガニの足です。紅ズワイガニと違って、太さがあります。当たり前ですが、味も濃いです。紅ズワイガニを駅弁にすると、淡白すぎて味わいが消失してしまいがちなのに対して、本ズワイガニは時間をおいても、かなりカニカニしています・笑。強い味覚を感じる。

特製かにめしの本ズワイガニの足


忘れてはならないのが、カニのエキスで炊き込んだご飯でしょうか。この部分は、越前かにめしと同じものが使われているのだと思います。

その炊き込みご飯と、本ズワイガニの切り身を一緒に食べると、まるでカニを丸ごと一匹、口の中に放り込んでいる錯覚にとらわれます。それほど、美味しさを感じる駅弁です。

福井駅の駅弁、特製かにめし


という事で、外箱とプラスチック容器をいっしょにして撮影した写真を。最高でしたね。冒頭の写真に写っている、「越前 波の華 かにちらし」も今度、購入してこようと思いました。

(2016年8月10日、東京駅で購入。)



この駅弁の作られている、福井県の鉄道の見えるホテル


越前かにめしが調整されている福井県における鉄道の見えるホテルに関しては、北陸や甲信越地方のトレインビューホテル一覧ページをご覧いただき、近い場所にてお探しいただけるよう、お願いいたします。



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